2009年、私は福岡大学および西南学院大学で集中講義を担当しました。福岡大学が8月の上旬、西南学院大学が9月の上旬です。
当時、周りからは「2回も集中講義に行ったの? 大変ね」などと言われましたが、私自身はそのように思っていません。2003年から2012年まで、夏に集中講義を担当するのが私の年間スケジュールのようなものになっていましたし、福岡市という、私にとっては馴染みのある都市に滞在するからかもしれません。また、2009年の集中講義時についてはとくに楽しい思い出がいくつかあります。
8月3日の朝、 西鉄天神大牟田線と太宰府線を乗り継ぎ、太宰府へ向かいました。このところ、毎年、太宰府天満宮に行っておりますが、今回は太宰府天満宮で参拝する前に、寺院を訪れることとしました。以前から知ってはいましたが、実際に訪れるのは今回が初めてのことです。
太宰府駅を降りて改札口を抜け、右手のほうに出ると参道があります。その参道を進むと太宰府天満宮に着くのですが、そこに交差点があり、右折します。上の写真のような道を歩くと、目的の寺院があります。
到着しました。光林禅寺です。歴史などについて詳しいことは書かれていませんが、位置的にも、菅家、つまり菅原家出身の鉄牛円心(圓心)和尚が創建したことからしても、太宰府天満宮と深い関係を持つ寺院です。
「だざいふ」を漢字で記すと、現在では「太宰府」となります。しかし、古代日本の律令制の時代に、ここに置かれていた役所は「大宰府」です。いつから文字表記が変えられたのでしょうか。或る辞書によると、官職は「大宰府」、地名は「太宰府」と書き分けるのだというのですが。ちなみに、現在の太宰府市の人口は6万人を超える程度で、市となったのは1982年、意外に新しい市です。
光林禅寺の入口です。いかにも禅寺らしい雰囲気です。わび、さびの精神が、ここにも表れているような気がします。華美でない、質実剛健を体現しているかのような風景。
ここを訪れるまで知らなかったのですが、光明禅寺には石庭があります。石庭と言えば、京都の龍安寺にある方丈庭園が有名です。私も訪れたことがあります。枯山水の代表的な庭園ですが、九州では光明禅寺だけであるとのことです。
それにしても、龍安寺の方丈庭園ほどではないとしても、見事な造形芸術です。久しぶりに見入ってしまいました。
光明禅寺を出て、太宰府天満宮に向かいます。その途中にある建物です。
道端に黒いアゲハチョウがいました。種類がわからなかったのは残念です。
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