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昭和は遠くに




最近のニュースで松本清張の「地方紙を買う女」が再ドラマ化されたのを知り、久しぶりに昭和の雰囲気にひたりたくなった。
単純な質なので、「地方紙を買う女」と「点と線」(両方とも2007年版)を二晩連続夢中になって見た。


「地方紙...」も「点と...」も、わたし自身の昭和の生活に似ているところは全くないのに、心の故郷「昭和の空気」を堪能できた。
あの、現実に体験したわけでもないのに、同世代の人ほとんどが心の中に持っている懐かしい思い出、なんていうんでしょうね。「集合的記憶」?「あらかじめ失われた時を求めて」?

電車はヤニ臭かったし、トイレは汚かったし、あの頃を必要以上に美化するつもりはないが、里心がついて困った。

特に2007年の「点と線」には、わたしでも知っている俳優さんがこぞって出演していて、「演技過剰」が気になるのを除けば大変おもしろかった。
橋爪功さんとか、小林稔侍さんとか、ええですな。警視庁の刑事連中がばりっとしている一方で、小林稔侍さんが田舎刑事であることが、体に合っていない背広とシャツに現れていて(またそれが絶妙に似合っていて)、唸りました。


次は横溝正史シリーズを見たくなってきた...
できるなら友達と夜中にヤイヤイいいながら見たい。
あるいは八墓村のような雰囲気の寒村によそ者として行ってみたい。


と、親友に話したら、今はイギリスにいるんだから横溝正史とか言ってないで、ポワロやクリスティのミステリの舞台を追っかけなさいよとアドバイスされた。

彼女にこっちへ長期で来て欲しい...
昭和を一緒に過ごした彼女に。
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