最初に読んだのはYahoo! NewsかOCNのニュース記事ですが、共同通信社のサイトで読むには面倒な手続(?)が必要なので、朝日新聞社のサイトを見たところ、昨日(2019年3月22日)の11時50分付で「瀬戸大橋渡る路線以外すべて赤字 JR四国が収支初公表」(https://www.asahi.com/articles/ASM3N5300M3NPLFA007.html)という記事が掲載されていましたので、これによりつつ、ブログを書いていきます。
実のところ、私は一度も四国各県を訪れたことがないので、当然、JR四国(四国旅客鉄道株式会社)の各線を利用したこともありません。ただ、国鉄分割民営化の時に、四国、九州および北海道は経営基盤が弱いということがわかっており、そのために四国および北海道向けにキハ54が製造されたという話もあるほどですから、JR四国の状況は良くないであろうということも簡単に推測できました。
しかも、上記記事の見出しにもあるように、JR四国の路線ごとの収支が初めて公表されたのです。このブログにもJR北海道かどこかに関連して記しましたが、公表の時期が遅すぎます。国鉄時代には毎年公表されていたようですが、民営化されてから、株主はともあれ、地域に示されていなかったことが問題を大きくしたと考えられるからです。ちなみに、JR四国の公式サイトを少しばかり見たところでは、区間ごとの収支に関する情報は掲載されていないようです。
今回公表されたのは、2013年度から2017年度までの5年間の平均実績です。JR四国には9つの路線がありますが、長距離の路線についてはいくつかの区間に分割して公表されたため、9路線18区間となっています。
①鉄道路線全体の年間赤字額
平均で109億円です。鉄道事業で黒字になったことは一度もありません。
②路線ごとの赤字額
これも年間平均額と思われますが、最大は土讃線の琴平〜高知で17億6000万円、次に予讃線・内子線の松山〜宇和島で12億4000万円(上記記事では予讃線と内子線が区別されていません)です。予讃線の高松〜多度津でも6億2000万円となっています。
③黒字路線と黒字額
瀬戸大橋を通る本四備讃線(茶屋町〜児島がJR西日本、児島〜宇多津がJR四国)のみが黒字路線で、額は5億2000万円です。
④営業係数
鉄道路線の経営状況を示す数値としてよく用いられるのが営業係数です。これは、路線において100円の収入を得るために必要とされる経費の額を示します。勿論、経費の額が100円を超えれば赤字であり、額が大きければ大きいほど経営状況が悪いことを示します。
JR四国全体の営業係数は144でした。
次に、線区ごとに見ますと、予想通りというべきか、最も悪いのは予土線(若井〜北宇和島)の1159、次に牟岐線のうち、阿南〜海部の635となっています。この他に2つの線区で300を超えています。
さらに詳しいデータを見る必要がありますが、上記のような端的なものでも状況の悪さがわかります。これから本格的に存続・廃止の議論が始まるでしょう。
そう言えば、牟岐線に接続する阿佐海岸鉄道も、経営状況が悪いことで知られています。この3月のダイヤ改正で、阿佐海岸鉄道と牟岐線との直通運転が中止されました。これがどのような方向に進むか、注意を向ける必要がありそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます