前日、知人の別荘の脇の斜面で水色のAureoboletus sp.を見た時に、かねてから情報を送って欲しいと言われていたNBさんとHYさんに携帯から電話をかけていた。HYさんには直ぐに電話が通じて、今日は午後からきのこの講演会に行くから、明日の朝からこっちに来るということだった。僕は明日は佐用の方に花を見に行く予定にしていたので、付き合えないかもしれないと答えたのだった。
NBさんは留守電になってしまったので、失礼して他の場所へきのこの散策に行ってしまった。NBさんから着信があったのは、その日訪れた最後の場所の林の中を歩いている時だった。「水色のヤツが出ていたよ」というと、明日の朝に来るという。それでは朝、8時に自宅まで来てくれたら案内すると返事をして、HYさんには8時に2人で家を出て現地に向かうとメールをしておいた。
翌朝、NBさんは約束通りの時間に来た。僕は早々に引き揚げる積りだったので、2台の車で現地に向かった。HYさんからは連絡がなく、待っていてもしょうがないので、出発するとメールをしておいた。知人の家に着いて、坂を登って行く途中で、前日に気になったきのこの姿が目に入り、これ、何だったかなとNBさんに尋ねてみた。
すると、あれ?という顔をして近づいて、ナガエノスギタケのような・・・、僕はナガエノスギタケじゃないでしょ、などと返事をしたが・・・・、結論はナガエノスギタケダマシだった。僕は初見。NBさんは2度目だとか。稀菌である。
アンモニア生菌だから・・・・、このきのこの下に何が埋まっているのだろうか。
NB氏は貴重なきのこが見つかったので、アルミホイルを取り出し、サンプリングに余念がない。
サンプルが沢山必要だからと言って、アルミホイルが足りないとか言いながら、ほとんど全部抜き取ってしまった。きのこも本望だったかもね。
別荘の中で休んでいる知人に声をかけて、昨日写真を撮ったきのこは凄く珍しいきのこだったよ、と伝えた。そして、その場所に何か動物の死体でも埋めなかったかと聞いたのだが・・・・、奥さん曰く、「いつも、お父さんがそこでおしっこしてる」。
なるほどね。
それから、水色のアウレオの斜面に向かおうとすると、朝早くにひとり山に入って行ったとのことだ。「お~い」と呼ぶと山の中から返事が返ってきた。何だ、こっちに直接来ていたのか。電話したのに、というと携帯を家に忘れてきてしまったらしい。話を聞くと、水色のアウレオは丁度良い時期だという。おかしいな・・・・、老菌ばかりのはずなのに。
前日は、老菌を沢山見た後で成菌を幾つか見つけて、仲間に連絡をして満足してしまったようで、かなりの数の幼菌・成菌を見逃していたようだ。
そして、前日に見たアウレオも、1日でかなり大きくなっていた。
確かに、斜面には老菌から幼菌まで揃っていて、一番良い時期にきのこ仲間を連れてこれたようだった。HYさんは撮影とサンプリングに少し時間がかかるようだったので、杉林の斜面にNBさんを案内した。そこで、不明のアミタケ似の塩素臭のするイグチ、ウラベニヤマイグチの黄色バージョンなどを見せた。
そして、前日には無視した Amanita sp. をじっくりと見る。
何だこれ?ハイイロオニタケにしては・・・・
Amanita sp. ササクレハイイロオニタケ?
灰色というより青灰色。水色のアウレオと同じような傘の色をしていた。
その後、3人杉林の中に集まり、知人に挨拶。「これからもあそこで立ちション、してね」。それから車に戻り、僕は花を見に、あとの二人はそれぞれ、他の場所にきのこ探しに出掛けていったのだった。
8月31日、8月最後のきのこ探しは収穫の多い日になった。