東京自由大学「こころをめぐる冒険」
宗教と接するような心理学
コーディネーター:島薗進
永井玲依×竹之内裕文 コーディネーター:島薗進
諸富祥彦×勝田茅生 コーディネーター:島薗進
勝田茅生氏 「満たされた気持ちで生きるために」 資料
フランクルの生涯を通しての目標
人生が成功した場合、失敗した場合、どうなのかの両面から。
人生をどう見ているか?
何をやってもうまくいかない⇔人生に満足している。
①人間関係の破綻
②計画実行の際の失敗
③差別に遭う
④私的財産や社会的権利の喪失
⑤天災や人災による居場所の喪失
⑥人権や尊厳の喪失
⑦病気による健康の喪失
⑧大切に思う人の喪失
挫折の状況には2種類
①自分の力でその不幸と闘い、状況を変えることができる場合
②自分の力ではどうすることもできない不幸で運命的な状況
⇒そこにも何らかの「意味」を見出そうとする「態度価値」の実現
1921年 個人主義心理学会から追放される
⇒ウィーン市のプロジェクトに加わり、青少年を対象とした心理相談所開設
1938年 ナチスが入って来て、心理治療所を閉鎖
いろいろなユダヤ人の活動が制限される
過去にそのような貴い体験を評価する
1941年 米国への亡命申請
許可が下りたが、自分が亡命すると両親が収容所にすぐに送られる
1942年 家族と共に、テレ―ジェンシュタット強制収容所に移送される。
①新しく到着した被収容者を勇気づける
②被収容者対象の講演
③力を失くした人のメンタルケア
④父親を看取る
1944年 選別のためアウシュヴィッツへ移送
ロゴセラピーの草稿を没収される。
⇒自分の身でロゴセラピーをの有効性を試すようにに要請されている。
自らの苦悩を母親が苦しまずにいてくれるために捧げる=
「愛」による奉仕の中に意味を見出す
自分の苦しみに意味を与える。
1944年4月 フランクルは発疹チフスに感染
高熱が出た後、せん妄状態を防ぐために、没収された原稿の概要をメモに書きつける
=精神の反抗力の活性化
態度価値の実現
母親と妻ティリーの死亡の事実を知る
⇒愛が死を超えて、永遠い存続することを信じる
⇒自分だけが生き残ったことの意味を探ろうとした。
態度価値の実現を通して、今の状況を超える「新しい意味」を発見できる
挫折⇒
挫折感、絶望感、疲労感、意味の喪失
ところが恵まれた生活にもかかわらず・・・
・すべてに不満足
成功側にいても不満な人の基本姿勢
①自分が恵まれていることに気付かない
②恵まれない人が多くいることに気付かない
③自分た恵まれない人を助けることができることに気付かない
まなざしがいつも自分に向かっている⇒「過剰自己観察」
いつもきになるのは
・自分の容姿など自分のこと
自己中心的
自分に関心のあること
否定的な・悲観てな世界観 いつも黒石を探している
嫌なことから目を背ける
過度な飲酒や麻薬による現実逃避
強い刺激を求めようとする
自分自身に不足しているものに目を向ける
自信喪失、劣等感、過度の権力志向
権力者や勝者に対して卑屈になる
自分より弱い者に対する思いやりがない
まなざしを外へ向ける(⇒過剰自己観察消去)
白い石を探す習慣を身につける(⇒感謝の気持ち)
誰かのために、何かのために役立てる
苦しむ人の思いを馳せる
ドイツ語の愛は慈しみの愛
孤独で空虚な天動説の考えから、意味を中心として自分のできることに目を向ける。
それにより、自分の生きる意味がある。
「私が生きていることには意味がある」
意味に満たされた充足感
やってきた人に既に受容性があると、すぐにわかる。
あなたが生きていることには意味がある。
そうするとそう人は短期間でカウンセリング終了する。
カウンセリングで金儲けしたい人は、ロゴセラピーを選ばない方が良いかもしれない。(笑)
諸富祥彦氏 「気づきと学びの心理学」 資料
人間性心理学
フランクルの読書会 キャンプファイヤー
生き方を整えるのに、フランクルと森田正馬の本は読むだけで力を与えてくれる。
生き方、あり方を整える心理学
大学の教授は怪獣みたい。心理学の先生に多い
争うとくよくよする
そんな時夜空を見て、天から問いかけに、自分は答えているかを考える。
見えないもの、フランクルは人生から問いかけられている。
その問いを全身で答えていくのが人間である。
それをフランクルから教えてもらった。
それをひたすらやります。
気が向いたときだけでも効果がある。
自分という全体で
心を整える連載を行った。
天からの垂直
ところが人は水平で苦悩している。
京都大学の修士卒論のフランクルが素晴らしい。
皆滝沢克己を通したフランクルから学んでいる
フランクルを高く評価している。
目覚めていないだけ。
滝沢克己はフランクルに会いに行って、考えは自分と同じと実感した。
その人論文を読んでフランクルを理解している。
人生を問うのは傲慢だと。
人は元々問われる存在だと。
応えるのが本来。
最初の文献、苦悩の存在、意味と使命を同じに使っている。
あり方を整えていたら、いろいろあってもよい。
人生で3回自殺を考えた人間(諸富氏自身)
NHKの収録でその話をしたらカットされた。
人生をどのように生まれ変えられるかを考えていた。
人間は醜い。7年間自分を追い込んだ。
3日飲み食いしなかったが、見つからない。
仕方なく仰向けに寝たら、命の渦が天井に見えた。
「俺が本体だ。お前は仮りの姿だ」と
自己分析をした。論文6,000枚書いた。
命からの問いかけ。ああでもないこうでもない。
滝沢克己に「傲慢だと」言われたように感じた。
それが後にトランスパーソナルに向いた。
当時ニヒリズムだった。八木誠一 ニヒリズム
自分に起きたことが分からなかった。
宗教哲学に入ってわかった。
フランクル読んでなかったら死んでいたかもしれない。
人生からの問いかけを引き受ける。答えていく。これに専念する。これに徹底する。
これまで重力で生きていたのから一気に変わった。
1980年代のフランクルの発表は曇っていたと専門家が言っていた。
評判が悪かった。
フランクルを勉強している人にはいろいろな人がいた。酷かった人もいた。
夜2時に電話かかってきて、3時間説教されたこともあった。
エガが強い。フランクルの専門家は酷かった。
勝田先生は、フランクルが亡くなってから学ばれたので良かったのでは。(笑)
親和女子大でフランクルをやっている人はとてもよい人(広岡義之?)。
二人でフランクルの学会立ち上げて横のつながりと持つことを考えたが、誰がトップに立つか。適切な人がいなかったので、全体の集まりは持てなかった。
島崎進×勝田茅生×諸富祥彦のパネルディスカッション
人生から問われている
フランクル自身は人間を超えたものを考えたいたけど、天とか神の言葉は使わなった。
究極の意味とか、その表現は使っていない。
見えない何かから、
フランクルはスピリチュアルは嫌っていた。
高校2年、大学2年、もう一つは別の理由から自殺を考えた。
わけわからない体験。
分からない体験が、自殺から脱却できた。
でも言葉にしないといけない。そのとき、フランクルの「人生から問われている」が助けになっている。
フランクルは哲学的な立場から説明していたが、実際のセラピーは具体的。
その人の状況から何を求められている。それを見つけることが大切
「あなたは自殺しようと思っているのか」
「家々考えていない」
「母のために生きないと」という人は死なない。
出も具体的に出てこない人はリスクがある。
「何かから問われている」
答えていることだけ
信仰は仰ぐことになる。
日本人は瞑想しよう。内側を見る。魂が求めている
いろいろ計画していて、でもいろいろ出会うがそれはフランクルの言っている意味ではない。
自己実現をフランクルは嫌う。それを実現しても空虚。自分が求められていることが優先。
内村鑑三
自分が後世に残すものとして「思想」を言っている。
カーライ
歴史の本に書いた記事をメイドさんが燃やしてしまった。
「もう一度書こうとする気持ちは後世に残せる」と言っている。
歌『故郷』の3番
「こころざしをはたしていつの日から帰らん」
立身出世の歌だと思っていた。
志はその人が一生考えていた、ミッションとつながっていないだろうか。
つながると思う。
意味というのは魂の故郷だと。
人間がこの世に生まれたときから既にミッションを課せられている。
フランクルは志は意味。
宗教性を減らすために意味と
魂の意味を見つけるワーク
フランクル自身が自分から自分の意味を問いかけることはナンセンスだと。
その時その時に、自分のミッションを受けとめる。
意味の正しいのは一つしかない。超主観 ヤスパー限界、答えがないようなとき、超越者が出てきて考える。
自分を超えるものがあって、そのつながりを見つける。
日本人は横の承認欲求に生きてきた。横の軸がなくなると垂直軸を生きて生きる。
一番フランクルが神とか言っていなかったので、スーッと入ってきた。
黒石と白石の考え方がわかりやすく思った。
ミッションが見えてくるのは白い石が見えてくる。
状況によって違うが白石がいろいろある。宗教だと白石が決まっているが、ロゴセラピーでは自分が選ぶ。
20年前にロゴセラピーを初めたころ、日本はキリスト教の考えがないから広がらないと言われた。
しかし、医療の専門家として学ぶ人よりも苦難を体験した人がロゴセラピーの学びが進むにつれて明るくなる。
求めようとの強い意思が大きい。
宗教団体の人と話しをするが、昔は前世のが現世に現れていると考えたが、今は自分が選んで生まれてきたと考えている。
カミユのペストには疫病も神の試練だと言う人が出てくるが、何のための試練なのか?
フランクルの意味は状況の意味、子どもが溺れている。その場合、助けるとの意味をその人が見つける。
もう一つは究極の意味、普遍的、それが共通
苦しみぬいて苦しまないと、なかなか見えてこない。
避けられる苦悩は避けましょう。
本来苦しむべきことを苦しむ。
津波で子どもが流された。それに意味があるのか。
どんな状況にも意味がある。考え方次第で意味づけることができる。
フロアーからの質問
Q1 『夜と霧』大好き。フランクルのなにかエピソードがあれば
A1
K)フランクルはユーモア、友だちを集めて、自分の小ばなしを何度もしている。
フランクルは聖人ではない。フランクルは人を見る目がなかったのでは。
M)フランクスはアントニオ猪木似ていて、講演でもエネルギッシュ
フランクルは可愛い女の子が大好き
Q2 翻訳論でフランクルを知って学んでいる。文学の中にPTSDが出ている。フィクション性が助けになる。文学性、フィクション性をどうフランクル考えているか?
A2
K)フランクルが芸術を心理学的に解釈するのはよくあい。
芸術には価値はある。認めていたかと。
ベートーベン大好き。ゲーテを好き。
M)心理学者はゲーテは***と言っているがとんでもない。
それを心理学的にみるのは違うと。
Q3 『ヨブ記』とフランクルの解釈の仕方
M)「なぜ私だけが苦しむのか: 現代のヨブ記」H.S. クシュナー著
その答えはフランクルに近かった。
参考;
K)ユダヤ教は神が試練を与えると考える。
それでも神を信じる。
ヨブがどう応えるか。
Q4 お二人が好きなフランクルの本は?
M)「苦悩する人間」超思考のところに惹かれる。
K)『死と愛』が好き。強制所から解放され最初に書いた本で、フランクルの思いが詰まっている。
感想;
とても楽しく、学ぶことが多いセミナーでした。
100人前後参加されていたかと思います。
リモートでの参加も。
天災や病気など過酷な試練。
それには意味がないが、それにどう応えて生きるか。
選択肢によって意味が生まれてくるようです。
何を選択するかの自由があります。
ロゴセラピーはセラピーというより、エデュケーション、自分の人生をより良くしていくためのヒントを与えてくれるセラピーとの考えをさらに実感しました。
諸富祥彦先生の本は多く読んでいましたが、講演を聞くのは初めてでした。
ユニークな先生ですね。
紹介されていた滝沢克己氏の本を早速1冊図書館で予約しました。