カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

IMF 世界経済見通し2023春 不安定な回復

2023年04月21日 | 経済
 4月11日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2023年4月版を発表しました。世界経済については、「金融部門の混乱や高インフレ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響、3年にわたるコロナ禍を受けて、見通しは再び不透明になっている」としています。世界全体の成長率については、2022年3.4%(2022年10月予測3.2%)、2023年2.8%(同2.7%)、2024年3.0%と予測しています。世界の物価上昇率については、「一次産品価格の下落を背景に、世界の総合インフレ率は2022年の8.7%から2023年は7.0%に鈍化する見込みであるが、基調的(コア)インフレ率はもっと遅いペースで鈍化するだろう。」と指摘しています。
 世界的に需要が減退している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2022年5.0%(同5.1%)、2023年5.8%(同6.2%)、2024年6.2%(同6.6%)となっています。更に、2025年以降2028年までの成長率は、6.2%~6.5%と高度成長に復帰すると予測しています。物価上昇率は、2022年5.3%(同5.2%)、2023年3.0%(同3.8%)、2024年3.0%(同3.0)と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年47.5%、2022年26.9%にまで悪化しましたが、2023年は12.2%、2024年は9.3%に改善する見込みで、2025年以降も7%前後と予測しています。
 世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済の回復・成長に向けた努力を継続することが期待されます。
(グラフは、IMFの発表より)

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2023年4月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2023/04/11/world-economic-outlook-april-2023


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする