今回の品は、高麗青磁の梅瓶です。
梅瓶(めいぴん)とは、元々は、中国で作られた瓶子形の容器で、張った肩とすぼまった口が特徴です。
最大径 16.8㎝、口径 5.1㎝、底径 12.2㎝、高 31.4㎝。重 2.0㎏。高麗末ー李朝初期。
全体ににぶい薄青色です。
透明な深緑色が特徴の高麗青磁も、高麗末期にはこのような発色の物が多くなります。
でも、よく見ると、場所によって、色調に変化があります。青色の部分と黄色の部分があるのです。
梅瓶の上部は黄色、下方は青味がかっています。青磁釉中の鉄分が酸化した黄色と還元された青磁色です
写真では非常に分かり難いですが、肩の左から右下方へ、黄色い帯が流れています。
90度回すと・・・
同じように左上から右下にかけて、2本の黄色い帯状の模様があります。酸化した部分です。
肩上部は全面的に黄色。口の内側がほんのりと青色になっています(分かり難いです)。
底部は、全面的に青磁色。
このように、盛期の高麗青磁からすると相当劣るにぶい青磁発色ですが、酸化した(本来なら出来損ないの)部分が黄色の景色を添えています。
高麗青磁が終末を迎える時期のアダ花でしょうか。