*文章は販売当時のものです。
○概要
世界のライトウェイトオープンスポーツカー、マツダロードスターが待望のパワーアップ!それも、可変バルブで160馬力というから、期待も高まるというもの。世界中のスポーツカーファンの多くがこう夢見ていただろう・・・ロードスターにVTECエンジンが搭載されれば!と。それがついに現実化か!?○居住性
●居住性★★★
当然、前述の1.6モデルと一緒。但し、今回は晴天に恵まれたので、高速道路以外は基本的にオープンでドライブした。やはり、オープンは楽しい!特にロードスターは、MR-Sに較べて開放感が強いので、オープンエアを堪能したい人には、まだまだロードスターは侮れないチョイスだ。ただ、今回のロードスターで最大の欠点が1つ。それは、乗り心地が悪いこと!いや、別にスポーツカーに快適な乗り心地を求めている訳ではないのだが、なんというか、不必要な乗り心地の悪さみたいなものを感じる。これは、すべて扁平率の低い16インチタイヤのせいである。1.6モデルに較べ、明らかに路面の突き上げが大きいし、ワダチにもハンドルを取られやすい。なんというか、不整地での挙動が不安定なのだ。今回は6時間レンタルなので横浜から逗子まで足を伸ばしてみたが、正直帰ってきた時にはグッタリしてしまった。これは私がトシだからではないハズだ!多分・・・
○動力性能★★★
さて、今回の注目ポイントは、何と行ってもエンジン!期待に胸を膨らませ、アクセルオンでドライブ開始。ほほう、さすが1.8Lパワフル・・・かな??うーん、ちょっとトルクは太いかもしれないけど、あまり変わってないなあ・・・というのが正直なところ。待ち乗り運転には充分なパワー感で、運転は楽。高速道路や坂道で全開にしてみると、そのままパワーは衰えることなくレッドゾーンへ。これまた過不足を感じさせない。思うに、ロードスターにはこれくらいのパワーがベストマッチだと思う。車中が軽いので、それなりのエンジンでも充分スポーティな走りを実現できるのだ。むしろ、使い切れるパワーとしては、S2000のような過剰ぎみなパワーより楽しいとも言える。ただし、スペックほどのパワフルさは感じられない。エンジンの吹けも、スムーズとは言えず、ちょっと古臭いラフなかんじ。ただし、古き良きオープンスポーツの雰囲気を求める人には、不満はないだろう。
○結論★★★
結論としては、ロードスター1.8Lは結構オススメの1台だ。MR-Sのようなトルク感はないが、それなりに高回転まで吹けあがるエンジンとライトウェイトらしいハンドリング、そして絶対的な車重の軽さが、運転する楽しさを教えてくれる。1.6Lの方がレスポンスがシャープで通好みだが、待ち乗りやドライブはトルクに余裕がある1.8Lの方が快適。また、1.8の方がドライバーの腕に関係なく、誰でも楽しいスポーティな走りが体感できるだろう。確かにS2000と比較してしまうと、モノが違うとしかいいようのない差をあらゆる面で感じてしまうのは事実。でも、気軽に、かつ自分が使いきれる範囲内でオープンスポーツを楽しみたいスポーツカー好きにとっては、ロードスターこそベストチョイスで、S2000はただのスペックオタクに感じてしまうかもしれない。それだけ、ロードスターには魅力があるということだ。
スピリット・オブ・ロードスター ~広島で生まれたライトウェイトスポーツ | |
池田 直渡 | |
プレジデント社 |