昨日の沖縄県民大会で、翁長雄志知事の帽子が椅子に置かれていました。
まるで翁長知事がそこにいる気がします。
この県民大会に、琉大の東清二名誉教授がメッセージを寄せていました。
東教授は防衛省が設置した環境監視等委員会の副委員長だった人ですが、
委員会での沖縄防衛局と御用学者の癒着、腐敗ぶりに憤慨し、
辞職した人です。
このメッセージは、
国が「正当な手続きを踏んでいる」と主張する中身が
とにかく「何が何でも工事ありき」の強引な姿勢で貫かれており、
辺野古基地建設に正当性はないことを明示しています。
東清二琉球大名誉教授
「8・11県民大会に寄せて」
私は2014年4月から、沖縄防衛局が設置した
環境監視等委員会の副委員長を務めていましたが、
今年4月に正式に辞職が認められました。
最初は環境監視等委員会で、
ちゃんとした監視ができると期待していました。
それで、埋め立て区域も含めてウミガメの産卵場所、
ジュゴンの食草であるアマもなど海藻の分布と密度、
ジュゴンが何頭いるのか、どれくらいの頻度で来ているのか、
などの調査を依頼したのですが、全然返事が来ない。
何も調べていないのです。
委員会での発言の確認も第1回目の後はありました。
しかし、その後は議事録ができてくる度に全然違う。
発言をしても、こちらの要求までは書いていない。
委員会で藻場の問題も話しましたが、それは議事録には載らない。
防衛省は自分たちの都合の悪いことは議事録に載せないのです。
委員の意見を聞いて、それを守るのが防衛省のはずなのに、
自分らに都合の悪いことは一切書かないで、
都合のいいことだけ書いて、それを守っていくだけなのです。
そんな委員は意味がありません。
県外からの委員には、沖縄のことはわからないんです。
沖縄に来て初めてサンゴを見た人もいたんじゃないでしょうか。
とにかく、委員会で何を言っても響かない。
開発一点張りで、サンゴのことだけは答えるが、
それ以外のことはまともに答えない。
海草藻場のことなどは見ないことにしよう、
聞かないことにしようと。
工事ありきで、他の意見は聞かないという態度です。
環境監視と言いながら、工事を進捗させるため、
何らかの了解を得るための委員会だと
防衛省は思っているようでした。
工事を進捗させることに関係ないことには耳を貸さないという態度ですね。
それじゃあ何の意味もない、何のための委員会かということで、
私は2015年3月に辞めると事務局に伝えました。
沖縄防衛局からはこの件で取材があれば、
事務局に聞いてくれと答えなさいと言われました。
辺野古、大浦湾の環境は優れています。
特に藻場はすごい。
あんなに広い藻場は他にないです。
それを埋め立てるのは自然破壊そのものです。
沖縄本島の山を崩して埋め土を持って来るのも、自然破壊です。
辺野古、大浦湾の埋め立ては、やめさせることです。
中止すべきです。
沖縄にはもう、これ以上、軍用基地はいらないです。
慰霊の日の翁長知事の発言には本当に感激しました。
私は、翁長知事の埋め立て承認の撤回を支持します。
東清二
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-780624.html
「辺野古埋め立ては自然破壊」
東清二琉球大学名誉教授メッセージ全文 8・11県民大会
琉球新報