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Brugge Style
浪漫騎行
イングランド南部、カラカラ。
この春は雨が少なく、今後2週間は晴天が続くそう。
花粉もすごい。
昨日は森の中で15度と、気温は快適だった。
騎乗していると偉くなったような気がする、メガロマニアックなモエ。
「偉くなったような」とは、他人を偉そうに小突き回すという意味ではなく、多くの社会的責任を負う、という意味である。
去年始まったロックダウン以来、生活の中の楽しみは大きく変わった。
以前は、旅行、バレエやクラシック音楽の劇場鑑賞、美術館をうろつくことが趣味で、生活と可処分所得の大部分を占めていたが、この一年は家のあるサリー丘陵を楽しむ以外なくなったのだった。
考えてみたらうちの周りに無数に隠されているハイキングコースほど有難いものはない。
コースは当然パブリック、公共のものである。
毎日犬を散歩させる人、子供を走り回らせる人。
バードウォッチングをする人、マウンテンバイクやマウンテンモーターバイクを楽しむグループ。
乗馬をする人、本格的な山歩き装備の人。
先日亡くなったエディンバラ公が設立した「デューク・オブ・エディンバラ賞」のためのサバイバルに勤しむ青少年のグループ。
絵を描く人...とさまざまである。
そういえば、英国では悪名高き「囲い込み運動」(エンクロージャー)が過去に数回行われた。
以前も、英国料理はなぜまずいのか、を「囲い込み運動」と絡めて説明した小野塚知二先生説を紹介したことがあるが、「囲い込み運動」とはつまり、共同体の共有地を私有化し、土地を商品化したのである。
土地は、共同体が自由に使えるものとしておくよりも、はっきり区切って名札と値札をつけて売り買いし、産業でも興して、お金をどんどん産むようにすれば、それは資本主義的には大変都合がいい。
しかし、それは同時に共同体の消滅であり、共同体が消滅するということは祝祭や食の伝統、生活の知恵、伝説や技術などの文化を破壊するのである。
産業化が大衆文化を破壊した結果、英国の料理は徹底的にまずくなった、と小野塚知二先生はおっしゃる。
例えばこのサリー丘陵のハイキングコースなどを理由する人が多いというので整備して有料化したり、遊ばせておくのはもったいないとゴルフ場や住宅地に開発されたら...
わたしは今までに欧州、中東、米国で生活したことがあるが、英国はダントツの階級社会である。
階級社会のシステムそのものを変えるのは難しいかもしれないが、「パブリック」をもっと豊かにできないものか、とは思う。
まずは学校教育、そして公共交通機関の整備かな。
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