カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

水祭り2024 大盛況

2024年11月17日 | 社会・風土
 11月14日から16日までは「水祭り」の3連休(日曜日も併せて4連休)でした。プチュンバン(お盆)とは逆で、地方からたくさんの人たちがプノンペンに集まります。新型コロナの影響で、2020年~2022年はイベントが開催されませんでした。2023年に4年ぶりに再開され、今年も様々なイベントが行われて大いに盛り上がりました。観光省の発表によりますと、最初の二日間だけで430万人の人出があったとのことです。
 今年も、伝統のボートレースが大々的に行われて、多くの観客を集めました(写真上)。ボートは細長いもので、座って漕ぐタイプや、立って漕ぐタイプ等があります。この時期のトンレサップ川は、結構速い流れで、ボートは気持ち良いスピードで進んでいました。
 リバーサイドには、出店や物売りが集まり、楽しい雰囲気です。芝生にゴザを敷いて楽しむグループや家族連れも見られます。王宮前には、外国人観光客が無料で入れる特別席も設けられていました。夜になるとリバーサイドは多くの人出で、華やかなエレクトリカル船や花火、王宮のライトアップ等で盛り上がりました。

王宮前の広場は、多くの人出でごった返していました。


大々的な花火は、町中からもよく見えました(写真は読者様ご提供)


ボートレースでは様々なカラフルなボートが数多く参加していました。



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老舗の居酒屋さん 空夢

2024年11月16日 | 生活環境
 プノンペン中心部252通りにある老舗の居酒屋さん「空夢(そらん)」です。最近、リノベーションして、いい感じになっています。店内は、ソファー席もあって落ち着いた感じです。メニューはとにかく種類が多くて、選ぶのに困るくらいです。スタッフの人たちも、長年の経験もあって、フレンドリーでいい感じです。今回は、人数も多かったので、おつまみ各種(写真上)、南国鯛のフライ、お刺身、焼き鳥、とんかつ、カレー等をお願いしました。いずれも美味しくてビールも進みました。アルコールも各種揃っています。飲み放題もあります。お値段はリーズナブルです。お客さんは、日本の方や地元の方が多いようです。お勧めです。ぜひお立ち寄りください。

空夢(そらん)
https://web.facebook.com/SoranRestaurant

いつ食べても美味しく感じる焼鳥やお刺身


サクサクの南国鯛のフライ


プノンペンカレークラブお墨付きのカレー



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伸び悩みが続くカンボジアの銀行貸出 国際通貨研究所レポート

2024年11月15日 | 経済
 11月8日、国際通貨研究所は、「伸び悩みが続くカンボジアの銀行貸出」と題するレポートを公表しました。著者は、小宮佳菜上席研究員です。レポートでは、カンボジアの金融セクターの貸出動向と健全性について概観し、今後の展望と課題を整理するとしています。
 カンボジアの経済概況については、「縫製品や太陽光パネルを含む電気機器・部品など製造業は堅調なものの、コロナ禍での行動制限や観光客数の急減に伴い低迷した宿泊・飲食サービスはまだ回復途上であるほか、不動産や建設は中国からの投資減速や中国人観光客の戻りが遅れていることもあり、過剰供給と需要低下に伴い低迷が続いている。」と分析しています。
 銀行貸出は、中国経済の低迷や不動産市場の停滞に伴う景気減速を背景に、卸売・小売や家計向けが減速し、2019年をピークに急速に伸び悩んでいます。
 健全性については、信用拡大が急速に進んだカンボジアでは、2010年代、銀行の不良債権比率は2%前後で安定した推移が続いたものの、2022年以降は大きく上昇し、2024年6月末時点で6.8%となったとしています。特に、不動産・建設業の不良債権比率が全セクターの平均を上回っていることに加えて、不動産会社が提供する住宅ローンなど未報告の不良債権が拡大しているという指摘もあり、実際の不良債権比率は公表値を大きく上回る可能性があると指摘しています。
 しかし、中央銀行が定める健全性指標を見てみると、2023 年末時点で、銀行の流動性比率(LCR)は167%と中央銀行規制値の100%を大きく上回っているほか、自己資本比率(CAR)も20%台と中央銀行規制値の15%を超えるなど一定の水準を維持しているとしています。
 今後の展望としては、不良債権比率が上昇する中、銀行の貸出条件が厳格化していることに加え、中国経済の低迷や不動産市場の停滞に伴い、当面は銀行貸出は伸び悩みが続くとみられると見ています。
 中央銀行には、金融機関の不良債権のモニタリングに加え、不良債権処理を後押しすることが求められると提言しています。
 カンボジアの金融セクターについて、短くまとまったレポートです。ご興味の方はぜひ全文ご一読ください。
(写真は、商業銀行大手のACREDA銀行本店)

国際通貨研究所のサイト(和文です)
https://www.iima.or.jp/docs/newsletter/2024/nl2024.36.pdf


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世界保健機関 結核報告書2024 日本もカンボジアの結核対策を支援

2024年11月14日 | 経済
 10月29日、世界保健機関 (WHO) は、世界結核報告書2024を公表しました。報告書では、2023年に新たに結核と診断された患者数は、全世界で約 820 万人(2022年750万人)に増加したとしています。結核関連の死亡者数は 2022年の 132 万人から 2023年には 125 万人に減少しましたが、結核は 2023年も依然として、新型コロナを上回る感染症による死因のトップとなっています。
 カンボジアは、結核対策の成功国と言われています。結核による死亡者数は、2000年の42名/10万人から2023年には23名へと45%減少しました。また、新規患者数も2000年の579名/10万人から2022年には320名へと45%減少しました。
 この減少は、カンボジアが国を挙げてDOTS戦略を進めてきたことが要因とされています。現在、結核については、特効薬があり、6ヶ月間毎日薬を飲むことで完治します。そこで、なるべく早く結核患者を発見し、毎日薬を飲んでもらうことが必要となります。結核と判定された場合、6ヶ月間の薬は無料で提供されます。毎日きちんと薬を飲むことが大切なため、DOTS(病院や保健センターまで患者さんに来てもらい、先生や看護師さんの目の前で薬を飲んでもらう方法)が採用されています。
 カンボジアの結核撲滅には日本も長く協力しています。カンボジア国立結核センターは、結核に関するレファラル病院の頂点に位置し、結核の予防、発見、治療に取り組んでいます。現在のセンター(CENAT)は、2001年に日本の援助で建設され、その後も日本から多くの専門の先生方が来られ、その活動を支援しました。
 フン・マネット首相は、結核を撲滅するまで、様々な関係者の努力と協力を求めたいと述べています。日本等の支援を活用しつつ、結核等の疾病について地道な努力を継続的に積み上げていくことが必要であり、カンボジア政府をはじめとした関係各方面の継続的な対策が期待されます。

ブログ「カンボジア経済」2008年3月16日「カンボジア国立結核センター」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/5f62a4fc246c07f4c2b301803393fe68

日本WHO協会のサイト
https://japan-who.or.jp/news-report/2411-7/


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称号オクニャに関する勅令を改正 基準を厳格化

2024年11月13日 | 経済
 10月23日、国王陛下から授与されるオクニャの称号に関する勅令を改正する勅令が発せられました。オクニャは、カンボジア国王から民間人に贈られる高貴な称号で、3種の階位があります。オクニャの称号は、財閥のトップ等、経済活動等に目覚ましい功績をあげた民間人に与えられるもので、2023年6月現在で1299人がオクニャと呼ばれているとのことです。
 改正の理由は、一部のオクニャが、称号をビジネスを行う手段として使用したり、違法行為を行ったりしたケースがあり、オクニャのタイトルの評判を傷つけないようにするには、厳格な法律を施行する必要があるためと見られます。
 今回の勅令では、「オクニャは、カンボジア王国の憲法、法律、法的基準を尊重し、高い道徳的基準を堅持し、オクニャの称号に関連する名誉と尊厳を傷つける活動を慎まなければならない」と定められています。また、重大な刑事犯罪の場合、称号を取り消すことができると規定しています。
 称号を得るために必要な寄付が金額も大幅に引き上げられています。Lok Neak Oknha は 4 億リエル (約10万 ドル)から160億リエル(約400万ドル)に、Neak Oknha は 6000 万リエル (約1万5000 ドル)から40億リエル(約100万ドル)、Oknha は 3200 万リエル (約8000 ドル) から20億リエル(約50万ドル)へと引き上げられています。
 カンボジアン・ドリームを体現して、成功を収め、財閥のトップ等となったオクニャですが、商売上のいざこざや、私生活での問題が話題となることもあります。他方、与党にとっては、重要な献金者でもあります。フン・セン前首相は、オクニャ同士の争いの調停に頭を悩ませたことも多かったと言われます。最近も、オクニャ協会会長を務めているリー・ヨン・パット氏が特殊詐欺への関与を理由に米国から制裁を受けるといった事態も起きています。
 勅令を改正したのは、オクニャの行動を律するとともに一般国民の怨嗟を和らげるといった狙いもあるものと見られます。すべてのオクニャが、品位と名誉を尊重した活動を行っていくことが期待されます。
(写真は、カンボジアオクニャ協会のフェイスブックより)

カンボジアオクニャ協会のフェイスブック
https://web.facebook.com/CambodianOknhaAssociation


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2024年第3四半期 小企業貸付報告 不良債権が増加

2024年11月12日 | 経済
 10月28日、カンボジア信用機構(CBC)は、小企業貸付指標四半期報告(2024年第3四半期)を発表しました。CBCは、不良債権を防止する目的で、金融機関から集めた企業情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、小企業貸付申請状況、小企業貸付状況、小企業貸付の不良債権情報等を取りまとめています。この報告書(Small Business Credit Index)は、2024年第1四半期から発表されています。
 今回の報告では、小企業貸付申請については、対前期比で、件数は5.7%増の約58万件、金額は9.9%増の126億1700万ドルとなりました。その件数の内訳は、運転資本20.0%増、農業20.8%減、アセット・ファイナス14.4%増、建設16.3%減、その他8.5%減となっています。
 小企業貸付状況では、貸付口座数が、対前期比0.5%減の約185万口座となっています。残高は、前期末比1.4%増の346億9000万ドル(約5兆3420億円)となりました。
 不良債権比率は、2024年第2四半期8.3%から第3四半期は9.0%に上昇しました。内訳は、運転資本10.0%、農業6.8%、アセット・ファイナス8.4%、建設20.0%、その他4.3%となっています。借入人の30.4%が複数の機関から借り入れを行っています。長引く不動産不況の影響もあって、不良債権比率が上昇しており、警戒水域に入っています。特に建設向けの不良債権が大きいことが懸念されます。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構のサイト(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/news-release-detail?news_id=b5354396-39bc-4d94-a996-6317e147d1b8



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カンボジア 独立記念日2024

2024年11月11日 | 社会・風土
 11月9日は、カンボジアの第71回の独立記念日でした。1953年11月9日に、故シアヌーク前国王陛下のご尽力(「独立十字軍運動」と呼ばれています)により、フランスからの独立を果たしました。独立を目指して1953年4月から5月にかけて、故シアヌーク前国王陛下は、フランスから、カナダ(モントリオール)、アメリカ(ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、ホノルル)を経て、日本(東京)まで、各国で独立キャンペーンを行われました。
 日本では、昭和天皇陛下ともお会いになっています。日本も外務省を中心に様々な協力を行いました。この東京滞在中にフランスから大きな譲歩を勝ち取り、5月13日に帰国され、半年後に独立宣言に至りました。なお、ご帰国当日にシハモニ国王陛下が誕生され、故シアヌーク前国王陛下は「東京は素晴らしい」として、お生まれになったばかりのシハモニ国王陛下の幼名を「トーキョー(トキオ)」と名付けられたとのことです。
 第二次大戦末期の日本軍による仏印処理(1945年3月~)により、インドシナ3国は独立を認められ、カンボジアも1945年3月12日に故シアヌーク前国王陛下が王位につかれて、独立を宣言しました。しかし、終戦後にフランスに再進駐され、再度フランスの保護国となってしまいました。それでも、故シアヌーク前国王陛下は、日本の支援を受けた1945年のこの独立が果たした役割は大きかったと述懐されていたそうです。
 独立記念日には、独立記念塔で記念式典が開催されました。シハモニ国王陛下、フン・マネット首相他多数が参加しました。今や、米中冷戦の狭間にあって、綱渡り外交を続けているカンボジアですが、覇権国に飲み込まれることなく、真の意味での独立を維持していくことが重要と見られます。
(写真は、プノンペンの独立記念塔で開催された記念式典。AKPより)


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年11月11日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

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プノンペンで町中華 カンニャラーメン居酒屋

2024年11月10日 | 生活環境
 プノンペン中心部ノロドム通り近くの町中華「カンニャラーメン居酒屋」です。場所はノロドム通りのチップモンモールの向かいのガソリンスタンドの角を曲がってすぐのところです。お店はローカルな造りで、オープンな感じです。メニューは、ラーメンや餃子、チャーハンや炒め物と、町中華メニューです。日替わりのメニューは店内の白板に書いてあります。日本の方と横浜中華街で修行したチョーさんが料理してくれます。今回は、餃子、ニラともやしの卵炒め、回鍋肉、ワンタンスープ、チャーハン等をいただきました。これぞ町中華という感じで良かったです。お勧めのワンタンスープ(写真上)は、手作りのもちもちの皮も美味しく、南国鯛のスープにもマッチしていました。餃子は冷凍もあってお持ち帰りもできるそうです。お客さんは、地元の方と日本の方が多いようです。お勧めです。お試しください。

カンニャラーメン居酒屋
https://web.facebook.com/profile.php?id=61564912465656

味噌ラーメンと手作り餃子。味噌ラーメンは分厚いチャーシューの下に野菜もたっぷりで嬉しいです。



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老舗のカフェ Deja Café

2024年11月09日 | 生活環境
 プノンペン南部135通り沿いにある老舗のカフェ「Deja Café」です。かなり昔からあると記憶しています。店内は、昔ながらの感じですが、ゆったりとした雰囲気です。最近のカフェ風ではないところが逆に落ち着く気もします。メニューは、ドリンク中心ですが、フード類もいろいろあるようです。コーヒー豆を自家焙煎しているそうで、豆も売っています。今回は、名物の水出しコーヒーをお願いしました。日本人的には、醤油の瓶という感じのプレゼンですが、しっかりとしたコーヒーでした。お客さんは地元の方が多いようです。お近くにお出での際はお試しください。

Deja Café
https://web.facebook.com/DEJA.CAFE.KH

独特なプレゼンの水出しコーヒー(Cold Brew)


落ち着いた感じの店内



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2024年第3四半期 カンボジア信用機構報告 不良債権が増加

2024年11月08日 | 経済
 10月28日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2024年第3四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は37%増、金額は2%増となりました。その内訳は、個人向け貸付が件数39%増・金額2%増、住宅ローンは件数1%増・金額2%減、クレジットカード利用は件数74%増・金額83%増となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比5.6%増の約202万人となっています。残高は、前期末比0.9%増の154.6億ドル(約2兆3800億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、2022年第1四半期2.35%、第2四半期2.47%、第3四半期2.60%、第4四半期2.51%、2023年第1四半期3.28%、第2四半期3.96%、第3四半期4.71%、第4四半期5.14%、2024年第1四半期6.03%、第2四半期6.22%、第3四半期6.35%と推移しています。借入人の30.0%が複数の機関から借り入れを行っています。長引く不動産不況の影響もあって、不良債権比率が上昇しており、4期連続で5%を超えて警戒水域に入っています。
 新規貸付需要は新型コロナの国内感染の拡大を受けて2021年~2023年は概ね横ばい状態でした。2024年第2四半期は減少に転じましたが、第3四半期は増加となっています。不動産不況の影響を受けて、住宅ローンが伸び悩んでいるのが目立ちます。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構のサイト(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/news-release-detail?news_id=92f47f7f-f6c2-49fe-b6f7-d0581f6cdd22


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カンボジアのマイクロファイナンス 貸付伸び悩み 不良債権増加

2024年11月07日 | 経済
 11月4日、シェムリアップで、2024年カンボジアマイクロファイナンス年次会議が開催されました。今年のテーマは「持続可能で包摂的なマイクロファイナンス:現状と将来」です。会議には、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行関係者や、マイクロファイナンス機関の関係者等300名以上が参加しました。
 カンボジアマイクロファイナス協会によりますと、2024年9月末現在で、貸付残高は、約51億1000万ドルと2023年末から1%しか増加していないとのことです。預金残高は、約22億ドルで2023年末比4.8%増となっています。マイクロファイナス機関数は132機関で、そのうち4機関のみが預金受入を認可されています。
 他方、不良債権比率は、2023年末の5.9%から2024年9月末には8.7%にまで上昇してきており、懸念されます。
 カンボジアの農村部等で金融アクセスが難しい状況にある人々にとって、マイクロファイナンスは重要な役割を果たしています。また、金融リテラシーが不十分な借入人も多く、高利貸し等の非公認金融による被害を防止する観点からも、中央銀行の監督を受けている公認のマイクロファイナンス機関の役割は大きいものがあります。
 カンボジア国立銀行が商業銀行並みの金融監督を行っている預金受入認可マイクロファイナンス機関は、十分な体力があり、今のところ健全性を維持しているものと見られます。他方、中小のマイクロファイナンス機関については、今後とも中央銀行による十分な監督が必要なものと見られます。
(写真は、カンボジアマイクロファイナンス協会のフェイスブックより)

カンボジアマイクロファイナンス協会のフェイスブック
https://web.facebook.com/CambodiaMicrofinanceAssociation


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第30回ASEAN貿易円滑化共同協議会 ステークホルダー会合

2024年11月06日 | 経済
 10月24日、ASEAN事務局は、インドネシア・ジャカルタで第30回ASEAN貿易円滑化共同協議会(ASEAN Trade Facilitation Joint Consultative Committee)に合わせて、産業界の意見を求めるステークホルダー会合を開催しました。産業界からはASEANビジネス諮問評議会(ASEAN-BAC)、EU-ASEANビジネス評議会や米国ASEANビジネス評議会、英国ASEANビジネス評議会、ジェトロなどが出席しました。ASEANの貿易円滑化に関して、産業界から改善要望を行い、ASEAN事務局が回答したとのことです。
 ASEANシングルウィンドウ(ASW)を通じたASEAN税関申告書の電子交換については、カンボジアを含む9カ国で稼働していますが、残るラオスについては、2024年中の稼働開始を目標としています。
 「ASEAN加盟国間での認定事業者(AEO)相互認証取り決め(AAMRA)」については、インドネシアの税関による運用が2024年10月1日から開始されました。フィリピンでは、2024年中の運用開始が期待されます。残るカンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーについて、2025年中の運用開始を目指すとしています。AAMRAには、迅速な貨物の通関、ASEAN域内で取引される商品の貨物検査に関する優先処理等のメリットがあります。
 この他、ASEAN加盟国は、急送貨物やeコマースで購入した貨物の取り扱いについて、「eコマースデータに係る情報交換に関するガイドライン」を策定中で、2025年中に完成予定です。
 カンボジアにとって、ASEAN加盟国等の周辺諸国との貿易手続きの円滑化は、重要な課題となっています。カンボジアに進出している日系企業にとってもメリットの大きい円滑化が、ASEAN全体で進むことには大きな意義があるものと見られ、引き続き改善が続けられることが期待されます。
(写真は、カンボジア・タイ国境で建設が進められているストゥンボット国境施設)

JETROの発表
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/11/4fc1694beab8f833.html


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2024年高校卒業試験 グレードA獲得者数大幅増加

2024年11月05日 | 経済
 10月30日、カンボジアの統一高校卒業試験(10月8~9日実施)の結果が発表されました。受験者数約13万人のうち、79%(2023年73%)の10万6351人(同9万8460人)が合格となりました。また、合格者のうち最も優秀なグレードAは2216人(2022年1049人、2023年1673人)、これに次ぐグレードBは9701人、グレードCは2万2675人、グレードDは3万6683人、グレードEは3万5076人となりました。
 カンボジアの高校卒業試験は、現在のハン・チュオン・ナロン教育大臣が改革するまで、カンニングや試験問題の漏洩等の不正が多数あったと言われます。このため、改革初年の2014年の合格率は27.5%に激減しました。しかし、この改革により、学生もきちんと勉強するようになり、合格率は2015年の56%から今年は79%にまで回復してきています。また、優秀な成績のグレードAも、2014年にはわずか11名でしたが、今年は2216人にまで増加してきています。今年も、合格者数、合格率、共に順調に増加しており、試験改革の成果が十分に浸透してきているものと見られます。
 カンボジアにとって、優秀な人材の育成は、最も重要な政策課題であり、高校卒業試験に合格した学生の大学進学と更なる研鑽が期待されます。
(写真は、AKPより)



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初のカンボジア・韓国官民対話会議

2024年11月04日 | 経済
 10月24日、プノンペンのカンボジア開発評議会にて、初のカンボジア韓国官民対話会議(Cambodia-Korea Public-Private Sector Dialogue)が開催されました。スン・チャントール副首相兼カンボジア開発評議会第一副議長と韓国のパクジョンオク大使が共同議長を務めたとのことです。会議には、カンボジア政府関係省庁、韓国国際協力団(KOICA)、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)、韓国商工会議所等の関係者等が参加しました。
 この対話会議は、すでに進出済の企業の課題の解決を図ることにより、投資環境の整備を進め、新たな投資誘致を目指すものです。カンボジアに投資する韓国の投資家が直面する様々な課題に耳を傾け、解決を目指すとともに、カンボジアを投資対象として検討している韓国の潜在的投資家の信頼を得ていくことを目的としているとしています。
 スン・チャントール副首相は、会議での発言で、この対話は韓国の投資家の懸念や課題に対してカンボジア政府が真摯に取り組んでいる一環であると述べました。また、最近の投資動向やオンラインでの投資申請等を可能にする投資プロジェクト管理システム(cdcIPM)等についても説明しました。
 これまで、カンボジア政府とこうした会議を行っていたのは、日本だけでした。日本とカンボジアは、投資協定に基づき、これまで約15年間で28回の協議を重ね、様々な課題を解決し、投資環境の整備に貢献してきました。韓国も日本のこうした活動をうらやましく思っていた模様で、今回ようやく初の対話会議開催にこぎつけたと見られます。9月17日には欧州との官民対話会議、9月19日には米国との官民対話会議も開催されており、カンボジア政府と各国の協力により、カンボジア投資環境の改善が図られていくことが期待されます。
(写真は、AKPより)



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