一昨日夜、早々とマスゾエヨウイチの当確が報じられた。
選挙前は「元首相との一騎打ち」とメディアが伝えていたので、
そんなにショックも湧かず、ただ(やっぱりそうか)とガッカリした。
その後、今日まで選挙の記事を丹念に見る気力が起きなかったので放置していた。
そもそも、選挙直前に「有名人・文化人」による脱原発候補一本化の動きが見られたとき、
ナント、細川さんではなく、宇都宮さんに立候補を辞退するよう要請したことを知り、
その時は心底驚いた。
そして、この選挙は私の思考をはるか超えると、さじを投げたのだ。
「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」というその会の主なメンバーは、
鎌田慧さん、小山内美江子さん、落合恵子さん、河合弘之弁護士、佐高信さん、
武者小路公秀さん、むのたけじさん、吉岡達也さんら、
みんな信頼に足る立派な人達ではないか。
さらにまた、南相馬市長の桜井勝延さん、湖西市長の三上元さん、
前東海村村長の村上達也さんといった、
原発周辺自治体の首長や前首長らが名を連ねている。
これらの方々は、心から脱原発を願い、
そのために自らの血を流してでもこの選挙に勝ちたかったのだろう。
私も1本化には賛成だ。しかし、引っ込むべきは後から出てきた細川の方だと思ったので、
驚愕したのだ。ある友人は、
「映像的にあの二人(細川・小泉)は、すごいものがあるよ。とにかく皺だらけなんだから~。」
と、テレビを見ない私に教えてくれた。
私は(皺くちゃでもいいけどさ、小泉&細川元首相は、
なぜ宇都宮さんがずっと前から出馬しているのに、
人の足を引っ張るようなことするのかな。よっぽど自分に自信があるんやな)
と、「小泉劇場」という言葉も思い出して不愉快だった。
にもかかわらず私の心に(細川でもいいわ。マスゾエに対抗できるなら)
という妥協的アイディアがムクムクと首をもたげてきたのも事実だ。
大変失礼だが、私は今の東京都民を信頼していなかったのだ。
なにせあの猪瀬が圧倒的に支持されたのだ。
前回、美しい心と誠実さ、社会的弱者を切り捨てない正義を体現する宇都宮さんは、
汚い心と不誠実さ、社会的強者の代弁者、猪瀬に4:1の大差で負けた。
今回も、メディアは宇都宮さんを泡沫候補のように扱い、ろくに記事にもしなかった。
で、今日、ちゃんと得票数を見て驚いた。
朝日デジタルなどが田母神の60万票をセンセーショナルに報道し、
宇都宮さんの得票数には全く触れていなかったので、
「都知事選挙結果 得票数」で検索してみると、
舛添要一 211万2千票
宇都宮健児 98万2千票
細川護熙 95万6千票
田母神俊雄 61万8千票
と出てきた。
宇都宮健児さんが細川さんを抜いて第二位だった。
100万票近く入れた東京都民に頭を下げたい。
もし、大阪だったら、もうワヤクチャだろう(考えるダニ恐ろしい)。
東京都民の冷静に考える力を垣間見た思いだ。
もちろん、一方での田母神の61万票も視野に入れなければならない。
どんな考えを持つ人たち(または、持たない人達)が、投票したのか。
いずれにしても、宇都宮さんと細川さんの票を合わせると、
193万8千票で、マスゾエに肉薄している。
そしてマスゾエも一応「段階的に脱原発」と公約したのだから、
脱原発の票は300万票以上である。
安倍首相がこういう計算ができるヒトだと苦労しないんですけど。