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helene darroze @ connaught



テーブル同士も間隔を空けたセッティング。わたしたちの2人席も写真と同じ大テーブルで密接せず、ありがたかった



英国での隔離生活は継続中、もう18週目になった。

7月の頭からロックダウンは徐々に解除され始め、レストランなどのサービス業も営業再開の許可が出たビジネスの中に入っていた。

3月以来、毎日ひたすら料理し続けてうんざりしていたわたしと、ロンドンで閉塞感にうんざりしていた友達と、さっそくプロの作った美食をという話になったものの、わたしと彼女が好んでいるレストランは9月からの営業になっていたりし、どこもいっせいに営業を始めるというわけでもなさそうだった。


久しぶりのロンドンでの外食、いいかげんで中途半端なものは食べたくない。

そこへ、わが家全員が大好きなHelene Darrozeから再開のお知らせが届き、こちらなら彼女も決してがっかりすることはないだろうと、おしゃれをして出かけることになった。


おしゃれ...
ロックダウン中も比較的(比較的、ですよ)たるまない生活を続けて来たつもりだった。

しかしどのドレスも苦しい。苦しすぎる。
この服を着て4時間くらいかけて7コース(結果的に8コースで、しかもアミューズ3種とお茶菓子も含めると10?)のディナーを食べる自信がない...と夜用のドレスを着替えること8回。

髪を作るにも3回くらいやり直したが、服は8回。
人間は危機に瀕して脂肪を蓄えるものなのか。

普段、楽な服装をするのがあまり好きではなく、ウエストがぴったりした服が多いのがアダになった...結局、一番伸縮性がありそうなドレスに身体を押し込んで出かけた。


まだ続きがある。

4ヶ月ぶりに履いたハイヒール、夜中の1時に帰宅した時には足裏にマメができていた。
考えてみたらハイヒールを履かない生活、というのがこんなに長く続いたのは初めてだ。
ハイヒールで歩くのは筋力が必要だし、何より、足裏は赤ん坊の足の裏のように柔らかくなっていたのだった。

わたしは老女になってもハイヒールで颯爽と歩く身体の強さを目指している。コンスタントに履いておかねば。


ところで肝心のレストラン、メニューはコース料理の一種類だけで、なんと以前の約半分のお値段。
しかも普段20%のVAT(付加価値税、物品サービス税)が、業界を保護し、消費を促すために5%!

ホールスタッフは通常よりも半数ほど、しかしサーヴィスも抜群。
料理は「こんな時なので...」という言い訳け要素も皆無、最初から最後まで"The" Helene Darrozeで大満足だった。
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