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Brugge Style
遥かなるイタリア
9月に予定していた日本一時帰国は今月10月に延期した。
10月の日程は今日が出発日...
はい、イングランドの家にいます。
現在も、英国から日本への入国時には、2週間の隔離期間が設定されているため、再延期にしたのだ。
この期間が撤廃されることを願いつつ、熟考の末に4月に。
4月ならばもうがっかりすることはないのでは...と。
最初は10月が無理なら11月、11月が無理なら12月...と1ヶ月ずつずらして、隔離期間なしで入国できるようになったらすぐに飛ぼうと思っていた。
しかし、英国内の感染者増加に伴い、一昨日の10月12日に英国政府は新たなルールを導入したこともあり、わたしが住んでいる英国南東部は感染者も非常に少ない地域ではあるものの、さすがに次の2ヶ月、3ヶ月は日本の隔離2週間ルールが撤廃されはしないだろうと考え直したのである。
4月、世界はどうなっているのだろうか。
その時は関係者各位、よろしくお願いいたします。
さて、日本行きが怪しくなった時点で、イタリアへ行けるうちに行っておこうと思った。
イタリアも感染者が増えており、どうしても見ておきたい展覧会を確実に見るなら早いうちがいいのかも、と。
が、10月12日に先立つ7日、イタリアは英国からの入国者を「PCR検査リスト」に加えた。
このリストにある国からイタリアへの入国者は、事前にPCR検査を受けて陰性証明書を持参するか、空港で到着次第検査する、というルールだ。
わたしと夫はそれでも行く気満々だった。
7日以降もイタリアは観光を含むあらゆる理由の入国を許可している。
家の近所のPCR検査所は症状のある人のためのものなので、家庭で検査できるキットを取り寄せようとしたらなんとこれが199ポンドもする。2人で400ポンド。日本円で5万円以上する。飛行機代金よりも高い。
それでも背に腹は変えられない。
というのは、イタリアの空港到着次第の検疫所は13時からの開所で、おそらく午前中に到着した旅客が全員、開所待ち、というカオスが予想されるから!
と、BBCのニュースがタイムリーなニュースを流し始めた。
8月にイタリア・フィレンツェに入国した英国人男性の3人(友人同士)が、いまだにフィレンツェの陽性者隔離所(空港周りの古いホテルを改造した酷い環境)に隔離されているというニュースだった。
イタリア入国時に陽性が出たら2週間の隔離所での隔離が義務付けられる。
2週間後は、2回の陰性検査の結果をもって解放されるわけだが、この男性3人組はずっと2ヶ月間陽性結果が出続けているのである。
ちなみに若い男性で、無症状だ。
が、先の見えない、しかも隔離所生活で、精神的に疲弊しているようだった(あたりまえだ)。
番組に招かれた専門家は、よくあることだと解説。
理由としては検査が非常にセンシティブである(人を感染させないような量や状態のウイルスも検出される)ため、などを挙げた。
また、検査がいかに科学的におかしくても、英国政府は介入できず、彼らはお気の毒ながら陰性結果が2度出るまで、花の都の裏側の薄暗く、不潔で、ネット環境も劣悪な「隔離施設」で過ごさねばならない...
それでもわたしたちは、それならなおさら事前に家庭で5万円也(<しつこい)の検査をして、陰性証明を携えていけば大丈夫だろうと...
そこへ別のニュース記事が。
こちらはイタリアへ入国しようとした英国人の女性グループで、上記と同じような境遇に置かれており、しかも彼女らが言うことには、
「空港の検疫所で一人陽性が出たら、同じフライトで近くの座席だった人は全員、陰性であっても2週間隔離される」と...!!!
自分が陰性証明書を携えていても、その時の運次第で隔離に回されるかもしれないという状況は、仕事上リスクを取れないと夫が言い出した(もっともだ)。
ちなみに、どこをどう探しても明確なルールの載った文書が出てこない。英語でもイタリア語でも。さすがお役所仕事である。まるでカフカの『城』か『審判』のようだ。
というわけで、10月はイタリア旅行も消えてなくなってしまった。
来月はお誕生日月間で、別のイタリア旅行の予定があるのだが、たぶんこちらも無理だろう。
秋の夜長の夢さめて。
その分、4月、桜咲く日本への期待が高まる。
おいしいものをたくさん食べて、買いたいものはあれもこれも...
「遥かなる」日本、にならないといいなあ。
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