goo

まめ男(お)の新年




わが夫、「まめ」なることイタリアン・ジゴロのごとし、である。



例えばわたしがドストエフスキーなぞを読みながら長風呂をしていると、「わざわざバカラ」のグラスにシャンパンを入れて持ってきてくれるし、パリに出張したらエルメスでサイズ7の手袋を、NYではマノロでサイズ37のハイヒールを買ってきてくれる。

家にいればそこいらを整えるのは当然のこと、窓ガラスを洗い、庭のテラスを掃除するのに余念がなく、家中を埋め尽くすほどの花を買うのが大好きである。

そんなまあ、わたくしにはもったいない徳(?)の高い男なのである。


そんな彼が意外とできなかったことの一つに「料理」がある。
作れるのはゆで卵とスクランブルド・エッグだけ、というマノロのハイヒールからは想像もできない原始的メニュー。


しかし、とうとうこのヴァカンス中、料理に目覚めジェイミー・オリバーの料理の本を買ってきたのである。
そして産まれて初めて作ってくれた料理が「桃を詰めたポーク・チョップのロースト、フレッシュ・タイム風味」。


....


まるで、やっとこさ彼氏ができた女が張り切って「鯛と蕪蒸し」などを作ってしまうその心に似ているではないか。

初めは「肉じゃが」くらいにしとけよ。

その後、料理魂に火がつき、初心者によくある過ちを繰り返しつつ(料理のレシピに指定されている材料がなければ作れない、
料理が終了するころキッチンが半壊滅状態...)今日もすごいんだかなんだか分らないような料理を食べさせられる妻である。

「まめ」度、確実にアップしていっているようである。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )