プログラムやデータをネットワークの先のサーバーに集中して保存し処理・管理する代わりに、ネットワークにつながる端末の近く、即ち、エッジ部分にサーバーを配置しそこでデータの収集・処理・管理などを行う形態です。
インターネット利用者の増加やインターネット性能の向上などにより、2007年頃から「クラウドコンピューティング」という処理方法が注目され始めました。プログラムやデータを自分のPCに保存して利用しなくても、ネットの先のデータセンターに保存しネットワーク経由で利用する形態です。
個々の端末にくくりついていないので、いつでも、どこからでも端末の種別や同異に関わらず利用できる便利さから、今日では、メールやデータストレージサービスなど当たり前のように利用されてきています。
しかしながら、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの時代の到来により、クラウドコンピューティングにおける課題も見えてきました。IoTの時代には、ロボットや自動走行車までもがインターネットにつながり、それらとサーバーとがインタラクティブかつリアルタイムに情報のやり取りを行うようなケースも考えられます。特に、レスポンスの遅れが深刻な事態を引き起こすようなミッションクリティカルな応用分野の場合、現状の到達レベルの数10ms程度のレスポンス時間では不十分と考えられています。
レスポンス時間をもっと減らすための対策として注目されているのが、この「エッジコンピューティング」技術です。数ms程度のレスポンス時間にできるとされています。
クラウドサービスの実現を考えた時、a)ネットの先の集中システムを利用しそこから制御する方法と、b)端末近くのネットワーク周辺に分散されたシステムを配置しそこから制御する方法(即ち、エッジコンピューティング)との2つが存在し、使い分ける必要がありそうです。