日本・ベルギー・英国 喫茶モエ営業中
Brugge Style
ぴーちゃんの週末
土曜の午前中、家周りの手入れをしていた夫が鳥の雛をレスキューした。
ぽわぽわの産毛が残るロビン(マザーグースの「誰が殺したクックロビン」のロビン。和名ヨーロッパ・コマドリ)の赤ちゃんだ。
コンクリートのドライブウエイのど真ん中にうずくまっていたらしい。
周囲は低木のみの鳥の巣もないような場所で、親鳥の姿も見えない。
この辺りは縄張りを徘徊する飼い猫が多く、また猛禽も狐もおなじみな場所柄なのだ。
ロビンちゃんは全体が濡れていて、相当衰弱している様子だったので、空き箱に古着を入れて暖をとれるようにし、卵の白身の裏ごしやササミを極細に裂いた餌をやった。
落ち着いたところで野生動物保護センターに連絡する。
事情を話したところ、土日は止むを得ず(<大嘘。喜んで)預かることになった。
しばらくしたら大口をあけて餌をねだるようになった。
ピーピーと美声でさえずり、お腹がくちくなると猫がごろごろいう調子で声を出す。
わたしの手のひらの3分の一くらいの体はまん丸でほわほわ、ものすごく、ものすごーくかわいらしい。
動物の赤ん坊ってなぜにこのように愛らしいのだろう。
黒目がちの目と口の位置が近く、丸くて。
世話をしてもらうためにだろうか。
(日本の人気アイドルはみなさんこういう系統のお顔つきですよね)
このあたりでわたしはこのロビンの赤ちゃんを「ぴーちゃん」と猫撫で声で呼び始める。日本語話者としては単純明快、自然な名付けである。
(蘭語話者である夫は最初「ピピップチェ」と呼んでいたが、次第に「ぴーちゃん」と呼ぶようになった)
しかし人間に慣れて野生にかえれなくなっては困る。
ベタベタさわらなように気をつけていたのだが、ロビンはもともと人間を怖がらない習性だそうで、速攻で買いに行った鳥かごから出てきては、テーブルの上や娘の腕を、小首をかしげながらちょんちょん歩くようになった。
家族全員デレデレですよ。
月曜日朝一番で野生動物保護センターに届けた。
もっと預かりたい気持ちでいっぱいだったのだが、野生にかえすのが一番大切ゆえできるだけ早く...
2日一緒に過ごしただけなのに、心を半分持って行かれるような気がした。
帰宅後、ウィキペディアで調べたら、ロビンの卵が孵って巣立ちする割合は55%、その後の1年間を生き延びれないのが77%...
ものすごく切ない。
空の巣症候群ってこういう感じなんだろうなあ!
ぴーちゃん、どうか元気で!
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )