3月20日、カンボジアの通貨「リエル」を再導入して42年となることを記念する式典「リエルデー」の様々なイベントが、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の主催で開催されました。今回は、プノンペンのチップモンショッピングモールで、様々な展示や音楽イベント等も開催されました。地方の4州でも展示会が開催され、クメールタイムス紙上で、リエル化促進のための記事の掲載も行われました。
原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。今回は、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁を見てしまったためか、「脱ドル化」がかなり強調さているように見られます。ドル化経済で、同じような制裁が行われた際のインパクトが相当に大きいと懸念されるためとも見られます。
NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。
(写真はNBCのフェイスブックより)
NBCのフェイスブック(クメール語)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/298055695801582
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原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。今回は、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁を見てしまったためか、「脱ドル化」がかなり強調さているように見られます。ドル化経済で、同じような制裁が行われた際のインパクトが相当に大きいと懸念されるためとも見られます。
NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。
(写真はNBCのフェイスブックより)
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