カンボジアでは、2019年4月~5月に電力不足となり、計画停電を行うほどに追い詰められました。このため、2019年6月11日、カンボジア電力公社(EDC)は、カンダール州に400MWの石油・天然ガス火力発電所を建設する緊急計画を実施することとしました。2020年12月28日現在鉱業エネルギー省は、この緊急火力発電所が完成し、連結送電線も完成したので、いつでも稼働できるとしています。今後、乾季の水力発電所の稼働率低下時に、稼働するものと考えられます。
完成した発電所は、石油と天然ガスのどちらでも使えるタイプで、200MWを2基設置しています。1基は、中国能源建設(CEEC)系の葛洲坝能源重工(CGGC-UN)が施工し、発電機はフィンランドのバルチラ社(Wartsila)から調達しました。もう1基は、中国重型機械(CHMC)が施工し、発電機はドイツのマン社から調達しています。総事業費は、3億8000万ドル(約410億円)で、3億ドルについてはカンボジア政府からEDCが借入れ、残額はEDCが負担しています。工期は、中国企業らしく当初10カ月と豪語していましたが、できるはずもなく昨年末にようやく完成に漕ぎつけました。
カンボジアでは、2019年の乾季に水不測で水力発電所の出力が低下し、プノンペンで計画停電を行うまでに追い詰められました。電力需要は、2018年は14%、2019年は16%増加しています。このため、カンボジア政府も発電設備の増強や電力輸入のための送電線整備等に全力で取り組んできましたが、電力需給はひっ迫する一方でした。しかし、2020年の電力需給は新型コロナの影響で前年比10~12%減少したものと見られます。このおかげで、発電所等の整備が需要増大に何とか追いつく形になったものと見られます。しかし、カンボジアでは引き続き毎年300MW~400MWの発電能力増強が必要となるものと見られます。カンボジア政府の持続的な努力と、日本等の支援が望まれます。
(写真は、EDCより)
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完成した発電所は、石油と天然ガスのどちらでも使えるタイプで、200MWを2基設置しています。1基は、中国能源建設(CEEC)系の葛洲坝能源重工(CGGC-UN)が施工し、発電機はフィンランドのバルチラ社(Wartsila)から調達しました。もう1基は、中国重型機械(CHMC)が施工し、発電機はドイツのマン社から調達しています。総事業費は、3億8000万ドル(約410億円)で、3億ドルについてはカンボジア政府からEDCが借入れ、残額はEDCが負担しています。工期は、中国企業らしく当初10カ月と豪語していましたが、できるはずもなく昨年末にようやく完成に漕ぎつけました。
カンボジアでは、2019年の乾季に水不測で水力発電所の出力が低下し、プノンペンで計画停電を行うまでに追い詰められました。電力需要は、2018年は14%、2019年は16%増加しています。このため、カンボジア政府も発電設備の増強や電力輸入のための送電線整備等に全力で取り組んできましたが、電力需給はひっ迫する一方でした。しかし、2020年の電力需給は新型コロナの影響で前年比10~12%減少したものと見られます。このおかげで、発電所等の整備が需要増大に何とか追いつく形になったものと見られます。しかし、カンボジアでは引き続き毎年300MW~400MWの発電能力増強が必要となるものと見られます。カンボジア政府の持続的な努力と、日本等の支援が望まれます。
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