毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「日本語が好きで、好きで・・・」 2013年6月7日(金) No.673

2013-06-07 22:02:33 | 中国事情
日本語学科の多くの学生たちは、
将来の就職に有利であると考えて日本語を学んでいる。
そうした学生たちの中で、ときどきだが
「日本語が好きで、好きでたまらない」
という学生に出会う。

初めてその言葉を聞いたときは、耳を疑い、
その言葉をも疑った。
ほかの国ならいざ知らず、
ここは中国、近・現代史に刻まれた深い深い傷は
「日本語が好き」という言葉と相容れないのでは、と
日本語を教えている自分からして思うのに、
なぜ、そんな風に感じることができるのだろう。

「どうして好きなんですか」
と聞くと、
「自分でもわからないんです」
「ただ、ただ、日本語を話したくてたまらないんです」
という応えが返ってくる。
彼女ら、彼らの特徴は、
非常に真面目に集中して学習する子たちだ、ということだ。
スタートは個々様々な理由があるにしても、
とにかく始めてしまったからには、ひたすら一生懸命頑張るタイプだ。
その子達の多くは、
日本語学習のスタート地点では、英語がかなり得意だったという。
しかし、2年、3年と日本語ばかりに集中しているうち、
外国語イコール日本語になって、英語は日常会話もろくにできないほど
後退してしまうらしい。
全身、すっぽり日本語のシャワーを浴びているうちに
感覚的にすうっと入った状態になるのだろうか。

母語以外の言語を自由に話すことができたら、
それはとてもカッコイイ。
そうした感覚は中国でも同じだ。
日本語の達人たちは、クラスメートや後輩からの尊敬の的になる。

そうした日本語の達人たちのほぼ全員は、
日本人や日本文化に胸を開いて受け入れてくれる。
言語を学ぶということの「奇跡」を思わずにはいられない。

今日は、そんな日本語学習の達人の一人、
卒業したばかりの洪文芳さんと、
同じく卒業生の劉宏威さん、羅浩さん、劉鶴さんが
3年生の後輩たちに進学や就職についての自分の体験を話しに来てくれた。
先輩から後輩への精一杯のアドバイスの会も、
これで3回目だ。
卒業生たちが急に大人に見える時期がまたやってきた。
もう、お別れだ。





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