日本の青磁が見当たらないので、朝鮮半島の青磁を紹介します。
高麗青磁の油壷です。
径 6.8㎝、 高 6.2㎝
時代は不明です。高麗期(10-14世紀)ほどの時代はないでしょう。
油壷は、女性の化粧用油をいれる容器です。
日本でも、古くから、各地の窯で作られました。色、模様、形が様々、大きさも手頃なので、そば猪口のように、油壷を専門に蒐めるコレクターもいます。
非常に透明度の高い、灰青色です。
青磁釉には、ジカンが多く入っています。
青磁釉は、全面に施されています。
底には、石目跡が3つあります。
高麗青磁の大きな特徴は、高い透明度です。
表面を拡大して見ると、ジカンの間に気泡がまばらに浮かんでいます。気泡がぎっしりと詰まっていたこれまでの青磁器とは、対照的です。やはり、気泡の少なさが、透明度の高さの一因であるようです。
たなごころにフィットする可愛さが身上。
今の季節、これといった花が咲いていないのですが、挿してみるとあんがい具合が良いようです。
今度は、野の花を入れてみようかな。
小振りで、色に深みがあり、形が可愛くて、まさに「女子」が「か~わいーい」と歓声をあげそうですね。
ウイルスの恐怖に取り巻かれて、心なごむひととき。こういうものだけは裏切りませんね。
朝鮮半島の焼物は、日本人には中国物よりも親近感があります。地味ですが、どこかに芯がある。
控えめな分、花も引き立ちます。
野の花などを入れて、なんとか、心をほぐしたいですね。
立派な花瓶よりも、こんな素朴な品の方が花は生き生きしますね。
きれいな物に乏しい世の中で、なぜかホットする美しさです。
伊万里のように緑に近い発色もありますし、高麗青磁といえば茶色っぽい発色ですからね~。
発色が安定しないことが、それぞれ違った魅力を作り出していると思うと
なんとも奥深い焼物であることを感じます。
口が広がった油壺というのは、なにか須恵器の造形のようで魅力的ですね!。
どの油壺も非常に安定して形をしています。多分、油がこぼれ難いよう、重心を低くしてあるんでしょう。その点、船徳利に似てますね。
『たなごころにフィットする可愛さが身上』
う〜ん、わかります! 私も、右に同じです^^
お花が引き立つ器ですね
とっても素敵です!
これくらいの大きさだと、自分の机の上に置いて、眺めたり、触ったり、自由自在です(^_^)
詳しいことはまったくわからないのですが、中国-朝鮮-日本への伝播の仕方に言及したものを読みたいと思ったものの、そのままになっています。
「透明度の高い」のが特徴と聞いて、私の印象が頓珍漢だったのかなぁ、と思ってもいます。
いろいろな作品をもっとじっくりと見たいものです。