Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2011年5月22日(日)秘境・苔むす西大台へ

2011年06月01日 | 山登りの記録
人生のベテランさんたちとのヒミツの大台ケ原の2日目は、西大台、一周ツアーである。
ここは今では、環境省のはたらかきけにより、西大台利用調整地区となり、
入山規制が敷かれている。



予め、上北山商工会に入山申請し、ビジターセンターで簡単なガイダンスを
受けた上、配られる許可証を、歩行中つねに首から下げておかなくてはならない。



朝、「心・湯治館」で、おいしい朝食をとる。名水コーヒーを頼み、ひとときの
贅沢を愉しんだあと、弁当をもらい、支度を整える。
今日はいつ雨が降り出してもおかしくない空模様。レインウェアはザックの一番上に
入れ替え、ザックカバーは天蓋に忍ばせる。

ビジターセンターでなにやら説明を聞いて、駐車場から、たたら亭への道をとる。
大台教会手前を左に、ゲートを通る。
横に小さな管理小屋があって、おっちゃんが、許可証をチェックする。

ここからは、許された人にのみ経験できる大自然エリアである。
まず七つ池方面にルートを取る。松浦武四郎の納骨碑分岐を左手に、ナゴヤ谷の上流部を
横目に進む。
しばらくは、実は大台ケ原ドライブウェイの数10m下側を山道が走っているため、
時折、自動車道のガードレールが見えたり、車のエンジン音が聞こえてきたりするので、
実際には秘境感は薄い。



それでもブナ、オオイタヤメイゲツ、アサノハカエデ、ミズナラ、オオカメノキ等の
広葉樹や、トウヒ、ウラジロモミ等の針葉樹、さらにはバイケイソウ、ヤブレガサ、
セイタカスギゴケ等、植生は豊富で、それぞれの春の若葉が目にまぶしい。

中ノ谷を渡ると、自動車道もしだいに遠ざかるが、ヒノキの植林めいた箇所も
あり、自然の真っ只中という感じでもない。



開拓跡付近の渡渉で、M山さんが転石にスリップし、かわいそうに、靴を沢に
突っ込んだだけでなく、アゴを擦りむいてしまった。
重心を低く、部分的に3点指示をするよう、もっと予め徹底すべきであった。
沢登りに慣れすぎると、こんなところは渡渉でもなんでもない感覚になって
しまう。一般の人の目線に合わせなければ、ちゃんとした引率者とはいえない。



開拓の大平原では、バイケイソウが大群落を作っていた。
毒草なので鹿も食べず、大峰・台高ではバイケイソウがどんどん増えている。
春のうちは、なんとなくかわいらしいが、花が咲いて巨大化すると、
こいつらはブキミでしかなくなる。



赤い吊り橋を渡り終えると、雨がいよいよ本降りになってきた。雨具を着る。
まだまだ初心者の一行、この着替えだけで15分は止まってしまう。

ルートは登りにさしかかる。ここまでかなりのスローペースだったが、
さらに足は鈍る。手持ちのGPSで、このあたりのスパンは時速1kmを切る
異常事態である。Mr.Dash快調な時と比べると1/4ほどの速度。

一人遅れがちな某氏に付き添って歩いていると、なんでもないトラバース部で
突然、ドサッという音。振り向くと某氏が滑落していたた。昨日に続く事件である。
傾斜は45度くらいか。腐葉土のため大事に至らなかったが5m以上は
滑り落ちていた。

先頭を歩くともちゃんは、はるか先で姿も見えない。
まずは無事を確認し、単身、某氏を引っ張り上げる。
SOSを何回かコールする。しかし、運悪く雨足がひどくなってきた。
登山道に放り捨てたザックに戻り、トランシーバーを取り出す。
ともちゃん、電源を入れておいてくれているだろうか。

何度か問いかけると、幸運にも、ともちゃんの返答をキャッチ。
すでに某氏とゆっくり歩き始めていたら、ともちゃんが向こうから
急いで戻ってくるのが見えた。
コールも聞こえており、パーティを安全な位置に誘導して動かないよう指示してから
戻ってきたのという。お互い、なかなか危機管理にも慣れてきたものだ。

ナゴヤ谷の美しい渓流を右手に見ながら、最後の登り。
もとの入山ゲートに戻った。雨足は幾分、ましになっていた。

昭文社コースタイム3時間5分の周回を、たっぷり6時間かけての散策。
雨あり、ハプニングありだったので、タップリの自然をしっかり目に焼きつけることが
できた人は何人いたか。









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