カンボジア経済

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カンボジア中央銀行 40周年記念式典

2019年10月18日 | 経済
 10月10日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、再創立40周年を祝う式典を開催しました。式典には、フン・セン首相やチア・チャント総裁他関係者多数が出席しました。
 大虐殺を行ったポル・ポトは、原始共産制を標榜し、通貨は不要であるとして、自国通貨「リエル」を廃止しただけでなく、カンボジア国立銀行も爆破して完全に破壊しました(写真上)。ポル・ポト政権がプノンペンから撤退した後、1979年10月10日にカンボジア国立銀行は、再創立されました。その後、カンボジア国立銀行は、1980年にリエルを再導入し、2000年以降は金融機関の育成、金融制度の整備等を着実に進めてきました。
 式典で、チア・チャント総裁は、カンボジアの金融機関の貸付残高は、過去20年で118倍に拡大し、288憶ドル(約3兆800億円)に達したとしています。また、預金残高も141倍の244億ドル(約2兆6100億円)に達しました。カンボジアは高度にドル化した経済ではあるものの、自国通貨リエルの発行残高は過去20年間平均で年16%で伸び続けているとしています。総裁は、今後もリエルの使用促進、銀行間市場の開発のための努力を続けていくと述べています。
 カンボジアでは、ポル・ポト時代の影響もあって、金融機関への信頼度が必ずしも高くなかった時代が続きましたが、最近は、預金・貸付共に大きく伸びており、金融についても「普通の国」に近づいていると見られます。金融セクターについては、様々な制度整備が必要であり、カンボジアではまだ課題も多いものの、ここ数年で様々な改革が進んでおり、カンボジア国立銀行の努力は評価に値するものと言えます。地道な改革が引き続き実施されていくことが期待されます。
(写真は、カンボジア国立銀行より)



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