5月8日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2021年第1四半期)により、消費者信用指標(Consumer Credit Index)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は11%増、金額は6%減と2020年後半のV字回復から一段落となっています。その内訳は、個人向け貸付が件数11%増、金額6%減、住宅ローンは件数15%増、金額4%減、クレジットカード利用は件数30%減、金額23%減となっています。
消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比2.1%増の約130万人となっています。残高は、前期末比6.4%増の103億9000万ドル(約1兆1330億円)となりました。
不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%と推移しています。借入人の26.4%が複数の機関から借り入れを行っています。
新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%前後にとどまっています。他方、新規貸付需要は、2020年第2四半期は急減したものの、国内での経済活動再開に伴い2020年第3四半期・第4四半期には大きく戻しました。しかし、2021年第1四半期は新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいます。4月以降のロックダウン等の影響を受けて、2021年第2四半期は、貸付低迷と不良債権比率の悪化が懸念されます。
なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。
カンボジア信用機構の報告書(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/consumer-credit-index-report-quarter-1-2021-released-april-2021/
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今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は11%増、金額は6%減と2020年後半のV字回復から一段落となっています。その内訳は、個人向け貸付が件数11%増、金額6%減、住宅ローンは件数15%増、金額4%減、クレジットカード利用は件数30%減、金額23%減となっています。
消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比2.1%増の約130万人となっています。残高は、前期末比6.4%増の103億9000万ドル(約1兆1330億円)となりました。
不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%と推移しています。借入人の26.4%が複数の機関から借り入れを行っています。
新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%前後にとどまっています。他方、新規貸付需要は、2020年第2四半期は急減したものの、国内での経済活動再開に伴い2020年第3四半期・第4四半期には大きく戻しました。しかし、2021年第1四半期は新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいます。4月以降のロックダウン等の影響を受けて、2021年第2四半期は、貸付低迷と不良債権比率の悪化が懸念されます。
なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。
カンボジア信用機構の報告書(英文です)
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