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driving into the golden hour




今年のイングランド南部の春は気温が低い。

去年、一昨年は、もういまごろ暑い暑いと言っていたのになあ...

2週間ほど前まではカラカラに乾燥していたのに、このところはもう全く冴えない曇りと強風が続いている。しかも肌寒いときた日にゃ。

天気が悪いと、家に閉じこもりがちになってしまう。
イングランドは今後6月21日まで、三回目のロックダウンが徐々に解除されている最中なのだ。

が、最近は陽がかなり長くなり、21時前ごろまで空は明るく、閉じこもっているのはもったいない。


昨日土曜日は夕食後になって、やっと雲の合間から銀色の光が差すようになった。たまたま早めの夕食が終わったところだった。そこで、夫にドライブに行かないかと言った。

「どこへ行きたいんですか? 朝食の卵を買いに?」と、夫。
「...城が見たいね」

さっそく家から一番近い、しかも行ったことのない城を検索する。と、車で30分ほど先に城の遺跡があるということが分かった。道中も、最も美しいサリー丘陵を走れるので一石二鳥だ。


ベルギー人の夫に、ドライブのためのドライブという概念はない。
車で走るということは、目的地へ行って用事をすますということであり、夜景を見ながらあてもなく夜を走りたいとか、夜の黒い海を渡りたいとか、夜の高速道路で曲を聞きたいとか、そういう考えはない。
これには非常にカルチャーショックを受けて、他のベルギー人に質問してみたら、同じ返事が返ってきた。そういうものなのだろう。

神戸ではドライブは一つの確立したレジャーなのに。
神戸大橋を渡ってポートアイランドで缶コーヒーを飲むとか
中突堤で船の夜景を見る
六甲さんか摩耶さん(両方とも山です)の展望台へ行って夜景を見る(もう30年は行っていない。昔のままなのかしら)
奥池や西宮の山手で、家庭に灯る光を見て温かい気持ちになるだとか
須磨方面へ海を見ながら走る...
ああ、神戸に帰省したい!


現実に立ち返ろう、わたしは英国にいるのだ。

結局、城は、立ち入り禁止の私道から以外の入口が分からず引き返したが、途中でこんな黄金の風景(上の写真)が見られた。午後8時すぎ。ゴールデン・アワー、陽が落ちる前。

ここにはハイキングコースもあるようなので後日、昼間に来てみたいな。

ブルーベルの森もあちこちに惜しみなく広がっており、こんな幻想的な風景も。

遠くの方は青い煙が地面から上がっているかのように見える。
青紫のブルーベルと、この紫の花はアザレアだろうか。ツツジのような花の形だった。

ゴールデン・アワーはマジック・アワー。




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