再 家畜車 珊瑚エッチング板 10

2017-01-17 08:48:43 | 小型・古典貨車
先ず妻板に穴を開けて手スリを取り付けた
車体隅に付くものは本来は角柱に付くのだが、袋穴を開けて差し込むのはやり難いし板厚も足りないので無理
なので少々内側に引っ込めて側板の裏板に干渉しない位置に取り付けてた
これは付けただけ見栄えが良くなるが、こうなると開放テコも付けたくなってしまうのが人情だ
なので少し考えることにする

次に懸案の牛を繋ぐ棒を取り付けた
ノギスで取付位置を罫書きしようとしたら顎が大きすぎて車体の中に入らない
そこで車体上辺からノギスのデプスバァを差し込んで先端を罫書き針でなぞって印をつけた
前作は0.5ミリ真鍮線で付けたら中間が熱で伸びて苦労してしまったので0.5ミリ燐青銅にした
幸い縦の桟が細かく入っているので中間から順にハンダ付けして事なきを得た

二段になっている牛繋ぎ棒は上段は通しで付くが下段は出入りの邪魔にならないように開口部は途切れている
途切れている分は引き戸の表面に手スリが付いているのでその穴を開けていたら・・・ドリルが折れた
側板と引き戸が重なって段になっている部分に貫通したため折れ込んでしまったのだ
あらー、塩水漬けだわ、何日か工作出来なくなってしまった、とがっかりしたが、半分貫通したということは裏側から押したら取れるかも?
と気付いて拡大鏡で見たら先端が裏側に想像以上に出ていたので細いドライバーの先で押し出したら出てきた
良かった!



それはそうと、家畜車には車体長・軸距離が短いのと長い車が有ったと思っていた
しかし確認出来る限りの写真は長い方しか見ることが出来ないし、昭和4年の形式図でも長い方しか出てこない
そこでいつもお世話になっている ぜかまし文庫 さんで形式図を見比べてみた

この珊瑚のエッチング板には カ581(カ1)明治25年大阪鉄道湊町工場製 関西鉄道所有 とある
明治44年の貨車略図上巻には確かにカ581が掲載されていて車体長18'1"(5512) 軸距離8'10"(2692)と記されている *ミリは計算値
大正15年の貨車上巻にも当然載っていたがなんと車体長6250 軸距離3600になっている
どゆこと?

で、日本の貨車 技術発達史 を見ていたら 鉄道庁7トン積家畜車の項に「大正中期には増トン工事を受け10トン積みとなり、外観が一変した」と書いてあった
そうか!有蓋車や無蓋車なら車体を上方へ拡大すれば容積が増えて大型化したことになるが、家畜車の場合は容積が結えても積める牛の量は増えない!とやっと気付いた
乗れる牛さんの数を増やすには床面積を広くしなければならず、おそらく種車の材料を利用して作り直してしまったのだ
だから昭和以降と思われる写真では軸距離が長いのしか出てこないのか・・・
頭が悪いからやっと理解出来た

つまり、廃車になった古い明治貨車の払い下げを受けた という設定は成り立たなくなってしまった
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