2020年12月6日(日) [湖東]金勝アルプス・天狗岩から竜王山、奇岩と摩崖仏をめぐる！

■メイン写真
金勝アルプスを代表する奇岩・天狗岩


■今回のコース
上桐生バス停→落ヶ滝→尾根出合→天狗岩→耳岩→白石峰→茶沸観音→竜王山→白石峰→
重ね岩→国見岩→狛坂摩崖仏→桐生辻分岐→水晶谷出合→さかさ観音→オランダ堰堤→
上桐生バス停


湖東の金勝(コンゼ)アルプスは、草津川の上流部の花崗岩質でできた岩山群だ。
竜王山の先にある金勝寺(こんしょうじ)の名をとった、ご当地アルプスのひとつとして知られる。

草津駅から帝産バスで終点の上桐生バス停へ。有料駐車場には既にクルマがいっぱい。
さすがは人気の山。



北谷林道からアプローチ。クヌギの黄葉が綺麗。



道中、数ヶ所に「コールポイント」を示す林野庁の看板が設置されていた。
前回来た時にはなかったものだ。



落ヶ滝へのルートは、花崗岩の奇岩と小さな沢が流れる中に、アカマツ樹林とウラジロ、
コシダが密生する日本庭園のような風景の中を歩く。時折、一枚岩を登るのがスパイス。



落ヶ滝に到着。いつも水量は少ないが、晴天続きのこの日もしっかり水は流れている。



登山道といっても、岩の歩きやすい所を選んで進む感じだ。



もう一発、スラブを登る。一見、難しそうに見えるが、ホールド感は十分。



尾根に突き上げて、稜線につけられた道を南へたどると、ほどなく眺めが広がる。
琵琶湖の向こうには比叡山がそびえる。



くぐり岩。向こうに抜けるのではなく、右に抜けて一周できる。



開放的な尾根。この日は無風の快晴で、12月でも歩いていると汗ばむ。
のどかに見えるが、実はこの日、10人程度のレスキューのお兄さんたちとすれ違った。
要救護者にもとに向かう途中とのことで、稜線をすっ飛んで行った。



三上山(近江富士)も見えてきた。山頂直下の露岩もシッカリ見えている。



花崗岩は長年の浸食を受け、奇妙な形に削られている。
もともと8000万年前の火山活動でできた巨大カルデラの一部だという。



天狗岩の直下に、ちょうど正午ごろに到着。岩は案の定、ハイカーでいっぱいだったので
先に食事を済ませて、少し人波が落ち着いてから天狗岩に攀じ登った。
絶景に感動するひとときだ。



手前に鶏冠山、琵琶湖の向こうは比良山系だ。



尾根道を少し進んで、天狗岩を振り返る。



耳岩でも少し遊んでみた。



これはどう見てもネコちゃんだが、公式には無名の岩。



ジャンクションピークである白石峰に到着。標識のにぎやかなこと。



ここから茶沸観音を経て、金勝アルプスの最高点・竜王山へ寄り道する。
竜王山からは眼下に競馬の栗東トレーニングセンター、奥に琵琶湖が見える。



白石峰に戻って、南西に続く道を下る。
まずは重ね岩。写真ではわかりにくいが、下の岩に線刻の仏像がある。



国見岩からは奇岩の先に新名神高速道路が緩いカーブを描いているのが見える。

さらに下っていくと、古い石垣や、ここまでになかった平坦地が現れる。狛坂寺跡だ。
816年、僧・願安が金勝寺の別院として建立したという。金勝寺は女人禁制だったので、
こちらを、それを補う位置づけにしたとか。しかし、明示の廃仏毀釈で寺の記録とともに
葬られてしまったので、今となっては詳細はわからない。



進行方向左手に高さ6ｍの岩に摩崖仏が刻まれている。狛坂摩崖仏だ。
中央に阿弥陀如来、左に観音菩薩、右に勢至菩薩だ。
この山域で最も大きな石仏だ。いつごろの作かは諸説あるようだ。



桐生辻分岐からは、歩きやすい南谷林道をたどる。
水晶谷出合を過ぎ、新名神高速のガードをくぐると、さかさ観音に着く。



少し下流にある、明治時代にできた「オランダ堰堤」の建設の際、岩を切り出して
いたら、この摩崖仏の大岩が仰向けに転がってしまったとか。

その堰堤がこれ。お雇い外国人技師・デレーケの設計だ。
堰堤の石のどれかが、さかさ観音の下にあったものということになる。

夕陽が傾くころ、バス停に戻った。近くの自販機で熱いコーヒーを買ってバスを待つ。
それにしても今日はいろんな岩を見たなあ。