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美術品鑑定の世界をちらっとのぞき見れば




イングランドでは一年二ヶ月前にロックダウンが始まった。

こんなに長丁場になるとは想像もできなかったが、後で振り返って家にいたのに何もしなかったと後悔するのも嫌なので、ネットで配信されている教育機関の美術史のコースを取って勉強したつもりに。

幸い、夫も好きな分野なので、二人で試聴すれば費用的にも半額(笑)!


コースの中には一般的すぎて、途中で寝てしまいそうになるコースもなきにしもあらずだった。
せっかくの講義なのだから、本で独学で得られる程度の知識からは一歩出たい。

一方、ものすごく興味深いコースもあった。
今週終了した、某オークションカンパニーの講師による「美術鑑定」の触りのコースはたいへんおもしろかった。
深入りする時間はないため、鑑定はどういうところを見るかというところを教えてくれ、テクニカル寄りでありながら、美術の蘊蓄を楽しむ部分は残したレクチャー、最高だった。

教養的美術史と、プロのコースの間にある、巨大な逕庭に位置するという感じ。

もの好きなシロウトが、プロの集まる部屋の、分厚い緞帳の間からのぞき見した世界...

問い合わせたら、次の段階はオークションカンパニーの提供している学位が取れるコースなどに該当するという。

時間もあるし、取ってもいいのだが、論文を書いたり、討論に出たりするのはハードルが高い。
高すぎる。わたしは怠け者なのだ。夏のプールサイドで寝転んで勉強し、美しいシフォンのドレスに着替えて美術館や教会をぶらぶらするくらいがちょうどいい。リタイヤした元美術史の先生がガイドをしてくれたら最高。

今一番受けたい授業は、ルネサンス期フィレンツェのネオ・プラトニズム。どこかで開講されていないだろうか。


(上写真は先日たまたま通りがかったロンドンの某オークションカンパニー。イングランドの初夏の天気、なかなか改善しません)
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