カンボジア経済

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IMF 世界経済見通し2022秋 物価上昇と先行き不透明感

2022年10月13日 | 経済
 10月11日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2022年10月版を発表しました。世界経済については、「世界経済活動は広範にわたり、かつ当初予想より大幅に鈍化している。物価は数年ぶりの高水準を上回っている。生活費の危機や、大半の地域で見られる金融環境の引き締まり、ロシアのウクライナ侵攻、長引く新型コロナウイルスのパンデミックがすべて、経済見通しに重くのしかかっている。」としています。世界全体の成長率については、2022年3.2%(2022年4月予測3.6%)、2023年2.7%(同3.6%)に引き下げました。
 世界経済の回復に不確実性が高まっている中で、カンボジアの今年の成長率予測は横ばいでした。成長率予測は、20221年5.1%(同5.1%)、2023年6.2%(同5.9%)、2024年6.6%となっています。2025年以降2027年までの成長率は、6.4%~6.6%と高度成長に復帰すると予測しています。物価上昇率は、2022年5.2%(同3.0%)、2023年3.8%(同3.0%)、2024年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年は48.0%、2022年は31.3%にまで悪化すると予測していますが、2023年は17.0%、2024年は14.2%に改善する見込みで、2024年以降も8%前後と予測しています。
 なお、IMFでは、「世界のインフレ率は、2021年の4.7%から2022年には8.8%に上昇する見込みだ。2023年には6.5%、2024年には4.1%に減速するとの予想だ。金融政策は、物価の安定を取り戻すためにしっかりと推し進め、財政政策は、金融政策と一致するよう十分に引き締まったスタンスを保ちつつ、生活費の圧力を和らげることを目指すべきだ。」と指摘しています。
 世界的な物価上昇の中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済の回復に向けた努力を継続することが期待されます。
(グラフは、IMFの発表より)

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2022年10月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2022/10/11/world-economic-outlook-october-2022


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