マツダ3 ハッチバック 20S に試乗しました!
試乗したモデルはマツダ3 ハッチバック スカイアクティブG 2.0 Mハイブリッドの6MTモデルです。
その美しいボディと賛否両論の中身で噂高いこの車、以前から興味がありましたが、今回レンタカーで借りることができました。早速、試乗インプレです!
●居住性★★★★
まず内装の質感の高さに驚きます!特にダッシュのソフトパッド部分や、スイッチ類の金属メッキ、ピアノブラックパネルの雰囲気は素晴らしいです。よく見ると、ハードプラスチック部分の質感はそれなりだったり、ピアノブラックパネルも細かい擦り傷が付きやすかったりするのですが、全体として調和が取れているので満足感は高いです。デザインもシンプルでセンスがいいですね。
空間は、想像していたよりも広く、後席でも意外にレッグルームがあります。窓は少し狭めですが、それほど閉塞感はないですね。CHR以上、カローラスポーツ未満という感じ。
視界については、デザインの影響でまず後方視界の天地は狭いですが、バックモニターもついているので、不便を感じるレベルではありません。またCピラーが厚めなので後ろ斜めの死角もあるのですが、ここもレーンチェンジワーニングセンサーのお陰であまり不便は感じませんでした。
静粛性も高く、ロードノイズ、風切音、メカニカルノイズ共にうまく押さえられています。
乗り心地も、総じて快適なレベルです。段差のある路面を乗り越える時等は衝撃が伝わってきますが、それ以外は悪くないですね。
総じて乗り味にはワンクラス上の質感があります。
●動力性能★★★
ねっとりと粘るエンジンですね。街中では全く問題なく、低速からきちんと必要なトルクを発生させますし、吹け上がり自体はリニアです。ハイブリッドの恩恵はあまり感じませんが、心地よいトルク感や、アイドリングストップからの復活するときのスムーズさに一役買っているようです。
ただ、高速道路や、山道の上り坂等、ちょっと元気に走りたい時は不満を感じるシーンもあります。全体的に優しく素直なエンジンなのですが、逆に言うと盛り上がりや刺激に欠けるのも事実。アクセルを踏み込んでもパンチのある加速は味わえません。
まあ6MTを駆使して、ちゃんとエンジンを回してあげればそれなりに気持ちよく走るのですが、もう少しトルクと吹け上がりに鋭さが欲しいところです。
●ハンドリング★★★
ほんとうに素直ですね。どの速度域でも、ハンドルを切った分だけリニアに反応します。アンダーもオーバーも感じさせない、絶妙なバランス、職人技を感じます。逆に言うと、刺激はないですね。また、雨の高速コーナーでは少し接地感が薄れるのと、コーナリング中に路面が荒れていると、リアがちょっと横っ飛びするのはビックリしました。
あと、噂に聞いた、踏み込むほどに効くブレーキも、慣れればいわかんないのですが、最初の頃は思ったより初期制動が少なくドキッとするシーンもありました。
●総合評価★★★
なるほど、これは中々評価が難しい車だと思います。
デザインや居住性はかなり好印象です。また、どこまでも人に優しい見事なまでに統一・調律された操作感覚や乗り味は凄いですね。世界観が統一されています。長く乗るほどに味わい深い車なのかもしれません。
他方、やはり人間とは贅沢な生き物で、何もかも期待通りだと、物足りなく感じてしまうのも事実。どこか尖ったところや、過剰なところ、期待を超えるところがないと、テンションが上がらないのだと思います。
できればスポーツモードをオンにすると、キビキビ走る等、ドライバーに選択権があるといいなぁと感じました。また、今や貴重な2L NAのネットリ感もいいのですが、やはり最近スタンダードになっている小排気量ターボの胸の空くようなトルク感があるといいなぁとも思います。スカイアクティブXはその辺りを解消してくれるのかもしれませんね。
このクラス内で強豪と比較するなら、より高級なメルセデスAクラスやアウディA3と比較してもおかしくないくらい質感が上がっています。先代VWゴルフのディーゼルの方が剛性感や走りの楽しさは上ですが、デザインは上。カローラスポーツとはいい勝負ですが、内装の質感や快適性は勝ってると思います。
では、動画をお楽しみください。