名護市に、現在、辺野古弾薬庫で行われている商用車ゲート造成工事の森林伐採届の公文書公開請求をしたところ、先日、「一部公開決定通知書」が送られてきた。
2万5千分の1の「位置図」以外の図面は、1枚を除いて全て黒塗りされてしまっている。不開示の理由は、「個人の所有する土地の情報及び位置」は、「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができるため、個人の権利利益を害するおそれがある」というのである。以前、糸満の熊野鉱山の伐採届を糸満市に請求したことがあるが、糸満市は黒塗りもなく、全ての図面を公開した。今回の名護市の黒塗りはとても納得できない。
さらに、看過できない問題がある。
名護市は1枚の図面だけを公開した(下に添付)。ところが、この図面は原本はカラーであるにもかかわらず、開示されたのはモノクロの図面だったのである。凡例がついているが、モノクロなので内容は分からない点が多い。
驚いて名護市の担当者に連絡すると、「名護市の『情報公開事務取扱要領』で、『交付する用紙の規格は、白黒』とされている」というのである。
今まで、防衛局等の国や沖縄県等に公文書公開請求をしてきたが、カラーの文書もモノクロでしか出さないというのは初めてだ。原本がカラーであれば、それをそのまま公開するのが当然で(費用はカラーで請求すればよい)、モノクロにしてしまうと原本が改ざんされたことになってしまう。公文書公開制度の趣旨に反することは明らかである。
聞けば、今まで名護市の公開決定はカラーで出されたことがないようだ。あまりに時代遅れの名護市の公文書公開請求制度の運用には呆れるほかない。こんな「事務取扱要領」はただちに改正すべきである。
この問題についても他の黒塗り部分とあわせて、名護市公文書公開審査会に不服申立てを行う予定だ。
(カラーの図面がモノクロで公開されたので、内容がよく分からない)