カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

雲上の日本庭園・鳳凰三山 【後編】

2011-10-16 | ヤマのこと

続きです

2011.10.9(日)
夜中は満天の星空だった。朝は思ったほど寒くなく、6:00出発。
ここからは朝日も夕日も拝めないが、どうも天気はよさそうだ。
期待を胸に、しゅっぱーつ


 
ここからは三山廻ってピストンする人、広河原へ降りる人、青木へ下りる人の3パターンがほとんどのようです。
まずは小屋脇から傾斜のきつい斜面を登っていきます。



樹林帯ですが、時折朝日が入ってくる登山道はすがすがしい気分で登れます。



昨日とは違い、大勢が山頂目指して歩いていきます。
抜きつ抜かれつするうちに、6:50、「ガマの岩」という所に到着。
前方の岩に登ると眺めがいいわよ、と教えられ登ってみると・・・


わわ!ほんとだ!北岳、そして富士山、なんて均整の取れた美しいシルエット♪
本当は景色がいいのはこれからだけど、いつ何時見れなくなるかもしれないから、
と、しっかりと目に焼き付けておきます。

良い景色を見たら目が覚めた~ テンション上がった~



眠い身体に喝が入り、更に進んでいくと稜線に出たようです。



わーーーーーーすごい眺めです
昨日からずっと樹林帯を歩いてきて、目の前がぱーっと開けた時の鳥肌立つような開放感
この感動を味わせる為の演出だったのでは?と思うような南御室小屋からのルートでした。



どどーーーん
目の前に迫る白峰三山のド迫力に言葉を失いました。

まだ未踏の北岳。目の前の稜線を見て「いつか歩きたい・・・」じゃなくて、
「ここはテントでは歩きたくない・・・」(笑)
それほどきつそうに見えたのでした



大きな岩の脇を進むと・・・


なんて美しいのでしょう!もうテンション上がって大喜び
真っ青な空と、白砂のコントラスト、圧倒される巨岩たち。
会いたかった風景が目の前に・・・



ザックの重さも忘れる楽しさで、砂払岳へと進みます。



登れば青空。



振り返れば雲海に浮かぶ富士・・・



前も後も美しすぎて・・・なかなか先へ進むことが出来ません




 
一旦降りて「薬師岳小屋」こじんまりとした小屋でした。
ここに泊まれば朝晩のSHOWが見れるのですが、混雑必須、この時期予約ナシでは泊まれません。




薬師岳小屋を過ぎてもウキウキ楽しい登り。何度も振り返ってしまう。



7:40、着きました、「薬師岳2780m」山頂。


 
山頂はとても広く、このままお昼寝でもしていたいくらい気持ちの良い場所でした。
みなさん朝食をとったり、思い思いの時間を過ごしていました。



目の前の北岳・・・すごい大きさ。この奥にもずっと繋がる尾根。
南アルプスってこんなに大きかったんですね・・・(今更・笑)


 
8:00、次のピークへと歩き始めましょう。素晴らしい景色の中、右手に見えてきたのは・・・



八ヶ岳オールスターズ この角度から見ると赤岳、すごいカッコイイですねー。



この先はもう鼻歌交じり



まさに天空の散歩道。気持ちよすぎて進むのがもったいないくらい。


 
8:30「観音岳2830m」到着です。



山頂から見る富士。



これから進む稜線、奥には大きな甲斐駒ヶ岳、そしていよいよオベリスクが見えてきました。



 
まだまだ続く、白砂のプロムナード



でも観音岳からは結構アップダウンがあり、ちょっと疲れてきます(汗)


 
咲き残りのタカネビランジに励まされ、最後の岩を越えると・・・




10:10、アカヌケ沢の頭到着。



白鳳峠方面へと繋がる交差点で賑わっていました。




薬師、観音、地蔵の名の通り、心安らかに歩けるこの素晴らしい鳳凰三山は、
まるごと禅寺の庭のように感じました。

ここから見降ろすオベリスクは本当に美しくて・・・。

紅葉の良い年にあたればもっと綺麗だったのでしょうけれど、
これ以上を望んだら贅沢すぎるほど、無風で一点の曇りもない青空に恵まれ感謝です


 
オベリスクの麓まで降りて・・・10:30「地蔵岳2764m」到着。
いつも中央線から見上げていたオベリスク、やっと会えたね。
てっぺんまでは登りません、見上げるだけ。



この美しさをただただ見つめるだけでシアワセでした。


 
ゆっくりしていたいけど・・・10:50、鳳凰小屋方面へ下山開始。
ズルズルの斜面は登ってくる人たちは本当に大変そう。



さよならーオベリスク!素晴らしい景色を見せてくれてありがとう
2年越しの思いを果たせてシアワセでした。


 
降りるにつれ紅葉がきれいになり、「鳳凰小屋」の脇が一番きれいに色付いていました。

11:35ここで昼食をとり、下山します。
先ほどの広河原へ降りるルートが一番綺麗そうでしたが、
余計なバス代がかかるのと最終のバスの時間を逃すとタクシー代約¥10,000が待っている
青木鉱泉へはウワサに聞く辛い道、私の足なら5時間かかるかも・・・。
鳳凰小屋の方のアドバイスもあり、やはり予定通り御座石鉱泉へ降りていきます。
ここなら最終のバスに間に合いそうだし、最悪タクシーでも韮崎まで6,000円程度で済む計算です。



 
12:00、下山開始。
ちなみに小屋の方のアドバイスは、
「燕頭山までの平坦な道で飛ばさず足温存、そうすれば最後の急坂もOKだよ」でした



ほぼ平坦な下りが続きます。ガスって来てしまったので暗い感じでしたが紅葉も少しだけ色付いていました。


 
13:15、燕頭山で休憩。登ってくる方達が休んでいましたが辛そうです。
旭岳過ぎたあたりからいよいよ断続的に急坂になります。

ただひたすら下るだけの道・・・

 
最後はがけ崩れが怖そうな工事現場を抜け、アドバイス通り来たけどやっぱり足にキター


 
もう歩きたくないーーーと15:25、御座石鉱泉到着。
最終のバスは17:15、それまで入浴(¥1050)してゆっくりビールを飲んでから帰路につきました。


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と、全てが大満足で終わる予定だったのですが、鉱泉に着いたとたんに私の身体に異変が。
突然の下痢に見舞われ、トイレから離れられない状態に お昼までなんともなかったのに?
以前何度か同じ状況を経験しているので、これはなんとしてでも家に辿り着かないとまずいパターン



御座石鉱泉からの道はかなりな悪路。
ジェットコースター状態の最終路線バスに乗り、歯を食いしばって我慢
韮崎駅に着くや否やトイレへ駆け込み
あずさの指定を取っていたので良かったのですが、電車のトイレを占拠する勢いで・・・
1時間半無言で堪え、無事家に辿り着いたものの、もうダメぇ・・・
(お食事中の方、申し訳ありません)


翌日急患で点滴の人となったのでした(笑)

結局、2年前と同じ「ウイルス性胃腸炎による下痢」下山後だったのが不幸中の幸い?
鳳凰山と下痢の因果関係は・笑
とやっぱりしっかりオチのついた山歩きとなりました




【行程】南御室小屋テント場6:10→薬師岳7:40~8:00→観音岳8:30~8:50→地蔵岳10:30~10:50
→鳳凰小屋11:35~12:00→燕頭山13:10→御座石鉱泉15:25
 (昼食休憩含む)

久々のテント装備・9時間30分行動はきつかった!
やっぱりどのルートを使っても鳳凰三山はなかなか手ごわい山なんだと感じました。


おしまい。