2012.6.16(土)~6.17(日)
「サントリー×ヤマケイ オールフリー 尾瀬沼ハイキングツアー」へ参加してきました。
今回のイベントは、
”昨年の震災以来、登山者減少に悩む尾瀬や登山口である福島県の桧枝岐村を応援すべく、
山歩きの記事を書いている私たちが記事を通じてもう一度、
尾瀬の素晴らしさを多くの登山愛好家の方々に知っていただければ・・・”
という主旨で企画されたものでした。
どこまで力になれるか解りませんが、私に何か出来る事があるなら、と参加させて頂きました。
昨年ご一緒させて頂いた”鈴木みき”さんを囲み、にぎにぎと新宿駅を出発

尾瀬には2007年、2008年、2009年と3回訪れたことのある私ですが、尾瀬沼は初めて。
以前燧ケ岳の頂上から見て、いつか行きたいと思っていた尾瀬沼。
どんなところか興味シンシンです。


この土日の天気予報は生憎の空模様。電車を乗り継ぎ降り立った「鬼怒川公園駅」
小雨がしとしと降る中、バスに乗り換えて「御池」を目指します。


桧枝岐村の風情ある景色を車窓から眺め、緑のトンネルを抜けるようにバスは走り「御池」到着。
ここから二日間お世話になる地元ガイドさんと合流し(ここでのビックリはみきさんのブログで)
シャトルバスに乗り換え「沼山峠」へ。

峠までの道、眼下に広がる原生林エリア。
原生林好きな私はバスの窓から鬱蒼と茂る森を眺めてひとりワクワク。


「山の駅 沼山峠」到着。準備運動をしていよいよスタートです。
二日間、よろしくお願い致しま~す。


登山口にはいるとすぐ、大きな石敷きの道。
これはハイヒール返しと言って、尾瀬を甘く見ないように!
靴底に付着した他地域の種を持ち込まないように・・・等の意味があるそうです。
ガイドの皆さんから色んな説明を受け、進みます。


倒木更新によって育つ木、木の種類、枝の傾きによって知る雪深さなどお勉強。

雨に煙る森もいいけど、正直晴れのほうが良かったな・・・なんて思いながら歩いていたけれど。


「人間にとっては雨は鬱陶しいかもしれないけど、花や森にとっては嬉しいんですよ」
ガイドさんの一言で、ああ、そうだ、森は生きているんだもの。雨が嫌だなんて人間の勝手だよね。
ここでは私が主役ではないのだから。ちょっと気持ちを変えたら急に森が生き生きと見えてくる。


花や木や虫・・・さまざまな生き物が、水の恵みを受け伸び伸び育っています。


沼山峠展望台を過ぎ、緩やかに下っていくと前方に湿原が見えてきました。


ぱぁーっと目の前に広がる湿原、すーっと身体をすり抜けていくような風。
木道脇にはしっとりと濡れたワタスゲ、まだ咲き残っていた水芭蕉。
都会では味わうことの出来ない澄んだ空気、カラダの中が全部入れ替わるような気持ちよさ。

しっとりミストの大江湿原、幻想的で素敵な眺めです。

木道の脇、水を含んだ植物たちの喜ぶ声が聞こえてきそう。


足元に咲く花たちのひとつひとつを眺めていると、かわいくてなかなか前に進めません。

この花はなんだろう、こっちの木は何の木だろう。
ワイワイとおしゃべりしながら木道を進んだり戻ったり。

向こうに見えてきたのが「尾瀬沼」かな。
煙っていて水平線がどこだか解らない・・・尾瀬沼ってどのくらい大きいのかな・・・?


ゆっくり散策しながら「尾瀬沼東岸」に到着。気がつけばもう15:30過ぎ。
今日お世話になる「尾瀬沼ヒュッテ」さんに着いたら気持ちもすっかりリラックスして・・


集まる人・・・転がる人・・・

オールフリーをプシュッとする人・・・集う人・・・

お土産買う人・・・売ってるドリンクをチェックする人・・・

シラネアオイ、こば板葺きの屋根にうっとりする人・・・


トガクシショウマとツバメオモト。初めて会えて嬉しかったなー。
それぞれの尾瀬沼1日目、終了です。




さて17:00から夕食の時間です。
食堂に集まり、今日はもう行動しないので安心してプレモルで乾杯~

岩魚の干物の美味しかったこと!
食後は別室で懇親会。
この時間もとても楽しみにしていた私たち。なぜなら・・・



山登りもさることながら、手料理にも定評のある皆さんがザックに潜ませてきた料理の数々!
もう、どれもこれも本当に美味しくて・・・


尾瀬沼ヒュッテの館長さんから、桧枝岐村の熊の話、小屋を管理していく上での苦労話・・・
などなど伺いながら、山にまつわる話は弾み、お酒も進みます。
山積みの本は5月25日に発売になったばかりの鈴木みきさんの最新刊「山テントでわっしょい!」
宴会での皆さんとの会話の中から瞬時にヒントを見つけ、
一人ひとり違うメッセージとイラストを描いてプレゼントしてくださるみきさん




どの人のも周りが「うんうん」と納得する、さすがのセンスで次々と生み出された「世界にたったひとつの本」
みんな嬉しくてニコニコ顔だったけど、心の中はすごく感動していたに違いない。
みきさん、本当にありがとう。
楽しい宴は消灯時間まで続きました。


尾瀬沼二日目。


夜中に強い雨の音がしていたので心配だったけど、やはり朝になっても止まず。
予定通り4:00起床で準備したものの、雨が止まず5:00スタートが6:30に変更となった。
当初の予定は尾瀬沼周遊でしたが、三平下方面はこの天気だと足元が危うい箇所があるため、
安全第一で北側、沼尻平までのピストンとなった。ガイドの皆さんの気苦労は大変なものです。

大江湿原の三本カラマツ、しっとりと穏やかな佇まいは風景画のよう。

沼の淵から立ち上がる木々の緑の濃淡、なんて美しいのでしょう!
山はカラッと晴れたほうが気持ちがいいけれど、本当に湿原には「水」が似合うと思う。
水分を含みより一層みずみずしい輝きを放つ森の緑たち。


桧枝岐村で大切にされてきた「黒檜」ミネ桜に良く似ているけど枝が白い「チシマ桜」のこと。


「赤渋」のこと、マイナス30度にもなる尾瀬の森の中では木自体が凍って割れ、倒れてしまうこと・・・

私の大好きな針葉樹の香りが「オオシラビソ」の香りであること。
色んな森を今日までいくつも歩いてきたのに、知らなかった事の多さに気づかされます。


時折強く降っていた雨も、北岸道までくると少し止み、かすかに燧ケ岳の裾が見えた。


ゆっくり歩きすぎてようやく沼尻の休憩所に到着。


長年大切に使われてきたであろう、木の香りのする休憩所に差し込む光。
天気のせいもあるのだろうけど、沼に反射した光がとても柔らかくて優しくてどこかノスタルジック。
たぶん、ここでゆっくり1日過ごしてもちっとも退屈じゃないだろうな、と思えるとても素敵な場所でした。


帰りはちょっとだけ急ぎ足。約束の9:00までに戻らないと。


枝の部分、1ピッチが1年。それを数えていけばこの木が何年かけてここまで大きくなったかが解る。
尾瀬に来るとどうしても花の方に目が行ってしまうけど、木が1年にこれだけ成長する、
その1年の間に雪が積もり、春が来て、色んな花が咲いて、秋になって木や草が紅葉して、又長い冬がやってきて・・・
花だけでなく、1年を通した森の変化をイメージしながら歩くと、また見えるものが違ってきますよ。
そんな風に話して下さいました。
森を愛し、森と共に生きてこられた桧枝岐村の方々だから言える言葉・・・しみじみと心に染みました。
矢印の白いものは「オオサンショウウオ」の卵。めずらしいものを見ることが出来ました。

三本カラマツのところまで戻り、ふと後ろを振り返ると・・・

わー!見て見て!燧ケ岳の姿が見えてきたよー!

だんだん頂上が見えてきた、さっきまでの大雨がウソみたい~~~

みんな笑顔で尾瀬沼ヒュッテまで戻ってきました。


9:00に戻る約束とは、こちらの放射線量定時測定を見せていただく為でした。
尾瀬では皆さんが安心して訪れられるようにと、空気中の放射線測定値を日々公表しています。
この日の放射線量は0.047μsv 東京と変りませんでした。

さて、全てのミッションを終えた我ら。
二日間降ったり止んだりの雨も上がり、オマケに燧ケ岳まで姿を見せてくれると言う、
ドラマのようなエンディングにもう嬉しくてニコニコです



喉が渇いたね~~お疲れ様でした~~のプシュッ

燧ケ岳を眺めながら至福の一本。今からまだ歩くけどノンアルコールだから安心して飲めます。

みんなで飲む1本もまた格別。うまーーーーっ

初対面でも皆さんすっかり打ち解け、みんなで楽しく歩いた尾瀬沼。
山が好き、自然が好き。
だから、もしかしたら自分にも何か出来るかもしれない、そんな気持ちで繋がった仲間達です。


明るくて楽しい館長さん。又来て下さい、私はいつもここにいますのご挨拶に、
私たちも又ここに来ます、と約束をしてさようならです。二日間、本当にありがとうございました。

尾瀬沼、とっても素敵なところだったね。

名残惜しくて振り返れば、昨日は見えなかった尾瀬沼に青空が。

最後に姿を見せてくれた、大きな大きな燧ケ岳。こちら側からは初めての眺め。


陽の光を受けて、咲いてくれました、タテヤマリンドウ。 間に合って良かった♪


なんだか楽しすぎて、あっという間の二日間でした。

ついついお花に夢中になってシャトルバスの時間ギリギリに。
急げー、と大慌てで登った「沼尻展望台」で一休み。
昨日は見えていなかった尾瀬沼がお見送りをしてくれたようです。


晴れるとまた雰囲気が変わる森を抜け、沼尻登山口に着く頃には青空が!
二日間お世話になった、桧枝岐村観光課のガイドさん、桧枝岐村在住のタカさん、タカPさん、
寂しいけどここでさようなら。楽しい時間をありがとうございました



オールフリーツアー隊はバスの中で、青空で締めくくれたこの旅に、感謝のかんぱ~い



時間の関係で残念ながら桧枝岐の温泉には寄れなかったけど、途中アルザ尾瀬の里、道の駅たじまで、
南会津の新鮮野菜を買ったり、ソフトクリームを食べたり・・・
バスは「鬼怒川温泉駅」に到着し、無事にツアーは終了しました。
アルパインツアーさん、ヤマケイさん、suntoryさん、ご一緒頂いたスタッフの方々、ありがとうございました。


電車を待つ間に、駅前の足湯でプシュ

電車に乗ってもプシュ

二日間で何本飲んだかな?

復興支援、手段は色々あるけれど、こうして私たちが訪れたり、買い物をしたり、
その地の今、を伝えることも大切な応援の一つでもあると思います。
(気仙沼の方も仰っていましたし)
今回訪れた尾瀬沼は全天候型で老若男女、誰でも楽しめる素敵な場所でした。
雨でも晴れでも、大勢でもひとりでもカップルでも、登山でもハイキングでも。
温泉も美味しいものもある福島県桧枝岐村、人それぞれの楽しみ方が出来るかけがえのない自然の宝庫、尾瀬。

この夏はアナタも尾瀬でプシュっとしませんか~~

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(photo by たけさん)
強風にはためく幟を押さえた黒子のつもりが、黒子になりきれなかった私ってやっぱり・・・ザンネン

長いレポ読んで頂きありがとうございました。。。
【ご一緒したブロガーの皆さん】
sanpoさん
はなねこさん
矢車草さん
くっきーさん
まゆちゃんさん
たけさん
工場長さん
げんさん
咲いていた他のお花のコトは


「山で飲むならオールフリー」ブログ体験記事コンテスト、今年もやってます。
皆さんも記事を書いたら参加しましょう、私も参加しています。

「山で飲むならオールフリー」記事コンテスト参加中。投票をお願いします!
尾瀬、雨も気持ちよかったですねー。
また会えるのを楽しみにしてますよっ!!
待ってました、尾瀬レポ。
やっぱりcyu2さんのレポはいいですねェ。
なんか改めて感激しちゃった。同じ場所を歩いても感性の違いを感じちゃうなぁ。
幽霊飲み屋で、私はcyu2さんのブログが一番好きなんだ~って
酔っ払って大声で喋っていた私でした(笑)
しっとりしっとり尾瀬、とっても楽しい二日間だったなぁ。
森や花にとっては恵みの雨なのでしたね。
そのこととっても大事なことですね。
人間の側から考えるだけじゃ駄目なんですね。
笑ってばかりの楽しい時間・・・心が癒されました。
またいつかご一緒したいですね~!
今度は温泉付きの山小屋で(笑)
宿題お疲れさまでした~♪
後でリンク貼らせていただきますね。
昨日は目が閉じそうでそこまで出来なかったのでした。
ふふ、楽しさが脳裏によみがえってくるレポですね^^
足湯も含めてこれ以上の無い締めでした!
(夜通し飲んでる組は別として・・)
要所要所の写真がたくさんのっていて、ほんとまた尾瀬に行きたくなりました。もちろん、皆さんとねっ^o^
またお会いできますように。
尾瀬沼、ひっそりとしたいい所だったでしょう。
「雨の尾瀬も素敵です」ってことが、読む人にじんわり伝わってきます。
cyu2さんのやさしさと気まじめさがあふれたレポ、はなまるですね~♪
↑
へんだなぁ。
お花のマークが出ないでこんなふうになっちゃう。
ごめんなさい。
最後には青空も見えて
飲むものもまた美味しかったでしょ。(^^)
お花もたくさんありましたね。
トガクシショウマ、私も見たい花です。
いろいろ忘れてたことが発覚しました。
そもそもまだ画像とりこんだだけで一行も書いてないし。
宿題ぎりぎりまで残すタイプだから
まじめなお話も楽しい宴会もとにかく有意義な2日間でしたね。
Twitterのせいか一年ぶりにお会いしたのに
久しぶりにあった友達みたいですごく楽しかったです。
ありがとうございました。
またぜひぜひご一緒したいです♪
尾瀬沼と、それを取り囲む周りの風景は
まるでどこか違う国に迷い込んだみたいに感じちゃう。
尾瀬ヶ原みたいなドーンとしたイメージとは間逆ですよね。
私的には尾瀬沼やアヤメ平が好き♪
この時期は尾瀬沼来たこと無いけれど、しばらくのあいだ、まだ花が楽しめそうですね♪
みなさんのレポート読んでいろんな角度から楽しませてもらいました~。
cyu2さんの写真とっても素敵です☆
尾瀬は私達も大好きな場所です♪
お風呂も入れるし、テント場は快適だし、生ビールも安いし♪
また飲みに行きたくなりました~(笑)
cyu2さんの黒子姿、絵になってますよ(*^_^*)
そんな洒落っ気があちこちにホヮっと漂っていて、
しかも震災復興へのcyu2さんの想いが伝わってくる
気合の入ったレポ。
そう、みんなで歩こOZE。
一枚ずつの写真にも、その組み合わせにも、
cyu2さんらしさが表れているみたいで、
私も尾瀬ツァーをたっぷり堪能させてもらっちゃいました。