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Delacroix - and the rise of modern art -

ナショナル・ギャラリーで開催中の展覧会。 


先月のパリでは、この展覧会の伏線として、6区の洒落た場所にあるユージーヌ・ドラクロワ記念館(写真左下)に初めて行き、さらにはルーブルで教科書に必ず載っているドラクロワ作品を鑑賞してきたのだった。

こういう「見方」は、わたしは主に娘の家庭教育の一環としてやっているつもりなのだが、彼女がいるからこそ改めて経験できたり、調べ直したりすることも多く、結局すべて自分のためなのだ。

実際のところわたしだって、ロマン主義ドラクロワと新古典派アングルとの興味深い対比や、ドラクロワ以降、アーティストは、「線」より「色」を目指したとか、去年のロイヤル・アカデミーの「ルーベンス展」で知ったルーベンスとドラクロワの関係や、それくらいしか知らなかったのだ...



それはそうと、ナショナル・ギャラリーの企画は、フランスの誇る巨匠、ドラクロワが、いかに後続の芸術家に尊敬され模倣され影響を与えたかを見る内容。


例えばセザンヌやルノワールがドラクロワの崇拝者であるということは、上記の「ルーベンス展」で確認したが、今回の展覧会ではドラクロワがマティスやカンディンスキーに与えた影響までが考察されていて、はじめ「え...ちょっとこじつけが過ぎない?」と思ったものだった。
上にも書いたように、色彩の鮮度をデッサンより重んじるべきという革命を起こしたドラクロワについての「知識」はあるが、ほんとうにそこがすべてのきっかけになったのか? ほんとうに? という少しの不信感とショックと、そして感嘆、喜び...

しかし、

へえ、やっぱり
なるほど
そうそう!

という感想を抱かせる展覧会よりも、

わたしの想像の限界や、思い込みをどんどん破ってくれる

ウッソー! そうなの?
意外!
ちょっとそう説明するのは大げさじゃない?
わたしはそうは思わないなあ...
簡単には納得できない! 調べてみたい!

という企画の方がずっとためになるので、何か物足りないような、何か大切なことが抜けているような気がした企画ではあったが、それは自分でぼちぼち考えていきたいと思う。


おまけと呼ぶには壮大すぎるおまけもあった。
モンペリエで見るチャンスがなかったバジールの作品を偶然見れたのだ。近い将来、彼の故郷のファーブル美術館で再会したいものだ。

南仏、今年も行きたいなあ...
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