ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2013年3月30日、飯坂温泉駅周辺(2)

2015年07月07日 00時16分21秒 | 旅行記

 〔今回は、「待合室」の第536回(2013年8月15日から22日まで)として掲載した記事の再掲載です。〕

 松尾芭蕉も訪れた飯坂温泉ですが、私がここにやって来たのは温泉に入るためではなく、福島交通飯坂線を利用したかったからです(そもそも、温泉にはあまり興味も関心もありません。7年間も大分市に住んでいたのに)。でも、それだけでは寂しいので、駅の周辺を歩いてみることとしました。

 駅の対岸を通る国道399号線を歩き、化粧品店、薬局、魚屋などが並ぶ辺りから少しばかり脇に入ると、御覧のような案内標識があります。完全な住宅地で、すぐそばを摺上川が流れているせいか、民家の玄関が道路より下にあったりします。

 芭蕉と曾良がともに歩いたのは、旧道とされるこの道でした。しかし、ここから先は歩けません。民家の敷地になっているからです。

仕方がないので、国道399号線に戻り、駅前まで歩き続けます。摺上川に沿うような形で、旅館、ホテルなどの建物が並びます。いかにも温泉街という感じの街並みです。

 橋から飯坂温泉駅を見てみましょう。線路一本に、18メートル級電車3両分の降車ホームと乗車ホームがあるだけの駅にしては、大きな駅舎です。新しい建物であることは一目瞭然ですが、街に溶け込むようなデザインになっていることがわかります。

 改札口は下の階にあり、すぐにホームに出られます。但し、首都圏の駅と違い、改札口はいつも開いている訳ではなく、折り返しの電車が到着する数分前になってから始まります。

 

 駅のすぐそばにはマンションが建っています。温泉街とは思えない光景ですが、福島駅まで10キロメートルもないような場所ですから、この辺りが住宅地であったとしても別におかしくはない訳です。余談ですが、私が住んでいる場所から渋谷駅まで、国道246号線経由でおよそ10キロメートルです。

 飯坂温泉駅を出て交差点を直進すると、これまた比較的新しいことがわかる建物がありました。目立つので何だろうと思ったら「波来湯」と書かれています。後で知ったのですが、ここは「はこゆ」と読み、共同浴場の一つだそうです。実に1200年以上も続く歴史を持っています。奈良時代か平安時代から脈々と続いている訳です。なお、この地区には他に8箇所の共同浴場があるということです。

 駅前の交差点にある飯坂温泉の「案内処」です。観光協会の建物ですが、入ったかどうかは覚えていません。土曜日の午前中では、あまり人が歩いていません。奥のほうは、温泉街というより地元の小さな商店街という感じで、少しばかり歩いてみたのですが、裏通りは普通の住宅地で、生活音にあふれていました。それを耳にして、何故か安心感を覚えました。


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