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ショパンのワルシャワ








今回ポーランドを訪れるきっかけになったのは、超エリートの友人が彼の地へ出向になったからだった。

細胞が活性化されるようなおもしろい話をしてくれる彼女の他に、もうひとり訪ねたい人がいた。


当然ショパンだ。


ワルシャワでは毎日複数の場所でショパンが奏でられている。
滞在中はオペラ座(国立劇場)や教会、ギャラリーやカフェでの演奏を複数聞きに行けた。ワルシャワを発つ前に立ち寄ったホテルのバーでもリサイタルをやっていた。
常にどこからともなく聞こえてくるショパンの調べ...耳福のショパンづくし。
晴天続きだったが、雨なら雨で「雨音はショパンの調べ」なんでしょうなあ。

いいなあ、ワルシャワ(ちなみにワルシャワを訪れるのは25年ぶり)。
物価は安いし、人は親切だし、文化度は高いし、国民は「ポーランドの歴史の中で今が一番いい」と言うそうだし、ショパンに溺れながら住んでみたい。
友達には「どこに旅してもそう言っているでしょう」と突っ込まれた。その通りです。しかしどこに行ってもそう思えるというのは相当おめでたいラッキーだと思う。

愉快なご縁で、在ワルシャワの日本人ピアニストの方から夜半過ぎまで貴重なお話を伺えたのはハイライトだった。
彼女のリサイタルの後、友達が仔細に調査して予約してくれていたレストランに入ったら偶然...声をかけていただいたのだ。「音楽好きなシロウト」というのは知ったかぶりで一番やっかいな話相手だと思うのだが、ありがたいことである。

彼女のスケルツォ2番は、今後誰の演奏を聞こうと忘れないだろう。


ショパンには「永遠への思慕」、不完全を世界そのものとして受け入れ「絶対者へ帰依する感情」があるとわたしは思う。ただの哀愁だけではない、それとの折り合いがある。

いつか地球が消滅して人類が存在しなくなっても仕方がないかと思えるが、その後はショパンの音楽がもう2度と演奏されることはないと考えると切なくてたまらなくなる。

......


ポーランドでは音楽はクラシック以外にも、周辺の大国に虐げられた歴史から、反抗と不屈の精神を表現するジャズが盛んで、ジャズバーですばらしくレベルの高いジャズが聞けるそうだ。クラカフで聞いた若いグループの演奏は特にすごかったです。



写真は左上から時計回りに、少年ショパンが定期的に弾いたヴィジトキ教会のオルガン、その教会、死んでから祖国に帰ったショパンの心臓が埋められた聖十字架教会の柱(彼が心臓だけでも帰りたいと切望し、姉が持ち帰ったそう)、ショパン博物館、ショパンの住まいが一角にあったワルシャワ大、聖十字架教会前のキリスト(ファサードは工事中)
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