長かったヨーロッパ紀行は、最後の最後に、マッターホルンの女神に出会えて
終わりを迎えつつあった。
都合、1週間以上お世話になったホテルDERBYで最後の朝食を摂り、
ツェルマットをあとにした。
フィスプ駅で、すっかり乗り慣れた赤い登山列車から、スイス国鉄の特急に
乗り換える。
天気はよく、眺めのいい左側の席を確保。延々と続くブドウ畑。
昨夜飲み残した白ワインを飲みつつ車窓からの景色を楽しむ。
やがて美しいレマン湖畔を列車はすべるように走り抜けていく。
ジュネーブ駅前のホテル「ベルニナ」に宿泊。
冷蔵庫、ミニバーもない部屋だったが、もう今晩1泊したら、明日は早々に
空港に向かうのだ。
5階の部屋の窓から身を乗り出せば、レマン湖の向こうに白いモンブランの
雄姿が望めた。
夕方になって、ジュネーブ市街を散歩した。
驚くほど高く吹き上げる噴水。花時計。ショッピング街。大道芸人。
低床式路面電車。トロリーバス。古い街角。
ツェルマットとも、シャモニとも違う、ヨーロッパの都会の姿。
途中、疲れがどっと出て、軽いめまいで倒れそうになった。
タイ料理レストランに這うように入り、早目の夕食を摂った。
牛肉のレモングラス炒めと、シンハビールが美味かった。
夜、眠りについてから案の定、断崖絶壁の夢を見た。
ガイドのおかげで登れた山、マッターホルン。
ガイドのトミーには感謝の言葉しかないが、これまでの海外登山の中では
感じなかった敗残感も、ちょっぴり残っている。
自力で登ったのではない。登らせてもらっただけ。
現に下山は殆ど懸垂下降に頼ったではないか。
いや、それは8時間で往復せざるを得ない制限の中での手段であって、
もっと時間をかければ、もっと余裕を持って登れたはず…
いゃ、それも違う。あんな岩壁ばかりの山で10時間、12時間もかかったら、
必ずどこかでミスが出て、ただではおれないはず…
頂上に足跡を残したのは確かだが、このモヤモヤは、これを書いている
10月になっても、まだ残っている。
■2011年8月18日(木)
7:40起床。全身にだるさが残っている。
身体にまったく力が入らない。
ホテルで朝食を済ませ、間もなくジュネーブ空港へ向かった。
帰りの飛行機の中のことはあまり覚えていない。ほとんど寝ていたか、
ぼーっとしていた。
長いフライトを終え、関西国際空港に着いた。
ようやく天王寺駅までたどりついたら、JR大和路線が架線火災で
全線不通。近鉄で迂回する気力もなく、なんとか座れた快速の車内で
3時間待った。
昼前に家に帰れるはずだったのに。
最後まで、待たされる旅であった。
(登頂記念のTシャツは、Addidasのオリジナル柄)
終わりを迎えつつあった。
都合、1週間以上お世話になったホテルDERBYで最後の朝食を摂り、
ツェルマットをあとにした。
フィスプ駅で、すっかり乗り慣れた赤い登山列車から、スイス国鉄の特急に
乗り換える。
天気はよく、眺めのいい左側の席を確保。延々と続くブドウ畑。
昨夜飲み残した白ワインを飲みつつ車窓からの景色を楽しむ。
やがて美しいレマン湖畔を列車はすべるように走り抜けていく。
ジュネーブ駅前のホテル「ベルニナ」に宿泊。
冷蔵庫、ミニバーもない部屋だったが、もう今晩1泊したら、明日は早々に
空港に向かうのだ。
5階の部屋の窓から身を乗り出せば、レマン湖の向こうに白いモンブランの
雄姿が望めた。
夕方になって、ジュネーブ市街を散歩した。
驚くほど高く吹き上げる噴水。花時計。ショッピング街。大道芸人。
低床式路面電車。トロリーバス。古い街角。
ツェルマットとも、シャモニとも違う、ヨーロッパの都会の姿。
途中、疲れがどっと出て、軽いめまいで倒れそうになった。
タイ料理レストランに這うように入り、早目の夕食を摂った。
牛肉のレモングラス炒めと、シンハビールが美味かった。
夜、眠りについてから案の定、断崖絶壁の夢を見た。
ガイドのおかげで登れた山、マッターホルン。
ガイドのトミーには感謝の言葉しかないが、これまでの海外登山の中では
感じなかった敗残感も、ちょっぴり残っている。
自力で登ったのではない。登らせてもらっただけ。
現に下山は殆ど懸垂下降に頼ったではないか。
いや、それは8時間で往復せざるを得ない制限の中での手段であって、
もっと時間をかければ、もっと余裕を持って登れたはず…
いゃ、それも違う。あんな岩壁ばかりの山で10時間、12時間もかかったら、
必ずどこかでミスが出て、ただではおれないはず…
頂上に足跡を残したのは確かだが、このモヤモヤは、これを書いている
10月になっても、まだ残っている。
■2011年8月18日(木)
7:40起床。全身にだるさが残っている。
身体にまったく力が入らない。
ホテルで朝食を済ませ、間もなくジュネーブ空港へ向かった。
帰りの飛行機の中のことはあまり覚えていない。ほとんど寝ていたか、
ぼーっとしていた。
長いフライトを終え、関西国際空港に着いた。
ようやく天王寺駅までたどりついたら、JR大和路線が架線火災で
全線不通。近鉄で迂回する気力もなく、なんとか座れた快速の車内で
3時間待った。
昼前に家に帰れるはずだったのに。
最後まで、待たされる旅であった。
(登頂記念のTシャツは、Addidasのオリジナル柄)