自殺者1万人を救う戦い - SAVING 10,000 - Winning a War on Suicide in Japan .
Rene Duignan(レネ・ダイグナン)さんはアイルランド出身で駐日欧州連合代表部の経済担当官として働きながら、休日の時間を使って3年かけて作ったそうです。
自殺を私たちの問題として考えるよいビデオです。外国人が見た、日本人の自殺者が世界と比べて多い、多いのは日本の文化か、自殺を助けている社会のシステム、対策を取らないことへの疑問など取り上げられていました。
・青少年健康センター 斎藤友紀雄会長は友達をJR鉄道自殺で10年ほど前に亡くしたそうです。その時、JRより遺体処理などの費用で600万円ほど請求され、家族は払ったそうです。鉄道自殺があると、止まっている時間、他の交通手段に流れるなどで7,000万円の損失が生じるとのことでした。
・生命保険の受け取りの何割かが金を貸しているところへ支払われている。生命保険は入ってから1年(保険により2年など)経過すると生命保険が支払われる。これがあるために、自殺を選択する人がいることへの取り組みがない。自殺での保険金支払いの40%は家族以外の第三者が受け取っているそうです。
・日本人作家は他の国の作家に比べ自殺者が多い。
・自殺者を報道すると、当日、翌日など自殺者が増える。そのため報道を控えるようにお願いしているが・・・。英国などでは控えている。
・自殺マニュアルの本が何故売られているのか?(今は販売禁止になりました)
千葉いのちの電話の公開講演会があり、Rene Duignan氏が講師でした。参加しましたので少し紹介します。
よい友達が自殺しました。その人は話をしたかったのでした。アパートの隣の人でした。聴くことはとても大変でした。とうとう最後には無視しました。その人はドアを何度もノックしました。30代女性でした。部屋で静かにしていたら、メモをドアの下から入れて戻りました。メモにはメールアドレスと電話番号が書いてありました。“またね”と。2~3か月後、彼女は自殺しました。とても後悔しました。誰か専門家に相談すればよかったのではなかったのかなど。
その友達の自殺後、日本の自殺について1年勉強しました。そしてビデオを撮ることを決めました。奥さんが「えっとあなたが撮るの」と驚かれました。3人で撮影しました。
ビデオ(52分)の初めは、相談機関(いのちの電話と思われる)には、30~40回かけないと電話がつながらないから始まりました。それだけ相談したい、話を聴いて欲しい人がいる。世界中で毎年100万人が自殺で死んでいる。日本では3万人が死んでいる。
1年間、日本の自殺について勉強し、自殺防止の映画を作りたいと思い、ビデオ制作会社に話をしました。お金を払いますから撮って欲しいと相談しました。ビデオ制作会社は自殺の映画を作りたいとの意向でした。自殺した遺族のインタビューを撮り、涙を見せるようなものを考えていました。それは私には意味がなかったのです。私は自殺防止の映画を作りたいと思いました。私が講師をしている青山学院の22歳の学生がその話の中にいました。ドキュメント映画できますか?と彼に尋ねました。もちろんできますよと応えてくれました。彼はフランス人です。奥さんに相談したら、いくらになりますか?と。200万円かかりますと。私の貯金を使って撮ってくださいと言われました。
1年間で96人のインタビューを撮りました。インタビューを申し込むと、BBCですか、CNNですか?と尋ねられました。インタビューは全部で100時間になりました。もう一人24歳のウエィトレスの人が手伝ってくれました。インタビュー後に1年間かけて編集しました。
ビデオは完成したが、上映場所がありませんでした。その後のことも含め350万円かかっていました。奥さんがとても怒っている時でした。英語いのちの電話にアプローチしました。亡くなった友達のために上映会があれば嬉しい気持ちでした。運がよかったです。9月に自殺防止のイベントがありました。そのイベントで使いますと言って貰えました。そのイベントで上映会を行ったら、他のイベントの上映会依頼が来ました。そしてメディアのインタビューも来ました。CNNからインタビューが来ましたが、主旨が私の願っていたのと違いました。あなたの隣の方はどんな方でしたか?匂いはどうでしたかとのインタビューでした。
3か月後、日本のメディアの関心がありました。読売と朝日新聞に記事として取り上げられました。同じ週でした。内閣府からDVDの依頼が来ました。森大臣(自殺防止担当)から依頼が来ました。タクシーの運転手に自殺者1万人を減らす戦いのビデオを撮り、それで森大臣に会いにいくことを伝えたら、日本人の自殺者を減らすために頑張っているからお金要らないと言われました。感激しました。その後NPOからDVDリクエストが来ました。参議院会館での会合にも呼ばれました。今日が108番目のイベントです。
DVDを無料で出すと奥さんに言ったら怒られました。そこでもうお金を使わないと約束しました。秋田県で9月に日本自殺予防学会総会がありました。そこで配るとのことで自殺防止協会からDVDを600枚依頼されました。無料で提供しました。いろいろな上映会もあり、これまで計3,500枚無料でだしました。
このビデオは世界で14のノミネートがありました。もし賞をいただけると世界的なアピールになります。自殺は日本だけではない、世界的な自殺予防になります。次の映画はと質問されます。次の映画があると確実に離婚されます(会場から笑)。映画監督は引退しました。自殺は多くの原因があります。ビデオの52分でそれを十分説明することはできません。
日本は自殺問題ありますか?と質問が来ることがありびっくりします。韓国の自殺率が世界で1番、日本は4番目です。日本の自殺率はアイルランドの3倍、英国の2倍です。何で1万人を救うなのか?と尋ねられます。多くの国が取り組みにより自殺率を30%減らしています。だから日本でもできるはずです。3万人の30%なら1万人になります。一方、韓国は150%増えています。先週は韓国でインタビューありました。自殺防止は大切なトピックです。自殺は暗い話で、タブーなトピックです。でも自殺防止はポジティブな取り組みです。いのちの電話の斎藤友紀雄先生、東尋坊の自殺防止に取り組んでいる、NPO法人
心に響く文集・編集局も理事長 茂 幸雄さん頑張っています。他にも頑張っている人がいます。
1)自殺者1万人を救う戦い(これを当日放映しました)
http://www.saving10000.com/ja
2)耳を傾けて: レネ・ダイグナン(他で講演されたビデオ、ご参考まで)
https://www.youtube.com/watch?v=95hUuCICs5c
感想;
アイルランドの方が日本人の自殺防止に取り組んでいます。私はどうなのだろうと思いました。講演後、挨拶をしてDVDをいただきました。これを多くの方に伝えると約束しました。このビデオを見ていただけるだけでもありがたいです。