↑画像はインターネットからお借りしました。
日本文学史の授業で平安期の文学作品を一通り紹介した後、
【平安文学で読みたい作品・心惹かれる作品はどれか。】
という問いを日本語学部三年生に投げかけてみると下のような返答がありました。
教科書には、
ほんの少しの解説と冒頭部分(原文と現代語訳)を載せてあるだけのものや、
『源氏物語』のように何ページも割いて粗筋や解説を載せているものと、
作品の待遇は分かれていますが、
ページ数が多いからといって必ずそれが好きになるものでもありませんでした。
教科書以外で私が多少補足して現代語訳で紹介したのは、
『堤中納言物語』の「虫愛ずる姫君」、『枕草子』と『今昔物語』だけです。
作品の選択はもちろん自分の意思でしょうが、
なぜそれが好きなのかをどこかの文から勝手に引用して事足れりとしている子、
友達と同じ文を書いている子などがいます。
中国ではこれがとても多く、私は必ず注意します。
しかし、それを差し引いても、
私の頭の中に活き活きと存在する古代に生きた日本の作家たち、
紀貫之や清少納言、和泉式部、紫式部、藤原道綱のお母さん、在原業平などが、
学生たちの心の中にそっと入り込んだとしたら、
こんな嬉しいことはありません。
私が好きな平安文学作品・・・菏澤学院3年生
A:『今昔物語』私がこの作品が好きな理由は、この中には様々な伝説があるからだ。私は○閻伝説にすごく興味がある。さらに、この作品は主に普通の人々の生活を映しているから、『今昔物語』を読むと、その時代の人々の習慣や風俗が学べる。だから、もっと日本の文化を理解することができる。
B:『蜻蛉日記』(藤原道綱の母)私は蜻蛉日記が好きです。この作品の作者は才色兼備の美人だと言われています。結婚した後は幸福ではなく、心はいつも苦渋に満ちていました。だから、こうした苦悶、悩みを日記に書きました。私がこの作品が好きな理由は、作者がその時代の一夫多妻の上流階級社会に生きる女性の不幸を訴えたからです。一夫多妻制の下で、ひたすら夫の来訪を待ち焦がれる受身の日を送った作者の薄幸無残な姿を丹念に描きました。
C:『伊勢物語』この作品は日本最初の歌物語です。特に作者は自ら選び取った和歌を駆使して、男女の世界の哀れさを浮かばせながら、人間の真情への郷愁を織り込みます。私は人間の真情や郷愁といった感情が大好きです。だから『伊勢物語』が好きです。
D:『源氏物語』(紫式部)私が最も心惹かれる作品は『源氏物語』です。私が大好きなのは作品の中で、違う花は違う女性の運命を暗示するということです。
E:『土佐日記』(紀貫之)平安時代の文学作品で、『古今和歌集』を編集した紀貫之の『土佐日記』が大好きです。女性の名に仮託して仮名文字で書かれたこの日本最初の日記を実際に読んだことはありません。しかし、男性として紀貫之がなぜこの日記を書いたかという気持ちは何となく分かります。何故なら私もそういう気持ちがあるからです。日記を書くことではなく、女性になりたいという気持ちなのです。21世紀の現在、医学の力によって男性から女性になることはできないものでもありませんが、平安時代に生まれた紀貫之にとっては、絶対できないに違いありません。そこで三十六歌仙の一人の紀貫之は、女性になりたくて、女性の名にでも仮託して日記を書くことで「女性になった」のを楽しんでいたのではないかと思います。これから是非『土佐日記』を一度読んでみたいと思っています。
F:『土佐日記』(紀貫之)私は『土佐日記』が一番好きだ。これは男性の作者が女性に仮託して仮名文字で書いた日本の最初の日記である。
G:『堤中納言物語』文章が長すぎれば根気が尽きて読み終わることができません。『堤中納言物語』には面白い短編小説があります。寝る前に食事した後で文章を一つ読み終わることができます。
H:『源氏物語』(紫式部)作品を全部読んではいないけれど、紹介を通じて一番印象的なのは『源氏物語』だ。これは中国の『紅楼夢』のような作品だ。
I:『堤中納言物語』この作品は日本文学史における最初の短編小説です。恋愛を主題とするものが半分ぐらいありますが、他にもいろいろな題材を取っています。短編だから長い時間かかって読む必要がありません。寝る前に食事した後で文章を一つ読み終わることができます。
J:『枕草子』(清少納言)私は『枕草子』が大好きです。随筆なので大好きです。作品の名前も美しいです。
さすが人生の機微をご存知のこきおばさんならではの筋書き!学生たちのはやはりヒヨコですわ~(笑)。
今度、ブログでも紹介いたします。ストーリーを面白く感じさせるためには主人公の心の中をみせなければなりませんね。こきおばさんのたった5行の筋書きの中にはそれがちゃんと書かれていて、とても説得力あります。いや~、すご~い!
かぐや姫は月に帰ってきたけれど付ではかぐや姫のような美人ばかりなので、あまりもてないし、両親ともずっと離れていたので他人みたいだし、やっぱり地球の育ての親の愛情や、男たちが群がってきたことが懐かしくなり、もう一度地球に戻ってきた。「月より地球のほうが暮らしやすい、愛がたっぷりだもの」と言わせたいですね。そして「戦争がないのは一番いい」とも言ってほしいと思います。
中国の学生が日本の古典文学を学んでいるのは必修の履修科目に指定されているため、嫌だとも言えず、です。はじめの頃、「なぜこんな意味不明のものを覚えなければならないのですか」と疑問を投げかけてきた勇気ある学生もいます。現代語だけで許容量が限界の学生でした(笑)。興味をそそるように紹介するのが教師の仕事なので、自分自身も勉強せざるを得ず、そのうちに楽しくなってきたのが私の場合です。『竹取物語』のその後を創作させたり、いい加減なこともして楽しんでいます。こきおばさんなら、月に帰ったかぐや姫はその後、どうなったと思いますか。また、どうなったらおもしろいですか(笑)。
中国の大学生が、日本の古典文学を勉強していることは嬉しいことですね。
本当に体験型のツアーで、中国のことがより深く解るようなツアーがあるといいですよね。お隣の国ですもの、もっともっとわかりあって仲良くならないと。
私の周辺の人たちも、中国人を蔑視している感があります。日本に観光に来る中国人のふるまいを受け入れられないでいるのですが、そのたびに文化の違いを話しますが、日本人は「違い」を排除したい傾向は今も根強くありますね。
私がこちらに来て7年間、ずっと感じているのは中国の人たちは日本人が想像しているよりずっと、日本人を認めているということです。たまに戦争の所為で日本人を憎んでいる人がいますが、私は7年間で二人しか出会っていません。割合から言えば、日本に興味があり、知りたい、行ってみたいと思っている人のほうが圧倒的に、絶対的に多いのです。
本当に、仲良くしたいものです。
日本の人たちも一度中国に来て、へこきあねさ様のような体験をすれば、きっと考えが変わりますよね。通り過ぎるだけの観光ではなく、体験型のツアーで地元の人たちと接する機会があればいいんですけどね。誰か旅行会社でそんなのやってもらえませんかね。
「やれしい」と書いてしまいました。
ごめんなさい
興味を示して勉強しているということはやれしい
限りです
中国へ行ったとき、玉に日本語を勉強しているから
教えて、といわれることがあるので、喜んで
教えています。 隣同士、もっと
仲良くしたいですよね
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