カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

至福の一湯

2008-08-20 | イワテケン

【岩手県北バス:八幡平頂上⇒藤七温泉(季節運行・自然散策バス)15:13⇒盛岡駅17:05】

さてつづきです。

土砂降りの雨の中、一人の仏のような運転手さんに運んでもらい無事温泉に到着。


(玄関・雨の為中から外を写す)
ここは宿なのだが、旅館と言うよりは山小屋に近い感じ。
飾り立てるものはなにも、ない。

入口でバスの時間までいてもいいか?と確認したところ、
休憩所利用なら15:00までOKとのことで¥1155を支払う。
(日帰り入浴&休憩所代)


宿の人に案内してもらうと、廊下の先にテレビや椅子があるロビーのような所に到着。
その横引き戸の向こうに、20畳ほどの休憩所があった。
テーブルと座布団と無料のポットにお茶。
どこでも自由に休んでくださいとのこと。(写真撮り忘れました)
地元の方々が3組ほどいました。


窓の外を見ると、先ほどよりもっと雨が強く、風も吹いてきた。
トタン屋根(?)に叩きつける雨の音、薄暗い部屋に東北弁のBGM。
ロビー(らしき)のストーブに火が入ってなかったのは残念だが、
この雨から逃れて、家の中にいられるだけでありがたい。
早速温泉へ行ってみることにした。



廊下の突き当りが男女別内湯&露天風呂。
ちなみにここはもう一つ温泉があって、
先ほどの玄関を右に行くと、混浴の露天風呂に行ける。
駐車場から見えていたあの、煙が上がっているところらしい。


ほ~。風呂からご来光か・・・いいなぁ~~・・・
2階が部屋らしく偵察に行こうかと思ったが、浴衣の人が降りてきたので自粛。


脱衣所には無造作にカゴがあるだけ。
内湯の扉を開けると・・・

うぉーーーーーーーっ!硫黄の香りと共に、湯気の切れ間からいい感じのお湯がお目見え!
全てが木で出来た内湯。なんの飾りもない。まさに秘湯って風情ですよ!


静かに湯船に身を沈めると・・・ほぇ~~っと思わずうなってしまう。
色は茶がかった白濁、硫黄臭は思ったほど強くない。
カラダにまったりと吸い付くようなお湯の質感。

つるつるではなく、まったり、だ。
こんなの初めてだった。ものすごく感動。
なんかすごい力強さを感じるんですよ、お湯の。湯力?

雨は降っているが、ここまできたらそんなの関係ねー。
一旦脱衣所に戻り、露天風呂にチャレンジ。

もう一つの扉を開けると・・・
そこは火山への入口だった・・・


というのは大げさですが、ガレ場の山中にできた野湯のようだった(って経験ないけど)
お湯が沸いているところまで、屋根なんてあるはずもない廊下を人間が歩いて行くのだ。
お湯を人間の都合のいい所に運ぶのではなく、あくまでお湯が主役。
「入りたきゃここまでおいで。」
そんな大地のメッセージを受け取った気がした。



廊下に簡単なよしずを張っただけ。
その先には木で出来た湯船が二つ。
この日はもちろん何も見えなかったが、晴れていれば絶景らしい。
でも見えなくてもお湯の気持ちよさはピカ1★
ぬるめなので何時間でも入っていられそう。
周りを見渡せば地面から無造作にお湯がゴボゴボ噴出している。

電球が1個、ペットボトルのリサイクルでカバーされているだけの灯り。
まさに野趣溢れる山の秘湯だった。
湯船に身を任すと、ザブザブと流れ入る源泉に大地の恵み、自然の偉大さを感じ、
感動で泣きそうになった。

最初は4,5人入っていたが雨が強くなりみんな戻って行った。
私はひとり頭に手拭いを乗せ、ザーザーと降る雨の中、
あまりに気持ちの良いお湯に、嬉しくてヘラヘラ笑いながら入っていた。
サイコーにシアワセだー (セルフ撮影したかったなー)


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温まったらお腹が空いた。こういう時に限って何の食料も持っていない私たち。
売店ではお菓子などを売っていたのでそれで我慢するか・・・
でもここで何も食べずに夜21:00までは辛いな~(乗換え二回・接続時間それぞれ4分の為何かを買う時間もなし)
と思って聞いてみると、昼食バイキングというものやってるとのこと。
¥1500?


ここが玄関からすぐのところに合る食堂兼売店。
奥に畳敷きの広間があったので、多分宿泊客はそこで夕食なのだろう。


バイキングの内容は、山らしい野菜が中心のメニュー。
タラの芽、みょうが、筍などのてんぷら、やまうどのキンピラなど。
他に野菜カレーもあった。どれも手作り感一杯で美味しい★
ビールが進むぅ~



お腹も一杯になったところで、夜行バス移動の疲れが出てきたので、
座布団を掛け布団にし、お昼寝。1時間ほど爆睡しただろうか?寒くなって目が覚めた。
目覚めに又、温泉に入り温泉三昧。湯治客のようなゆっくりとした時間を過ごせた。

結局5時間近くもここでゆっくりさせてもらった。
バス停は「藤七温泉」の目の前だが、まだ雨と風が強く、
バスを待つ5分の間に突風にあい、傘のホネが折れた(モンベル・泣)
今年の天気はなんだかなー?


バスはありがたく私たちを運んでくれる。結局帰りも私たち二人だけの貸切。
下界近くなると虹が出て、青空も見えてきた。
悔しいけれど嵐のおかげで、温泉の良さをじっくり味わうことが出来たみたい。

ああ、ここにこれて良かった~。
八幡平の近くには有名な「玉川温泉」もあるが、
ここにも「ふけ(蒸)の湯」や「後生掛温泉」など山の恵みたっぷりで静かな温泉がある。
バスで来る途中、たくさんの湯煙を見た。
あっちもこっちも入ってみたいなぁ。

山は歩けなかったけど満足した気分で、ダンナの実家まで6時間かけて帰った、
大きな寄り道と収穫の夏休みであった。
(ちなみに新幹線で東京まで帰ったほうが早い


藤七温泉 彩雲荘

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