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聖ジョージと龍




昨日のブログでは、

リビングルームの壁紙を剥がしたら、その下からGeogie Rocksという80年代風の筆跡の落書きが見つかった。

ブルージュの友人宅では壁の下から聖ジョージの龍退治のフレスコが見つかったのにひきかえ...

壁の前のソファのモデル名がB&Bのジョージ。

わたしの住んでいるイングランドの守護聖人が聖ジョージ。

などと寝ぼけたことを書いたのだった。


そういえば昨日の英国高級紙ガーディアンに、英国アストラゼネカ製の新型コロナワクチンに関して、欧州各国等がありもしない因果関係を持ち出してワクチン摂取を中断していると批判した記事があった。

「人間の一般的な傾向として、事象と事象の間に何の関係がない場合でも、つい因果関係を見出してしまいがちなのである。」

その通りだ。


つい、ありもしないジョージとジョージの因果関係を見出してしまった後、先日の強風で割れてしまった鉢の代替品を買いにガーデンセンターへ出かけた。
ウエストサセックス州にあるこのガーデンセンターは、他にはあまりない、入浴ができそうなサイズの鉢を取り揃えているのでよく行く。

そこで見かけた、キッチュな龍...が上の写真。

これでもかというくらいキッチュで、ハリー・ポッターのシリーズか、ディズニーランドの装飾風ではあるが、見れば見るほど可愛らしいなあと思うように...
ヤスリでもかけて、雨い数年晒して苔でも生えたらサビ(寂)が出るだろうか。あ、危ない、買ってしまいそう(笑)。


聖ジョージは、土地の汚染をやめる代わりに人間の犠牲を要求(ヤクザみたいですね)していたドラゴンを飼いならし、次の生贄として選ばれた王女を救った。彼はその龍に首輪をつけて連れ回し、その土地の人々を脅してキリスト教に改宗させ、のちに龍は殺害する。
彼はキリストの戦士なのである。

ドラゴン・スレイヤー聖ジョージ。


ドナテッロ。りゅうとしてたいへん美しい聖ジョージ。
ちなみに昨日はナショナル・ギャラリーのレクチャーでこの像にふれた。ウィキペディアから拝借。



一般に、古代メソポタミア地方およびその周辺地域では、龍(=蛇)は大地の女神のシンボルであった。

古代メソポタミアの図像では、王が自らの正当性と権力のシンボルとして蛇を握っているものが多く見られる。
ところが、大地の女神に対抗する後出の男神、そなわち天神(バール神とかゼウスとか)は、蛇と戦う立場をとるようになる。と、大地の神は邪悪、災いと扱われ、闇に追いやられる。

例えばヤマタノオロチを退治するスサノオも同じ系統の話だ。

蛇が土着の宗教、土着の権力、土着の知を表していることがよくわかるエピソードである。



ナショナル・ギャラリーで撮影したウッチェロ。
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