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defining beauty@大英博物館








大英博物館、コート・レストランから見たイオニア式オーダーである。

わたしはオーダーが異常に好きなのだ。

なぜだろう。


見学に行ったDefining beauty: the body in ancient Greek art「美の定義 古代ギリシャの身体展」のオーディオ・ガイドで、エミール・ゼキ教授(専門はNeuroesthetics。神経生物美学。著書に「脳は美をいかに感じるか」等)は、ギリシャ彫刻の若者の完璧な肉体を示して「顔と身体に関しては、われわれは美のテンプレートを脳内にあらかじめ持って生まれてくる」と言っていた...

わたしは彼の著書は読んだことがないが、人間が感じる普遍的な美は、顔や肉体に対してよりも、建築物に対してよりはっきりしているのではないかと思う。
そうだ、「建築は凍れる音楽」だ。

われわれが持って生まれるという顔や身体に対する美のテンプレートとは、建築物に顕著なように、左右対称性や様式美(マニエリスム)に反応するとかのことなのかも。事実ギリシャ建築のシンメトリーは美しいし、美しい顔とは限りなく左右対称に近い顔とも言うじゃないか。



展覧会は、タイトルからして「ギリシャ彫刻を通して美とは何かを探る」のかと期待していたのだが、それはちょっと過大な欲求だった。最初の部屋は求心的でよかったが、だんだん、あるだけ持って来て全部展示した、みたいな感じになってしまっていた。

展覧会としては2つ星程度でちょっとがっかり。


収穫としてはキプロス島に行きたいとひらめいたこと。
キプロス島、子供の頃ラジオでよく聞いた「ニコシア外電」という響きが時間空間共に悠久で憧れたものだったが、わたしが好むタイプのホテルがなく、避けて来たのだった。
でも腕のないギリシャ彫刻に指し示されてしまった...
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