Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2007年4月29日(日)[宇和島]滑床渓谷でナメ天国の沢登り(1)

2007年05月06日 | 沢登りの記録
カメラマンY井氏が先日、高松に転勤したので、このGWは彼を誘い
四国の山に出かけることにした。
どうせなら、沢登りがいいなといろいろ調べたら、宇和島の滑床渓谷が
ナメ滝の連続らしい。登り詰めたら、三本杭という一等三角点のピークに
出るということもあって、狙ってみることにした。
山岳部のメンバーに声をかけたら、10人もエントリーして驚いた。

【メンバー】
Mr.Dash、ともちゃん、宇宙人I村氏、テレマーカーI島氏、
元気者ふみちゃん、”タイプR”N尾氏、フットワーク(何故?)T橋氏、
ポチK本さん、エレガントF原さん、カメラマンY井氏。

4月28日(土)、神戸港からジャンボフェリーで高松へ。
高松で、カメラマンY井氏をピックアップ。テレマーカーI島氏が
さぬきうどんをどうしても食いたいとリクエストするので、
地元のさぬきうどんの店をカメラマンY井氏に紹介してもらう。
自分で麺を湯がくシステムだ。

どやどやと10人で入店。それはいいが、誰か(名誉のため伏せる)が
ドンくさくも、せっかく湯がいたうどんをどんぶりに移す際に、
全部こぼしてしまった。
2玉注文した食いしん坊メンバー(名誉のため伏せる)のおすそ分けで
なんとかありつけたようだが、この先の旅が不安だ。
うどんの味は、さすがにすばらしかった。コシがいい。
麺が売り切れたら閉店するという店だけあった。

高速を乗り継ぎ、ひたすら西へ、西へ。誰が三蔵で、誰が孫悟空か
分からんが、西へと急ぐ。松山からは南に転じ、宇和島へ。
「クアライフ宇和島」に投宿。「荷物、持ちます!」などと一番若くて
元気いっぱいのT橋氏が小回りの利くフットワークを披露。

「クアライフ宇和島」レストランは安くて美味い。
新鮮な鯛の刺身がたっぷりの「鯛めし」は最高だった。

風呂に入り、部屋に戻ると宴会だ。明日は沢登りというのに、
初日から飲む、飲む、飲む。アルパイン・クラブ(山岳部)では
なく、アルコホリック・クラブになりそうだ。

さて、29日(日)。
朝、早々に宿を出て、滑床渓谷駐車場へ。愛媛有数の観光地ともあって、
なかなか風光明媚なところである。着いたときの気温は8度。沢登りと
しては寒すぎると思ったが、身支度を整えているうちに日が差してきて、
すっかりあたたかくなった。さすが四国である。
全員、元気いっぱいで出発だ!


渓流沿いに遊歩道があるのだが、流れが我々を誘惑する。10分ほど
歩いた地点で入渓した。今日は、体力抜群とはいえ、沢登り初体験の
メンバーも二人いる。いちなり滝場から始めるより、水に慣れる
ちょうどいい練習になろう。

雲ひとつない青空、緑に輝く若葉、そして水量たっぷりの渓流。


エレガントF原さんは、この流れの魅力に耐え切れず、「なんか
泳ぎたくなったから~」と、4月の沢でさっそく”水泳”。
これは、さすがに誰も真似しなかった。


パーティは皆、有頂天で遡行していく。若い衆は自分の興味のままに
ルートを取って、どんどん先に行く。

宇宙人I村氏がスリップして尻もち。これを見て大笑いしたカメラマン
Y井氏、直後のナメで足を滑らせ、10m近く水流に流される始末。
人をわらうと、いずれ自分に返ってくる、愉快な因果応報だが、
おかげでカメラマンY井氏は、この先、慎重になり、しばらく
”濡れない沢屋”に戻ってしまった。

観光ルートのハイライト、雪輪ノ滝に着く。遊歩道を歩けば一瞬の
道のりも、結構、時間がかかった。雪輪ノ滝は、一枚岩の斜面でできた
ナメ滝で、幅20m(最大部)、長さ80mという。上部の一連の
連続ナメ帯を含めると、標高差300mもの、壮大な滝である。


しばらく、女性陣が滝の下部で滑り台遊びに興じる。観光客が、
「あれは何だ」と奇異の目を向けても気づかないフリ。
まだ春の朝に、10人も「危険地帯」で盛り上がっているのだから、
冷静に考えると、やっぱり我々は奇特な連中である。

しばしの休憩の後、出発。延々と続くナメとの戦いが始まった。
斜度はそれほどないのだが、なんせ凹凸の少ない一枚岩だ。
スリップしやすいうえに、指のホールドも小さい。観光客がどよめく
中、一歩一歩、登っていく。

Mr.Dashもヒヤヒヤしながら、遠いご先祖様を思い出し、
ウキッと4つ足姿勢で登る。

遊歩道から直接見えなくなる頃、傾斜は強くなる。一度落ちたら、下まで
止まらないことだろう。慎重にも慎重に行かねばならない。
そのとき、フットワークT橋氏がスリップ!
Mr.Dashはちょうど同じ高さ、5m左の水流の逆サイドを登っていた
ので、救いの手を差し伸べるヒマもない。かなりヤバイ状態だ。

T橋氏、後続のカメラマンY井氏にすがりつく。これも危険極まりない。
カメラマンY井氏は、水流から、やや距離をおいた左岸沿いにいた。
右側の頼りない枝を片手でつかんでいただけだったが、ここでT橋氏の
身体が止まった。ヤレヤレ。”濡れない沢屋”が、命を救った。
健脚のT橋氏だが、沢登りは初めて。さすがに冷や汗をかいていた。

長いナメは、一度も中断せず、ますます勾配を増していく。こんな長い
ナメ滝は初めて見る。本当にすごい。


今日は遡行図が手に入らなかったので、地形図が頼りなのだが、
滝記号がついているのは雪輪ノ滝だけ。実際は全部、滝だ。


いよいよ後続の元気者ふみちゃんから、ヘルプの合図。
上からザイルを流す。10人もいると、時間がかかる。

長い長いナメがやっと終わると、黒っぽい岩石帯の遡行になる。
少なくとも、たった一歩のスリップで下まで落ちていくような事態は
なくなって、一同ホッとする。
元気者ふみちゃんに先頭を歩いてもらうが、それもつかの間、
再び一枚岩のナメが現れる。

お助け紐を出して、テレマーカーI島氏に支点確保してもらう。
I島氏や、T橋氏ら地力のある若手が技術を身につけてくると、
パーティの総合力は格段にアップする。今年はMr.Dashは
できるだけ、若手にチャンスを与えるつもりだ。

巻かずに食らいつくが水が冷たい。Mr.DashとテレマーカーI島氏が
本流左の斜めクラックに沿って試登するが、上部がツルツルで行き詰る。
ふと顔を上げて見渡せば、左岸を巻くトラロープの縄梯子を発見。

続いて登ってきたフットワークT橋氏と、エレガントF原さんに指示し、
この縄梯子を巻かせる。らくちんルートだ。

登り切ると、黒く巨大な衝立が眼前に立ちふさがる。これが大ノ滝だ。


水量は少なかったが、圧迫感がある。とても直登できるものではない。
まずは、ここで遅めの昼食タイム!ややシャリバテ気味の元気者ふみちゃんが
歓喜の叫びをあげた。

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