カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

2018年1~8月 工場数大幅増加

2018年10月05日 | 経済
 カンボジア工業・手工芸省によると、2018 年1~8月に新規登録された工場数は116工場で、総数は1638工場となりました。新規工場の内訳は、縫製・製靴が61工場、食品・飲料・たばこが20工場、化学品・石炭・ゴム・プラスチック製品が13工場、金属製品が11工場、紙製品2工場、木製品2工場等でした。工場労働者数は、2017年末には98万2203人でしたので、現時点では100万人を超えているものと見られます。このうち、縫製・製靴工場の労働者数は2018年8月現在で87万746人に達しています。
 今年は、選挙があったため新規投資等が弱含むのではないかと見られていましたが、米中貿易戦争の影響もあってか、カンボジアへの投資は引き続き好調を維持しています。しかし、縫製業等の労働集約的軽工業が未だに主流を占めており、日系企業が得意とする部品製造等への投資が進んでいない点は懸念されます。今後とも、製品と輸出先の多様化を図りつつ、付加価値の高い製品へのシフトも促進していく必要が高いものと見られます。


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

給与の月2回払い 退職金を廃止して年功手当に切り替え 省令公布

2018年10月04日 | 経済
 9月21日、労働省は、年功手当の支払に関する省令(第443号)と被雇用者への賃金支払いに関する省令(第442号)を公布しました。カンボジアの労働法は、2018年6月26日に改正され、これまでの退職金(解雇保証金)の条項を廃止し、毎年賃金の15日分の年功手当を支払う方式に変更しています。これは、退職金を支払わずに夜逃げする縫製企業があり、その度に大きな問題となっているため、毎年支払う方式に変更したものです。詳細は、今般の省令で定めることとなっていました。省令では、2019年以降、毎年6月と12月に各7.5日分、合計15日分の年功手当を支払うこととなります。また、2018年以前分については、上記に加えて、縫製業は、1年当たり30日分(6月と12月に各15日分)、それ以外の業種については1年当たり15日分(6月と12月に各7.5日分)を支払います。なお、2018年以前分については、総額が平均給与の6か月分を越えることはないと規定されています。
 被雇用者への賃金支払いに関する省令では、賃金の月2回支払いが定められました。これも、賃金未払いで夜逃げする企業への対策とされます。2019年1月から第2週に賃金の50%、第4週に賃金の50%と各種手当を支払うことが規定されました。
 これらの省令は、多くの企業にとって、資金負担の増加と支払業務の増大を招くものです。賃金支払いを多くの企業では現金で行っていることも、負担を重くするものと見られます。なお、制度の詳細につきましては、会計事務所等にお問い合わせ下さい。

カンボジア縫製製造業協会(GMAC)のサイト
https://www.gmac-cambodia.org/regulations



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UNDP 多次元貧困指数 カンボジアは35%が貧困

2018年10月03日 | 経済
 9月20日、国連開発計画(UNDP)とオックスフォード貧困・人間開発イニシアティブ(OPHI)は、2018年「多次元貧困指数(MPI)」を発表しました。多次元貧困指数は、単に所得面だけでなく、人々が複数の側面で同時に経験する貧困の実態を把握するための指数です。健康、教育、生活水準の3つの主要な次元において、水や衛生施設(トイレ)、十分な栄養または初等教育を欠くなど、人々がどのように取り残されているのかを明らかにしています。従来の貧困指標は、所得が1日1ドル90セント未満の人々の数として示されてきました。これは、人々の所得の低さを浮き彫りにしたものの、日常生活で実際に貧困を経験しているか否か、また、どのような形で貧困を経験しているかを必ずしも明らかにできない点もあります。多次元貧困指数はこれを補完する形で、貧困の実態や全世界の人々に対する貧困の影響を表すものと言えます。
 カンボジアについては、2016年時点で人口の34.9%に当る549万9000人が多次元貧困状態にあるとされます。また、人口の12.0%は。深刻な多次元貧困状態にあると見られます。また、貧困の一歩手前にある人々は人口の21.1%を占めている点にも留意が必要であると指摘しています。
 カンボジアは、貧困ラインによる貧困率については、2004年の53.2%から2012年には17.7%に大幅に低下させています。貧困の状況を更に詳しく把握することにより、貧困削減に向けてきめ細かい対策等の立案に役立つものと期待されます。

国連開発計画のサイト(和文)
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/presscenter/pressreleases/2018/mpi2018/

↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

王子 カンボジアで段ボール工場新設へ

2018年10月02日 | 経済
 9月28日、王子ホールディングスは、カンボジアで30億円を投資して、段ボール工場を新設すると発表しました。これまで、カンボジアでは、王子グループのHPI Resources社(Hartaグループ)が段ボール製造事業を展開しており、プノンペンの工場に加えて、シアヌークビル港経済特区内に新工場を建設しています。今回の投資により、プノンペン経済特区内に第3工場を建設し、月産800万平方メートルを製造する予定です。敷地面積は、6.2ヘクタールで、2020年1月の稼働を目指すとしています。第3工場の稼働により、現在トップを占めるカンボジアの段ボール市場でのシェアを更に伸ばしたいとしています。王子グループでは、東南アジア・インド地域(マレーシア、ベトナム、タイ、インド、ミャンマー、カンボジア等)で段ボール等のパッケージング事業を展開していますが、カンボジアの第3工場は、この地域で23カ所目の段ボール製造拠点となるとのことです。
 東南アジアでは経済成長で家電製品や食品などの輸送需要が増加しており、王子グループはベトナムやマレーシアでも生産能力を拡大しています。生産量は世界全体で約39億平方メートルで、そのうち日本市場が7割強、残りは東南アジアやオセアニアとのことです。印刷・情報用紙はデジタル化で需要が減ってきており、段ボールなど成長事業へのシフト進める計画です。
(写真は、シアヌークビル港経済特区内の第2工場)

王子ホールディングスの新聞発表
https://www.ojiholdings.co.jp/Portals/0/resources/content/files/news/2018/4V4rKGU.pdf?TabModule958=0


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2018年10月01日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、または右側のブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
http://archive.mag2.com/0001154670/index.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アジア経済見通し2018秋 カンボジア経済は好調続く

2018年10月01日 | 経済
 アジア開発銀行(ADB)は、9月26日に「アジア経済見通し2018年改訂版(Asian Development Outlook (ADO) 2018 Update)」を発表しました。
 カンボジア経済は引き続き順調に成長するものと見られ、2018年のGDP成長率は7.0%(前回予測7.0%)、2019年7.0%(前回予測7.0%)と予測されています。米中貿易戦争等の貿易摩擦や米国の金利上昇等の外的要因で、成長率予測が引下げられる国が多い中で、カンボジアは、好調な輸出、観光、国内需要等により引き続き好調を維持するものと見られます。
 2018年上半期の輸出は13.3%増と好調でした。EU向けは13.7%増、米国向けは27.4%増でした。観光セクターも、2018年1~7月の中国員観光客が72.6%も増加したことに支えられて、訪問客数は11.1%増と好調でした。
 物価上昇率は、国際原油価格の上昇にも関わらず、2018年上半期で2.4%と安定的でした。このため、2018年の物価上昇率を2.6%(前回予測3.2%)、2019年を3.0%(前回予測3.5%)と、予測を引き下げました。
 経済の好調により、輸入も拡大しており、経常収支の赤字(対GDP比)は、2018年12.1%(前回予測11.1%)、2019年11.8%(前回予測10.8%)と若干増加するものと見られます。しかし、外国直接投資が好調のため、総合収支は黒字を維持しています。このため、外貨準備は2018年7月現在で91億ドル(約1兆300億円)と輸入の6か月分以上と十分なレベルにあり、2018年末には100億ドル(約1兆1300億円)を突破するものと見られます。
 リスクとしては、対外要因は、米国金利の上昇、国際金融市場の動揺等を挙げています。国内要因としては、最低賃金の予想以上の上昇を挙げています。

アジア開発銀行のサイト(和文)
https://www.adb.org/ja/news/growth-holding-asia-and-pacific-trade-tensions-pose-risks



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする