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Brugge Style
英国で中学校を探す その2
突然ベルギーから英国に引っ越すことに決まりました。
今日は昨日の英国で中学校を探す その1の続きです。
受験
7月7日のロンドン郊外は大雨だった。
学校の門をくぐり、車の中で娘に言った。
「偏見のない広い心とお行儀のよさ」
これだけ(笑)がうちの子育てのキーワードなのである。
初めに担当の先生によって簡単な面接があり、その後、娘はIQテストと算数テストを受けるために別室に連れて行かれた。
後で聞いた話によると、英語読解能力に問題がある様子ならば、両テストとも10問ずつだけ課されることになっており、が、その場の先生の判断で10ページ以上ある普通バージョンのテストを受けさせられたそうだ。
娘は算数が得意で満点を狙ったにもかかわらず、ルートなど未習の問題が出たことに憤慨。中途半端に負けず嫌いなのである。結果は幸い両方とも90パーセント以上スコアできた。
ここまでですでに2時間半が経過。
午後の最初はカリキュラム担当の博士による面接。
博士は算数の図形の問題で娘がユニークな解答をしたと歓喜しておられ、しかし娘は「なぜこのように解いたの?」という質問に答えられず(そのようにひらめいただけ、とは恥ずかしくて言えなかったのだ)泣き出してしまった。これはヤバいと、わたしあせる。あせるほどmoetの笑顔は大きくなる。日本の入試だったら泣いた時点で「はいさようなら」でしょう?
そして副校長による面接。
娘の好きなものや興味についていろいろ聞いて下さり、知恵の輪をさせられた。これも試験(笑)?
最後に何か質問はありますかと問われて、娘が「カフェテリアの食事はおいしいですか?」と聞いたときも、わたしの笑顔はさらに大きくなった。
校内見学。
屋内プールやテニスコートや馬場はもちろん、スカッシュコートや劇場やスポーツジムなどの最新設備がある。高額な学費はこのように使われているのか。
小公女セーラが父を亡くして学費が払えなくなった時、彼女を下女にしたミンチン女学院の大人の事情を思う。複雑だ。
最終は小論文。
お題はお稽古事についてであった。娘はピアノについて、いかにショパンを愛するか書いたらしい。
この時点で6時間が経過し午後3時すぎ。娘は疲れ切っており、「ママ、笑顔が張り付いていて怖い(笑)」と指摘してくる。チェシャ猫のようなニヤニヤ笑いが治せない。母親を演じるのも大変なのである。こんな経験をするのだったら、雑誌 Story や Very の「お受験ママ対策」を笑ったりせず、もっと真剣に読んでおくのだったと後悔する。
しばらく待たされた後、「仮入学許可」が出た。
最終決定はまだベルギーから届いていない内申書によるという。内申書に関しては小学校時代学年トップだったのであまり心配はない。小学校の校長先生もすごくいい人だし、少しは粉飾して下さるだろう(笑)。
内申書はこの日の夕方受理された。
翌日(7月8日)、正式な入学許可が出た。
夫は試験をパスした娘の能力に関してや、彼女がいかにチャーミングだったか鼻高々だったが、わたしは学校側も欠員が出たまま(それは一人分の学費納入が見込めないということで即学校の損益)明日からの夏休み突入はしたくなかったのが本当のところだと思う。
この時点で学校探しは止めることになり(結局ランキング上位校の中ではこの学校以外にアポすら取れなかった)、同時にわたしのロンドン市内に住むという夢も消えた(笑)。
おそらくロンドンから電車で20分ほどの郊外に住むのが現実となるだろう。
次は家探しだ。
追記:英国で中学校探しをする場合は、ネットなどで調べ、目星を付けた学校にとにかく電話しまくってアポを取りつける、という方法しかなさそうである。中央の統括組織が紹介してくれたりという近道は期待できない(例えば、うちはベルギーの文部省に当たる部門の某お偉いさんに英国の同省の懇意な人物に手紙を書いてもらうなどその他も試したものの、結局何にもならなかった)、というのがわたしの得た知識である。
公立校は「その土地に住んで税金を払っている人たちのもの」という意識があるそうで(考えたら当然か)、また学校側に生徒を選抜する権利がない(委員会が決定権を持っている)ため、入学を希望したいようなレベルの学校に「昨日外国から来ました」というような子が入るのがはかなり難しい、というのが現実のようである。
追記2:昨日の記事に関して「インターにやれば楽なのでは?」というご意見を頂いた。うちは駐在ではなく、この先おそらく娘の大学入学時以降もずっと英国に住む予定なのでまず現地校を優先した。
正直を言うと7月に入って学校が見つからない時点で、結局インターかとは思っていたのだが。
また現時点で、ヨーロピアンスクールを含め、オランダ語の講座を持っているインターが英国にはひとつもない、というのも現地校を優先した理由だった。
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