毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「日本の着付け・お茶・和小物で和みの一日」No.1943

2017-05-12 23:42:25 | 中日(日中)交流

夜中に菏澤に着いた「桶蝶」着物教室講師団4人組は、

旅疲れと寝不足でたいへんだったに違いないのに、

今日早朝から夕方まで、

非常にパワフルな文化伝道師ぶりを発揮してくれました。

私もつられて寝不足なので、

今日は取りあえずその一部を写真でご紹介し、

早めに寝ることにします。

 

午前中は和小物づくりとお茶体験。

下は和小物(匂い袋)作り教室。

普段の授業とは全く異なる表情を見せる学生たちに

私は驚きと反省の念が湧きました。

 

こちらはお茶体験。飲む仕草を前もって練習しています。

団長はちょっとお疲れの表情ですが、元教師の講師は場慣れた様子で

ポイントをてきぱきと説明しています。

お茶教室の動画を見入る学生たち+突然参加した学校のリーダーたち

(手前の年配の三人)。

お茶碗のほとんどとお菓子は4人が大阪から運んできたものです。

小さいサイズの茶碗4つは中国でネットで買いました。

「熱烈歓迎日本桶蝶文化学校」は、「桶蝶着付け教室」の中国的解釈でしょうか。

 

飛び入りの大学のリーダーたちにお菓子を振る舞い、

お茶のたて方を教える団長。

リーダーたちもとても興味深そうでした。

青い服の女性は外国語学部のトップです。

 

これは午後最後の2年生の出し物。

全部で12人しかいないクラスですが全員で「ようこそ いらっしゃいませ」

の紙を持ち、あいさつした後、

寸劇「寿限無」と歌「少年時代」を披露しました。

「寿限無」は熱演のかいあって英語学科の学生たちにも大うけでした。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「今夜、大阪から学生への応援団が来訪」No.1942

2017-05-11 10:59:58 | 中日(日中)交流

☝キャンパス内にいくつかある藤棚のトンネル。花はすっかり落ち、

葉が青々とトンネルを覆っています。


昨夜は研究室で9時過ぎまで日本語学科の老師たちと打ち合わせをし、

宿舎に帰ると午後10時前、急いで晩御飯を食べて、

ネットチェックの後、ブログも書かずバッタリ寝ました。


実は今夕、大阪からの4人の女性たちが済南空港に降り立ち、

深夜に菏澤学院に到着するのです。

4人は寝屋川の着物着付け教室「桶蝶」の講師団で、

以前、江西財経大学にも来てくれた私の大切な友人たちです。

私は日本から休暇ごとに浴衣を少しずつ運んできますが、

その浴衣の多くはこの桶蝶さんから超格安の値段で買ったものです。

(他にも、宅配便で送ってくれた方、

いつも若い子向けの浴衣をくれる我が娘など、

私の背には何人もの日中友好の支持者が控えてくれています)。

「日中友好」という言葉は手垢にまみれて、

空々しく聞こえかねないものですが、

彼女たちは、この中国で日本語や日本のことを一生懸命学ぶ学生たちが、

現実にいることに心を動かされて、中国行きを決意してくれました。

各種着物やお茶の道具を持参し、

飛行機代も移動費もどこからの補助金も受けてません。

全部、一切、自前です。

その心意気と実行力には本当に頭が下がります。


今日は2年生の授業で明日の交流会での出し物のお稽古をします。

彼女たちが決めたのはいつものパターンの

「世界に一つだけの花」の振付と歌(ガッカリ)。

もう一つ、これは私のアイディアで、

江財大でもやった寸劇「寿限無」です。

菏澤学院日本語学科の学生たちは押しなべて、

『どうせやるなら派手にやろう』という高らかな精神(笑)に欠けています。

今回は、常々私が彼女たちに訴えている、

「自分の眠っている力を呼び覚まそう。

恥ずかしいという気持ちに支配されてはいけない。委縮するな!」

試す、またとないチャンスです。


昨日は会場にするEnglish Salonをかなりきれいに掃除しました。

(日本語サロン室はこの大学にはありません。)

さあ、明日・明後日が楽しみです!


☟先週金曜日まで滞在した卒業生で大連の大学院生、王康さんが、2年のクラスで日本語作文の授業を受けたときのスナップです。私の質問への答えをどんどん言うので、「大学院生は黙っていてください」と注意しました💦 王康さんは後輩たちの誇りです。



 

 

 

 





 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「佐川理財局長…ぺらぺらと説明するけど…森友学園5/8衆院・予算委」No.1941

2017-05-09 23:43:07 | 日本事情

できるだけ真実から遠ざかるよう、遠ざかるよう、頑張る

佐川理財局長の答弁。

この人の、野党議員には一切答えない態度にはハラワタ煮えくりかえります。

だれに忠誠を誓っているのか、ま、ときの権力者にですよね。

公務員は国民に奉仕する義務があるにもかかわらず、

公務員法規定違反をものともせず、誤魔化すことに一意専心するこの姿。

アベ首相同様、腐臭を放っています。

 

「田村室長との話」音声証拠、

昭恵夫人と籠池さんとの写真証拠、

次々と森友学園事件の証拠が出てきているんですね。

いつまでこんなのらりくらりの説明ができるのでしょう。


また、「ズブズブ」という言葉が

品が悪いとごねるしかないアベ首相。

 

下は民進党の福島伸享さんの質疑。

他にも、共産党・辰巳孝太郎さん、宮本岳志さんの質疑、

YOU TUBEで見ました。

野党はさらに頑張って追求し、

真実を白日の下にさらけ出してください。

政治権力を自分の特権にされたら

庶民は立つ瀬がないです。

日本国憲法では、主権は国民にあるといっているのです。

今の日本の状態は異常すぎます。


森友学園5/8 安倍晋三「昭恵夫人はズブズブ!森友学園の身内」福島伸享(民進):5/8衆院・予算委員会

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ロシア・ルーマニア・バングラディシュ・フィリピン:英語学科の多彩な先生方」No.1940

2017-05-08 20:55:05 | 中国事情

☝ついこの4月には真紅の花を咲かせていたプラム(か桃?)に、もう実がついています。

 ☟4月6日にほぼ同じ場所で撮影したプラム(か桃)の花。

 

先週金曜日のお昼に外国語学部の外国人教師が一堂に会する食事会がありました。

英語学科の老師たちの顔ぶれがずいぶん変わったので、

私もちょっぴり先輩のような気になりましたよ。

日本語学科と英語学科しかない外国語学部で、

日本人教師は私一人だけ、あとの5人は英語学科の老師たちです。

しかし、その英語が……、

新任のロシア風英語のイリア先生や、

同じく新任のルーマニア風英語のダイアナ先生の中にあって

フィリピン出身のEVE先生の英語が非常に聞き易く感じました。

あと、非常に寡黙なのでまだ発音の特徴が分からない

バングラディシュ出身のダフィ先生は、宗教の理由でお酒は飲みません。

アメリカ出身のサミュエル先生もほとんど話さず、ただ飲んで食べるだけ。

彼は一年菏澤学院にいる間、一度もアメリカに帰ったことがありません。

誰ともあまり話さず、どっちかというと引きこもり系です。

私は英語会話の技能もたいしてないんですが、

隣になったロシアのイリア先生に、

「ロシアの伝統的な歌ならたくさん知っていますよ」と言って、

「ボルガの舟歌」「カリンカ」「トロイカ」「モスクワの夜は更けて」など、

ところどころロシア語で歌い、一気に仲良しになりました

さらに、バイカル湖の畔、イルクーツクで生まれたというので、

「シベリアに追放されたデカブリストが作った町ですよね」

と、高校の世界史の知識を今頃ひけらかしました。

デカブリストとその系譜を継ぐナロードニキたち

ロシア帝政下の農奴解放と革命にその人生をささげたという話を、

50年近く前、北海道知床半島の斜里高校の世界史の授業で

先生が熱く語っていたことは、

教室の様子も先生の服装も含めて、しっかり脳裏に刻まれています。

(「デカブリスト」(十二月党)……なんてカッコイイ響きだろう!)と

高校生だった私は見知らぬ言語への憧れとともに、

凍てつくシベリアの地で知識人の青年たちが強制労働に従事する姿などを想像し、

その頃たまたまショーロホフの「静かなドン」を読んだこともあって、

感涙にむせんだりしたものです。

ドストエフスキー、プーシキン、ショーロホフ、ソルジェニーツイン……。

ロシア文学は青春期の私に大きな影響を与えました。

ロシア人の先生と同じビルで暮らすことになるとは

その時考えてもいませんでしたが、

機会があれば是非、また話をしたいものです。

ルーマニア人の先生も、席が離れていて話しませんでしたが、

ルーマニアと言ってすぐに浮かんだのは「チャウシェスク」だけで、

歌も知らず、今度お会いするときまでには

もっとルーマニアについて調べておかねば

と思いつつ、スピーチコンテストの指導のため、先に席を離れました。

(コミュニケーションに欠かせないものは、

言語、そして歌だな)と思いながら。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アベ首相が襲われた!…という夢」No.1939

2017-05-07 19:26:12 | 中国事情

(新緑のキャンパス。右が取り壊されている途中の廃寮です。

 左は同じ年代の建築ですが、

 今も男子学生寮で8人部屋に学生たちが寝起きしています

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「昨夜安倍総理が暴漢に襲われる夢を見ました。」

昨日の友だちからのメールです。

いいですね。私も見たかったですよ。

「正夢か?何しろ総理大臣を襲った犯人を匿う役でドキドキしました(≧▼≦)」

とのことです。

ここで「正夢となるように祈っているわ。」

と呟いて、(ん、これ、既に共謀罪的かな?)という考えがよぎりました。

このように共謀罪とは、

心で思うことまで萎縮させる絶大な効果があります。


以前、飛行機の中で知り合った中国の留学生が言っていました。

「とても小さい時、政治家の誰かの名前を言ったら、

母が『そんなこと言ったら逮捕されるよ!』と言って、

私の口を押えました。

誰の名前を言ったかは忘れても、

母の言葉と口を押えられたことは、恐怖となって私の心に残りました。

日本は言論の自由があっていいですね」と。

共謀罪は、

呟きを誰かと共有しただけでも、

権力者によって決めつけられたら、もうお終いです。

庶民の自由・意志・力がここまではく奪されてしまうのです。

さらに、セットで特定秘密保護法、盗聴法があります。

壁に耳あり、障子に目あり。

日本は国民がのびのびと暮らすことを制限する、

とても悪い国になりつつあります。

「日本は言論の自由があっていいですね。

宝物を持っていますね。」

中国の学生の言葉を反芻して、唇を噛みしめます。

ここまで来てしまったのも、

深く考えずアベノミクスに期待して、

自民・公明・維新を選んだ日本の選挙民の選択のせいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フェイクニュースだらけのアメリカ&日本」No.1938

2017-05-06 21:14:48 | 人間

「フェイク(ウソ)ニュース」と言うんですね。

事実ではないことを、いかにも本当のことのようにメディアで流すのが

今、アメリカで、そして日本でも常識なのだそうです。

下はポール・ホーナーさんという人で、

ヒラリー・クリントンにとって不利になる嘘ニュースをどんどん作って流し、

アメリカの人々をすっかり信じさせて、

トランプ旋風を巻き起こし、

彼を大統領にした立役者と言われている人ですって。

 

ポール・ホーナー(38)。株のネット取引などで稼ぐかたわら、abcログイン前の続きnews.com.co▽cnn.com.de▽nbc.com.co――といった、大手メディアに似せたサイトを次々と開設。でっち上げのニュースを選挙序盤から発信した。…朝日新聞デジタル2017年4月29日


彼が作ったウソニュースで最も反響を呼んだ一つが、

「クリントン陣営がカネで人を集め、

トランプの集会に『抗議者』として送り込んだ」

という記事なんですと。

「支払われたお金は3500ドル」

「実際にトランプの集会に出かけてお金を受け取った人が暴露」

などと、いかにも本当っぽく書くその手口。

これ、みんなよく知っているんじゃないですか。

ほら、「辺野古や高江に行く人は、日当5000円もらっている」

などとまことしやかにネットで拡散されましたよね。

「実際にもらったという人がいる」というのを証拠だとするのですが、

その「実際にもらった人」は、

一度もメディアや公衆の前に姿を現したことがありません。

そんな根拠のないことを「事実」と思う人も思う人だ、

と私は腹立たしいのですが、

アメリカ人も、この手口にすっかり騙されてしまったのですと。

 

アメリカのバズフィードの調査によると、

アクセス数、シェア・コメント数などは

フェイク(ウソ)ニュースの方が、リアル(本当)ニュースを凌駕しています。

フェイクニュース

リアルニュース

ローマ法王がトランプ支持を表明、世界に衝撃(96万件)

トランプの恐るべき不正の過去。なぜクリントンは責められる?(ワシントン・ポスト:84万9千件)

クリントンが過激派組織「イスラム国」(IS)に武器売却(78万9千件)

私は今、クリントンを支持している。モレル元CIA副長官が寄稿(ニューヨークタイムス:37万3千件)

3500ドル受け取り、トランプの集会で講義した 反トランプ派が暴露

(37万6千件)

160人以上の共和党のリーダーはトランプを支持しない(ニューヨークタイムス:34万7千件)

(朝日新聞デジタル2017年4月29日参照)

さらに、恐ろしいことには、

フェイクニュースをこさえた本人のポール・ホーナーさんが、後で

「実は、あれは嘘だ」と言っても、

「一度信じた人々の考えを変えることはできなかった」のだそうです。

彼は、自分のウソニュースを芸術作品だとし、

ウソニュース作成の意図を、

「トランプの言葉をうのみにする人も、批判するメディアも、

自分たちの信じたいことのみを受け入れ、伝えている。

何が真実なのか、みんなに突き詰めてほしかった」。

などと語っているそうです。(朝日新聞デジタル2017年4月29日参照)


しかし、

ポール・ホーナーさん、

それは、やってはいけないことだったと私は思いますよ。

 今、何が嘘で、何が本当か、わけが分からなくなって

人びとの多くは疑心暗鬼に囚われるか、

鵜呑み信者になってしまっているじゃないですか。

社会を混乱させるつもりはなかったと言っても、

あなたの犯した罪は取り返しがつかないほど大きいです。

社会の基本土台の一つは、

真実に近づこうとする意志と意志の相互信頼にあり、

ポール・ホーナーさんはそれを本格的に破壊したからです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「泥憲和さん、本当にありがとう」No.1937

2017-05-04 11:30:37 | 反戦平和

泥憲和さん、

昨日、5月3日憲法の日の朝にあの世へ旅だってしまいました。 

生きていて欲しかったです。

生きていて欲しかったです。

泥さんも、こんなに早く逝ってしまうとはご自身、

残念で堪らなかったことでしょう。

まだ、64歳だったのに……。

今日、授業中も不意に涙があふれて困りました。


 

泥さんの最後の投稿になった4月24日のフェイスブックの記事を

 ここに掲載させていただきます。

本人の了解なしです。泥さん、すみません。


子どもは大人が託す未来への希望です。

泥さんが最後に子育て考を残されたことは、

偶然かも知れませんが、私は泥さんからのメッセージだと受け取りました。

泥さん、残念ですが、もう生身の泥さんにはお会いできません。

しかし、これから泥さんの足跡を辿ることはかろうじてできそうです。

病気の身体をおして書かれた書物、講演、FB投稿、

ありがとうございます。

一生懸命、読みます。

   

 泥 憲和 4月24日 10:58 

 【「太鼓ばやし」は子育て太鼓】

 昨日の投稿【考え方と感じ方】にたくさんコメントをもらったので、ふと思い出して4年前の投稿を再掲します。
 かなり長いのですが、一挙に掲載します。
 体罰は日本の伝統的な子育て文化の中になかったという話です。
 そのことを、私たちは伝統文化から学ぶことができるんです。

目次

◇1.発祥地は岐阜県恵那地方
◇2.七歳までは神のうち(この項削除)
◇3.ヨーロッパ人がうらやんだ日本の子育て
◇4.日本の伝統社会は子ども天国だった
◇5.太鼓ばやしに込められた心とは
◇6.体罰教育は日本の伝統と正反対
*****
◆発祥地は岐阜県恵那地方
.
 太鼓囃子のふるさとは岐阜県恵那市串原町です。

 原型は、中山神社の奉納太鼓として伝わる「中山太鼓」です。
 観光協会の公開する由来書きは観光客向けのホラで、信憑性がありません。
 由来不明と考えておいた方が正しいでしょう。
.
 中山太鼓には色々な曲がありますが、すべて
(1)即興でなく曲が決まっている。
(2)踊りながら太鼓を叩く。
(3)1フレーズを叩き終わると叩き手が変わる。
と言う3つの特徴があり、こういう形式は珍しいのだそうです。
 太鼓ばやしもその形式を忠実に踏襲しています。
.
 「中山太鼓」は奉納神事として行われます。
 奉納神事とは、神さまにささげる(見ていただく)神事。
 日本の多くの地方では、この神事に必ず子どもが参加することになっています。
 どうして必ず子どもが参加するのでしょうか。
.
(一部削除① 削除した文章は末尾に保存)
.
◆ヨーロッパ人がうらやんだ日本の子育て
.
 ここでちょっと、伝統的な日本社会の子育てについて語ります。
 ヨーロッパ人は安土桃山時代に日本にやってきて、それからずっと、さまざまな見聞録を残しています。
 少しいまから紹介しますが、全員が異口同音に驚いているのが日本の子育てなんです。
.
★安土桃山時代「日欧文化比較」 ルイス・フロイス(イエズス会宣教師)
.
「ヨーロッパでは普通鞭で打って息子を懲罰する。日本ではそういう事は滅多に行われていない。ただ言葉によって叱るだけである。」
「子を育てるに当たって決して懲罰を加えず、言葉を以て戒め、6、7歳の小児に対しても70歳の人に対するように、真面目に話して叱る」
 この光景は、「お前ちょいとそこにお座り」という親父の説教のことですね。信長の時代からやってたんだ(笑)
.
「ヨーロッパの子どもは大抵公開の演劇や演技の中でははにかむ。日本の子どもは恥ずかしがらず、のびのびしていて愛敬がある。そして演ずるところは実に堂々としている。」
 この様子はおそらく奉納神事の姿ですね。
 「太鼓ばやし」は、こういう子ども神事のひとつなんです。
.
★江戸時代「日本について」 オヴェルメール・フィッセル(オランダ商館員)
.
 「私は、子どもと親の愛こそは、日本人の特質の中に輝く二つの基本的な徳目であるといつも考えている。」
 「このことは、日本人が生まれてからずっと、両親がすべてを子どもたちに任せてしまう年齢に至るまで、子どものために捧げ続ける思いやりの程を見るとはっきりわかる。」
.
★明治時代初期「日本奥地紀行」 イザベラ・バード(イギリス人)
.
 「私は、これほど自分の子どもを可愛がる人々を見たことがない。常に子どもを抱いたり背負ったりしていて、歩くときには手を引いてやる。子どもの遊んでいる様子をじっと見守り、時に一緒に遊んでやったりもする。いつも何かしら新しい玩具を与え遠足やお祭りに連れて行き、子どもがいないときは、寂しそうにしている。」
 「子ども崇拝は、アメリカよりも日本の場合がもっと一般的である。私が思うには、日本の形式が最もよい。」
.
★「日本その日その日」 エドワード・モース(東京大学教授)
 「この国の子ども達は親切に取扱われるばかりでなく、他のいずれの国の子ども達よりも多くの自由を持ち、その自由を濫用することはより少なく、気持ちのよい経験の、より多くの変化を持っている。
 赤ん坊時代にはしょっ中、お母さんなり他の人々なりの背に乗っている。
 刑罰もなく、咎めることもなく、叱られることもなく、うるさくグズグズいわれることもない。
 日本の子どもが受ける恩恵と特典とから考えると、彼らはいかにも甘やかされて増長してしまいそうであるが、しかも世界中で両親を敬愛し老年者を尊敬すること日本の子どもの如きものはない。
 汝の父と母を尊敬せよ※・・・これは日本人に深くしみ込んだ特性である。」
(※聖書の十戒のひとつです)
.
 なんだか恥ずかしくなってしまうようなほめ言葉の連続ですけど、実際、ヨーロッパ人は自分たちの文明と較べてみて、日本の文明の質の高さに驚いたのです。
 モースはこんなことも書いています。
 彼が隅田川の川開きに出かけて行った時のことです。
.
 「大混雑の中でも、不機嫌な言葉を発するものは一人もなくただ『アリガトウ』『アリガトウ』あるいは『ゴメンナサイ』だけであった。かくの如き優雅と温厚の教訓!なぜ日本人が我々を南蛮(なんばん)夷狄(いてき)と呼んできたかが、段々判ってくる。」
.
 当時の日本は今日の第三世界と同じでとても貧しくて科学技術が劣っていましたが、人間とその社会の質は、ヨーロッパ人とその社会から見ても驚嘆すべきものだったのです。
.
◆日本の伝統社会は子ども天国だった
.
 ヨーロッパ人の驚いた子育てですが、日本人には特に驚くべきことでもありません。
 遠く万葉集の時代でさえ、こんな歌が山上憶良によって歌われています。
.
☆うりはめば こどもおもほゆ あわはめば ましてしのはゆ いずくより きたりしものぞ まなかいに もとなかかりて やすいしなさぬ 
〈現代語訳〉
 旅先で瓜を食べると子どものことが思われる。
 栗を食べると、まして偲ばれてならない。
 一体子どもはどこから来たものであろうか。
 まぶたに浮かんで、私を安眠させない。
.
☆しろかねも くかねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも
 〈現代語訳〉
 銀や金といったような物に何の値打ちがあるだろうか、何よりも大切な子どもに勝る宝物などありはしないのだ。

 このように、日本人は古来より子どもを愛し、大切に育てる文化を継承してきたのです。
 けれども昔の日本は貧しかったので栄養状態は悪いし、保険・衛生環境も悪かったので、たくさんの子どもが乳幼児期に亡くなっていました。
.
(一部削除② 削除した文は末尾に保存)
.
◆太鼓ばやしに込められた心とは
.
 で、奉納神事の話に、つながります。
 日本社会は3歳、5歳、7歳という節目や、前髪落とし、元服、帯解き、お歯黒など、数々の人生の節目を用意していて、そのたびに氏神への感謝を欠かしませんでした。
 その節目ごとに、子どもが歌舞伎や太鼓や相撲などの神事を奉納したのです。
  
 神さまの場で我が子が元気に演じる姿を見て、親たちはどれほど心をふるわせたでしょうか。
 よくぞここまで育ってくれたと子どもに感謝し、よくぞここまで育てることが出来たと我が身を誇りにも思い、見守り助けてくださった氏神様に感謝を捧げる・・・。
 その心と姿は、我が子の卒園式や入学式で涙する現代の親の姿と同じことですよね。
 そのように考えれば、何百年も昔の日本が少し身近になった気がしませんか?

◆体罰教育は日本の伝統と正反対

 ところで一口に日本の伝統といっても、継承したいものもあれば克服したいものもありますよね。
 太鼓ばやしについて言えば、継承したい良い伝統のことはすでに述べました。
 克服したいものとは何でしょう。
.
 皆さんは時々聞きませんか、子どもにはスパルタ教育が一番だとか、愛のムチで厳しく育てないから子どもがゆがむんだとか言う意見を。
 そういう考えは、いま見たように、日本の伝統社会に本来存在しなかったものです。
 それは日本社会が生み出した思想ではないのです。
 ではいつから現れたのかと言えば、その教育思想は、明治時代にドイツから学んだものなのです。
 文明開化のときに、科学技術といっしょに学んでしまったんです。
 たった100年ほどの歴史しかないんです。
.
 ドイツの教育思想は、国民皆兵の強い軍隊を造るために、軍隊式教育を学校にもちこんだものです。
 明治日本がそれを学び、学校で軍隊式の教育を行った。
 それでスパルタ教育という考えが日本人の頭に染みついてしまったんですけど、その教育は果たして成功したんでしょうか。
 モースの文章をここで思い起こして下さい。
.
 「大混雑の中でも、不機嫌な言葉を発するものは一人もなくただ『アリガトウ』『アリガトウ』あるいは『ゴメンナサイ』だけであった。かくの如き優雅と温厚の教訓!なぜ日本人が我々を南蛮夷狄と呼び来たったかが、段々判ってくる。」
.
 こういう温厚な人々が、果たして体罰や強制で育つものでしょうか。
 こんなに優雅な社会を、暴力的なスパルタ教育を受けた人間がつくれるものでしょうか。
 よくよく考えるべきことだと思います。

.
.
 削除部分①
その理由のヒントは、つぎの言葉にあります、
. 
「七歳までは神のうち」
 子どもが生まれても七歳までは人間社会の一員ではなく、半分神さまの世界にいるようなものだという意味です。
 どうしてこのような言い伝えがあるのでしょうか。
 この言葉を通じて「太鼓ばやし」に隠された日本の心をさぐってみたいと思います。
.
削除部分②
 そこで日本人は風変わりな言い伝えを、誰ともなく口伝えで伝えるようになりました。
 七歳までは神のうち、と。
.
 若い親たちに、年寄りが言い聞かせるのです。
 いいかい、お聞き、子どもが授かったら大事に育てるんだよ、子どもというのは、親の子であって親の子ではないのだから。
 七歳までは神さまのものなんだからね、親の自由にならないんだよ、どんなことがあろうと、大切なのは、何よりもまず子どもだよ。
 でも万が一、運悪く亡くしてしまったり、貧困ゆえに育てることがかなわなくても、赤ちゃんはまだこの世のものではなかったのだから、神さまの下に帰っただけなんだから、気落ちしないようにねと慰める。
 これが日本人の子供観でした。
(削除ここまで)

 
 
<form id="u_0_10" class="commentable_item" action="https://www.facebook.com/ajax/ufi/modify.php" method="post" data-ft="{">
 
 
 
 
</form>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アベ夫人の証人喚問いつまで待たせるの?」No.1936

2017-05-04 01:07:31 | 日本事情

北朝鮮のミサイルで矛先をかわしたと思ったら大間違い。

国民はアホだからすぐ忘れると思っているでしょう。

それも、間違いです。

お金が絡んでいると、庶民もハラワタ煮えくり返るんですよ。

それでなくてもアベ昭恵夫人は、閣議決定で「私人」と太鼓判を押されたのに、

国の税金使って飛行機に乗ってあちこち行ったり、

公務員の秘書を5人もつけたり、

特権階級意識丸出しです。

アベ首相、

この臭いにおいを発する森友問題を闇から闇へと葬ろうと思っていますね。

私たち庶民は、そういう態度に一番腹が立つんですよ。

アベ昭恵夫人の国会での証人喚問を求めます。

森友学園の籠池さんだって詩人じゃない私人なのに、

正々堂々と出てきたじゃないですか。

アベ昭恵さん、あなたは卑怯者ですね。しかも能天気。

は・や・く国会で正直に事実を話してください。


下は、今日、5月3日の大阪憲法記念日の集会写真です。

(フェイスブック記事からお借りしました)

 

 

森友学園、私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員もやめる

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「中国で『日本語の日』設立」No.1935

2017-05-03 00:10:22 | 中国事情

日本で「英語の日」とか「中国語の日」など、やっていますか?

中国には毎年「英語の日」があって、中学や高校、大学でイベントをするそうです。

そして、なんと「日中国交正常化45周年」の今年、

中国初の「日本語の日」を設定しようと奮闘しているのが、

「中国人の日本語作文コンクール」でおなじみの日本僑報社の段躍中さんです。

この作文コンクール、私が7年前に初めて

日本語学科の学生に応募させたときには、

確か応募総数3000作品前後でしたが、毎年増加の一途をたどり、

今は5000作を超える中国で最大規模の作文コンクールになっています

日本国内でも、毎年、テレビやラジオ、新聞等で

大々的に紹介されるようにもなってきました。

 

http://duan.jp/jp/

ネットで買うこともできる日本僑報社の作文の本の表紙裏には、

村山元総理大臣をはじめ歴代の文科省大臣やら閣僚との写真があり、

はじめこそ段躍中さんてどんなセンス??とちょっと疑ってしまったのですが、

「中枢の懐に飛び込む」ことで地歩を築いてきたことが今となっては

よく分かります

今年の中国人の日本語作文コンクールのテーマは、

1「日本に伝えたい中国の新しい魅力」

2「中国『日本語の日』に私ができること」

3「忘れられない日本語教師の教え」

の3つですが、

2年生の学生たちは3つとも書く予定で、

今2つ目の「日本語の日に私ができること」に取り掛かっています。

私は、「日本語の日」に何ができるかなんて

皆目見当がつかなかったのですが、

学生たちは「英語の日」で経験済みのせいか、

そんなに抵抗なく、あーしたい、こーしたいと案を書き始めているので、

それを菏澤学院で学生自らの活動としてできたら

どんなにいいだろうと、希望の蕾が膨らみます。

自主活動に慣れていない学生たちにとって、

これはたいへんいい機会になりそうです。

上手くいけば今年の12月初めに中国全土で開催される「日本語の日」。

面白くなるかも。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「卒業生が遊びに来た日」No.1934

2017-05-01 23:16:16 | 中国事情

労働節で休みの今日、

2年前4年生だった2人が遊びに来てくれました。

左は大連外大の大学院に進学した王康さん、

右は菏澤市に属する故郷の鬘(かつら)会社で海外の顧客を探して奮闘している

楊芬さん。

真ん中は、現在3年生の福建省福州出身、鄭秋燕さんです。

王康さんは、在学中は早くこの大学を出て行きたかったけれど、

今では菏澤学院を第二の故郷と思い、訪ねてくれたとのことで、

我が宿舎は、彼の第二の家です(えへん)。

4年生だったころの王康さんは、私が歯に衣着せずズケズケ言っても

へこたれず耳を傾け、一生懸命考えてくれた希少な学生でした。

卒業後一年が経ち、王さんも楊さんも

すっかり大人っぽくなりましたが、

お喋りすると、もとの4年生だった2人のままです。

後輩の鄭さんも先輩からいい話が聞けたかな。

 メインディッシュは、やっぱりカレーライスです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「『自由な国、中国にいらっしゃい』と作文にあり……」No.1933

2017-05-01 02:39:38 | 中国事情

いつのまにかイチジクが実を付けていました!

 

宿舎への道路脇に枝がはみ出てきています。熟したら取りたいなあ。

みんなそう思っているのでしょう。

時々、立ち止まってチェックしている学生たちもいます。

 

2年近く前はもう少し屋根看板がちゃんとしていたのですが、

もう、どう見てもボロ屋敷状態の店(内部はそれほどでもありません)。

いつもここで、アスパラ、サツマイモ、じゃが芋、香菜、ニラ、レンコン、

バナナ、イチゴ、冷凍餃子などを買っています。

店の前に佇んでいるのはご主人で、

いつもニッコリ笑顔で「Hi,你好」、「再见」と挨拶してくれます。

店の犬でしょう。いつも同じところで寝ています。

 

作文、スピーチ原稿チェック、スピーチ指導と三重苦の日々が続いています。

それでも、内容に惹き付けられて読んだ後、

(去年はあいうえおを書いていたこの子が、もうこんな作文を……)

とジーンとしたり、

私に叱られて奮起し、スピーチコンテストの予選通過したことを書かれて、

背中がムズムズしたりと、時おりは楽しませてもらっているのですが、

例えば、

「我が中華民族は5000年の歴史上一度も外国を侵略したことがない」

とか、

「外国人は中国には自由がないと思っています。ある面は本当ですが、

ある面は偏見です。封建時代は自由がありませんでしたが、今は大丈夫です。」

とか、書いてあると、添削と言うより、

歴史事実の誤認を何とかしてあげたくなり、

非常に時間をかけて幾つもの資料とか送って、

「では、どう書けばいいですか」などと言われガッカリしたりもしています。

自分の頭で考えるために資料を送ったのに……。


今、ある作文の一節が頭に残っています。

日本人が日々忙しく、余裕のない生活を送っていることを気の毒に思い、

「山東省にいらっしゃい。上海など大都市は中国も日本と同じでダメだけど、

山東省はのんびりして、自由がありますよ。

過労死やストレスで病気になるなんて聞いたことありませんよ。

仕事が終わってからさらに残業などしないで、

自分や家族の生活を楽しんだらどうですか。

人生にメリハリができていいですよ。疲れませんよ。

自分の人生の成功者になれますよ。」

と日本人に呼びかけている文です

日本では、中国には言論の自由、表現の自由が

制限されていると誰でも思っています。

それは事実です。

しかし、この学生はそのことは知ったうえで、

「山東省は自分で自由に使える時間がたっぷりありますよ。

それは、自由ではないんですか。」

と言っているのです。

うぐぐ……。

山東省の全ての地域かどうかは分かりませんが、

ここ菏澤市の生活の柄は、実にゆったり、の~んびりしているので、

この学生の言う事は頷けるんですよ。


下の写真は文とは直接関係ないんですが、

宿舎の台所からぼーっと外を見て、何となく撮ったものです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする