12月22日、フン・セン首相は、既存の鉄道北線の高速化に強い意欲を示しました。1月23日、公共事業運輸省のスン・チャントル大臣は、中国の中国路橋工程(CRBC)と高速鉄道に関する会議を開催しました。この会議で、中国側は、プノンペンからタイ国境のポイペトまでを結ぶ鉄道北線の高速化に関するフィージビリティ・スタディの結果を発表しました。調査結果によりますと、導入するのはラオス・中国鉄道と同様のものと見られ、標準軌(1435mm)の中国規格で最高速度160kmの設計となるとことです。プノンペン~ポイペト間382kmに33駅(当初は19駅)を設置するとしています。ラオスと同様、旅客と貨物の両方に対応するとしています。工事期間は4年、総工費40億ドル(約5200億円)と見積もっています。
夢のような計画ですが、まず標準軌であるため、メーターゲージのタイ国鉄やベトナム国鉄との乗り入れができません。そもそも、プノンペン~ポイペト間だけでは需要に限りがあると見られ、バンコク~プノンペン~ホーチミンを結ぶことが必要不可欠と見られます。また、資金計画については明らかにされていませんが、ラオス方式では多額の債務を背負うこととなり、「債務の罠」そのものとなる懸念があります。債務の罠に陥ったラオスは、2022年は1年間で通貨キープが5割も減価し、その影響で物価上昇率は2022年12月に39.3%にまで上昇しています。外貨不足に陥るとともに通貨安により返済額がさらに膨らむという悪循環に陥っているものと見られます。また、インドネシアでは、中国の高速鉄道案を受け入れた大きな理由が「インドネシア政府の財政負担なし、債務保証も不要」といううたい文句でしたが、結局多額の財政負担を強いられています。また、3年間で完成させると言っていましたが、8年経っても完成していないのが実情です。
カンボジアでは、この事業について中国の民活(おそらくBOT方式)で実施することを目論んでいるものと見られますが、運賃収入だけではフルコストリカバリーは相当に困難と見られます。公共事業運輸省では、今年7月の選挙終了後にも着工するとの意見もあるようですが、カンボジア政府内での十分な事業内容の精査が必要なものと見られます。
(写真は、完成予想図。AKPより)
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夢のような計画ですが、まず標準軌であるため、メーターゲージのタイ国鉄やベトナム国鉄との乗り入れができません。そもそも、プノンペン~ポイペト間だけでは需要に限りがあると見られ、バンコク~プノンペン~ホーチミンを結ぶことが必要不可欠と見られます。また、資金計画については明らかにされていませんが、ラオス方式では多額の債務を背負うこととなり、「債務の罠」そのものとなる懸念があります。債務の罠に陥ったラオスは、2022年は1年間で通貨キープが5割も減価し、その影響で物価上昇率は2022年12月に39.3%にまで上昇しています。外貨不足に陥るとともに通貨安により返済額がさらに膨らむという悪循環に陥っているものと見られます。また、インドネシアでは、中国の高速鉄道案を受け入れた大きな理由が「インドネシア政府の財政負担なし、債務保証も不要」といううたい文句でしたが、結局多額の財政負担を強いられています。また、3年間で完成させると言っていましたが、8年経っても完成していないのが実情です。
カンボジアでは、この事業について中国の民活(おそらくBOT方式)で実施することを目論んでいるものと見られますが、運賃収入だけではフルコストリカバリーは相当に困難と見られます。公共事業運輸省では、今年7月の選挙終了後にも着工するとの意見もあるようですが、カンボジア政府内での十分な事業内容の精査が必要なものと見られます。
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