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Brugge Style
回遊する
ロンドンのナショナル・ギャラリーのセインズベリー・ウィングは改修のためまもなく一時休館となる予定。
収蔵品はまた世界の展覧会を「回遊」するのかしら...
セインズベリー・ウィングの最も好きな絵から2枚ほど。
去年の3月下旬、イングランドで一回目のロックダウンが始まったとき、まさか1年と2ヶ月後の今でも新型コロナ禍が終息していないとは思わなかった。
わたしは悲観的な口だったが、年明けには、と思っていた。
去年の春は特に気候がよく、もう二度と長期で一緒に暮らす機会もないのかと思っていた娘(英国では、一般的に大学進学とともに子供は家を出る習慣)が帰宅し、ほんわか幸せな家庭的気分もあった。
最初は三度の飯よりも好きなバレエやクラシック音楽のネット配信を熱心に見たりしたが、次第にどうでもよくなってしまった。やはり生でなくては。
できるだけおいしいものを食べ、ピエール・エルメのレシピでお菓子を作った(<かなりハマって体重増加。今年は止めて体重調整)。
下手くそなバッハやショパンを練習し、読書した。
昨日も書いたオンラインの学習コースを取った。
近所をハイキング、ネットショッピング。
薔薇が咲くのを心から楽しみにしたり...
テレビでドラマや映画は一時期スカンジナビアの刑事ものなどを見たが、定期的に飽きてしまう。
部屋の模様替え、ペンキを塗り替え、実物を見ないで大物の家具を買うなどのチャレンジもした。
とはいえ、もともと出好き旅行好きなタチで、外との世界の接触がネットだけになったのには多少不安を感じた。
回遊していないと死んでしまう海の生きものなのだ、わたしは。
自分がいる場所とは全く異なった時間と空間ではどのようなものが「美」と考えられているか、を見たり聞いたり感じたりすることが何よりも好きだ。自分がよく知っていると思っている社会の中で、旅先で、劇場で、美術館で。
自分にとって大切なもの、なくてはならないものは何かなどを確認するよいきっかけではあった...
と、きれいにまとめたいところだが、実は全然違う。
自分の卑小さを思い知らされたのであった。
細々と参加してきた社会活動すらも中止され、自分が無駄飯食いであることや、役に立たなさが重くのしかかってきた。
今後は、もっと社会活動に参加したいと思っている。もう十分社会から受け取ったので、今後は返していく番。
「自分は無駄飯食いで役に立っていないのではないか」と、人には思わせないようにしたいのです。
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