幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「海をあげる」上間陽子著 ”普天間基地近くに暮す著者が沖縄の日常の出来事から沖縄の実情を訴える”

2021-12-31 01:48:28 | 本の紹介
私の家の上空では、今日もオスプレイやジェット機が飛んでいる。接近する飛行機の騒音は90デシベル以上になるという。90デシベルは、隣に座るひととの会話が通じない。騒々しい工場内と同じ音だ。私はここで小さな女の子を育てている。

 秋田のひとの反対でイージス・アシェアの計画は止まり、東京のひとたちは秋田のひとに頭を下げた。ここから辺野古に基地を移すと東京にいるひとたちは話している。沖縄のひとたちが、何度やめてと頼んでも、青い海に今日も土砂がいれられている。これが差別でなくてなんだろう? 差別をやめる責任は、差別される側ではなく差別する側のほうにある。

 2018年末にはじまった土砂投入は、19年末までの1年で工程表の1%を終えたらしい。普天間基地を閉鎖するという名目でなされる、じりじりと沈む大地に杭を打つ辺野古基地のの完成には、これから100年かかるというわけだ。

 そして私は目を閉じる。それから、土砂が投入される前の、生き生きと生き物が宿るこっくりとした、あの青い海のことを考える。
 ここは海だ。青い海だ。珊瑚礁のなかで、色とりどりの魚やカメが行きかう交差点、ひょっとしたらまだどこかに人魚も潜んでいる。

 私は静かな部屋でこれを読んでいるあなたにあげる。私は電車でこれを読んでいるあなたにあげる。私は川のほとりでこれを読んでいるあなたにあげる。
 この海をひとりで抱えることはもうできない、だからあなたに、海をあげる。

感想
本屋大賞2021
 ノンフィクション本大賞 受賞
第7回沖縄書店大賞
 沖縄部門大賞 受賞
第14回[池田晶子記念]
 わたくし、つまりNobody賞 受賞!

「2021年ノンフィクション本大賞」は上間陽子さん『海をあげる』に決定――「小さな娘のそばで沖縄を生きる痛みを、どのようにしたら本土の、東京の人たちに伝えることができるのか」
https://news.yahoo.co.jp/newshack/inside/nonfiction_award_2021.html


沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではないのです。
私たちの問題なのですが、沖縄に犠牲をしいているのではないでしょうか。

沖縄は琉球国でしたが、島津藩が占領し、明治政府の時に日本になりました。
第二次世界大戦では国内唯一の戦場になりました。
多くの沖縄県民が犠牲になりました。

沖縄戦ってどんな戦争だったの?
https://ryukyushimpo.jp/statics/html/okinawasen/mn1.html 沖縄新報

沖縄戦では約20万人あまりもの人が亡くなりました。そのうち日本兵の戦死者は6万6000人、アメリカ兵の戦死者は1万2500人です。沖縄県民の犠牲者は一般住民が約9万4000人、沖縄出身の軍人・軍属が約2万8000人で、合計約12万2000人です。朝鮮半島から連れてこられた人々も、少なくとも300人以上が亡くなりました。軍人・軍属よりも一般住民の犠牲者が上回ったことが、沖縄戦の大きな特徴です。

沖縄のこと、知っているようで知らないですね。
安室奈美恵さんなど、活躍されている沖縄の方多いですが、基地の問題もあり多くの課題を抱えているようです。
辺野古基地建設で、沖縄の人が反対しているのに、美しい自然を破壊しています。
火葬場やごみ焼却場は必要です。
では、自分の住んでいる近くに建設するとなると反対です。
いったいどこに建設すればよいのでしょうか。
原発では、地元に多くの助成金が下りたり、電気料金が安くなるなどの恩恵もあるようですが。
ところが沖縄振興費が減らされています。
普天間基地移設は「最低でも県外」発言を野党時代に行い、政権取ると沖縄県内に豹変された鳩山由紀夫元首相。何とか県外で頑張って欲しかったです。

沖縄振興10年ぶり3000億円割れ=11%ダウン―22年度予算案
https://sp.m.jiji.com/article/show/2679572

2022年度予算案の沖縄振興費は西銘恒三郎沖縄担当相と鈴木俊一財務相による22日の閣僚折衝の結果、前年度当初予算比約11%減の2680億円程度とすることで決着した。13年度から9年連続で3000億円台が続いていたが、10年ぶりに大台を割り込む。
 沖縄県の玉城デニー知事は先月下旬、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事の設計変更を不承認とした。政府としては来年の名護市長選や知事選に向けて揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。

貧困率は、低い地域と高い地域に差があるようです。
その中でも得に高い貧困率となっているのが沖縄県、高知県、鹿児島県、徳島県の4県だそうです。
貧困が深刻化する日本、貧困率が高い都道府県や地域ごとの対応とは
https://gooddo.jp/magazine/poverty/asia_poverty/japan_poverty/

沖縄県
沖縄県が発表したデータによると、子どもの貧困率は2016年時点で29.9%となっており、全国平均の16.3%を大きく上回る結果となりました。2013年までのデータでも、これまでの貧困率の高さが全国平均順位2位となっています。

その背景として沖縄県では非正規雇用率が高いとされており、2018年には県内で43.1%となっています。全国的に見ても第1位であり、全国の38.2%を大きく上回っています。
また最低賃金の全国平均が901円なのに対して沖縄県は762円となっており、時給にして139円もの差が開いています。

貧困の要因として大きく見られているのがひとり親世帯であり、特に母子家庭の出現率は5.46%となっており、全国の2.65%を上回る結果となっています。

つまり沖縄ではワーキングプア層が多く、また貧困に陥りやすい母子家庭が多いことから貧困率が高くなってしまっているのです。

室井佑月「憤りを感じる」〈週刊朝日〉 ”森友問題の公文書偽造を指示したのは誰か誰もが思う人を裁判で明らかにしたくなかった”

2021-12-30 09:02:44 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/articles/545aac2bd7189f91be36a4ffc437624e522f8ef6 12/30(木) 7:00AERA dot.
 作家の室井佑月氏は、公文書改ざん問題の意外な結末に怒りを隠さず論じる。
*  *  *
 鈴木俊一財務相もまた苦しい立場に置かれてるのか。ぜんぜん同情できないが。12月15日の彼の会見を見て、そう思った。

 森友学園問題で公文書の書き換えを命じられ自死に追い詰められた、財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんについて聞かれ、鈴木財務相は、

「自死に至ったことについて国の責任は明らかとの結論に至りました」

 と認め、こう続けた。

「そうである以上、いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではなく、また決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾するとの判断に至ったものであります」

 と、その口で、「今後、二度とこうした問題を起こさないよう……」と語った。

 いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではない? 国の責任が明らかな行為が、誰の指示で行われたのか、うやむやにしたいのだろう。それを二度とこうした問題を起こさないよう、という言葉につなげるのはおかしい。それなら、最後まで訴訟を続けるべきだ。

 国を相手に2020年3月、裁判を起こした俊夫さんの妻の雅子さんは一貫して、「夫が亡くなった原因、改ざんを誰が指示したのか、一番最初に指示したのは誰か、それを知りたい」といっている。国から提出された文書は大事なところは黒塗りで、俊夫さんがまとめたファイルは21年6月まで開示されず、そして「認諾」で突如終わりとなる。

 国が雅子さん側の言い分を認め、請求された約1億700万円全額を支払うと表明(税金です)、実質的な審理に入らないまま。12月17日の「朝日新聞」の社説に、

「追及を逃れるためなら何でもするということか。人間の尊厳を踏みにじるような政府の対応に、強い憤りを感じる」

 と書かれていた。その通りだとあたしも思う。


 どうもこの国を動かしている人間の中に、とんでもない独裁者がいるようだ。官僚も大臣も、その者の手足のようだ。

つい先日も、国土交通省が8年間にわたって重要データを書き換えていたことが発覚した。

 GDPを大きく見せるためじゃないかといわれている。アベノミクスの有効性を訴えるために。厚生労働省の「毎月勤労統計」も不正調査で、実質賃金は下がっているのに上がっているようにみせていた。

 それは的確な国の未来予想を阻み、国の存続を脅かす行為である。あたしたちを守る気もない。

 なにがしたいのか? この国をぶっ壊したいのか?

 なら、着実にそうなっている。ネットで雅子さんを「しつこい」などと中傷する者が絶えない。それが、どれだけ恥知らずな行為か理解してない。この国ゆえのこの民か。


室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日  2022年1月7・14日合併号

感想
安倍元首相が言って⇒側近が財務省トップ(麻生大臣?)に行って⇒長官?⇒?⇒佐川局長⇒課長?⇒赤木さん
だと誰もが思っています。
しかしそれを明白にしたくないのでしょう。
明白にしないトップを支持した国民に問題があるのです。
明白にしなくても選挙は勝てる。
結局国民が国をダメにしているのです。

オミクロン株流行、日本では小規模で収束か? いま健康を守るために必要な議論とは "コロナ専門家が重視しない超過死亡率”

2021-12-30 08:40:08 | 新型コロナウイルス
https://www.fsight.jp/articles/-/48525執筆者:上昌広 2021年12月29日 Foresight

アジアでもオミクロン株への置き換わりは進みつつある ⓒviewimage/Shutterstock.com
現時点では日本の感染者数は抑制されている。原因解明には詳細なデータに基づいた議論が欠かせないが、過度の規制は副作用も大きい。東日本大震災時と同様の、ストレス等による「関連死」の増加を警戒する必要がある。
 世界中でオミクロン株の感染が拡大している。日本でも京都、大阪、そして東京などでの市中感染が確認された。果たして、日本での流行はどうなるだろうか。

 市中感染が確認されたということは、国内で、既にオミクロン株が一定規模の流行をしていることを意味する。問題は英米のように大流行に発展するかだ。予断を許さない状況だが、筆者は日本での流行は小規模で収束するのではないかと考えている。

アジアと南米で「感染抑制」の可能性も
 私が注目するのは、世界各地での今冬(北半球の季節で=以下同)の新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染症の流行状況だ(図1)。欧州、北米、アフリカでは感染者が増加しているが、南米、アジアでは横ばいだ。各国の検査体制が異なるため、感染者数の絶対値を比較するのは慎重でなければならないが、全ての地域で今夏、感染者が増加したこととは対照的だ。

図1
 図2は12月24日のアジア各国での感染者数を示す。日本では韓国での感染者増が広く報道され、日本の対策の成功が強調されるが、今冬、アジアで感染が増加しているのは、ベトナム、ラオス、韓国くらいだ。マレーシア、タイ、イランの感染者が多いが、これは夏場の大流行からの収束過程で、感染者数は減少傾向だ。また、アジアでもっとも多いベトナムでも、感染者数は164人(人口100万人あたり、一週間平均)で、英(1472人)、仏(983人)、米(531人)とは比べものにならない。

図2
 コロナ流行当初から、欧米と比較してアジアの流行の規模は小さかった。ただ、今夏まで、規模は小さいといえども、アジアでもコロナは流行していた。ところが、今冬は、ここまで全く流行していないのだ。この状況は南米も同じだ。あたかも、アジアと南米でコロナが収束したかのような状況だ。

 勿論、このような地域でも、今後、オミクロン株が大流行へと発展する可能性は否定できない。水際対策、国内の検査体制の充実、経口治療薬の配備、追加接種の促進、さらに病床確保など、最悪の事態に備えた準備は欠かせない。

 ただ、オミクロン株については、もっとデータに基づいた議論が必要だ。アジアや南米では、これまでの延長線では考えられない異様な事態が起こっている。同じような「感染抑制」がオミクロン株に起こる可能性も否定できない。

 アジアでは、日本より早く市中感染が確認されている国がある。例えば、タイは12月20日現在、60人のオミクロン株の感染を確認しているが、このうち一人は市中感染だ。シンガポールでは、12月21日までに6人の市中感染を確認している。

 では、アジア主要国に「侵入」したオミクロン株は、その後どうなっているのだろう。図3は、アジアの主要国がシークエンス(ゲノム配列の解読)をしたコロナのうち、オミクロン株が占める割合を示す。このデータは水際対策と国内での検査の両方が含まれているため、市中におけるオミクロン株の流行だけを反映するものではないが、インドやシンガポールを筆頭に、アジアでもデルタ株がオミクロン株に置き換わりつつあることがわかる。米国疾病管理センター(CDC)は、12月18日までの1週間にコロナ感染と診断された症例の73%はオミクロン株だったと報告しているが、やがてアジアも同じような状況になる可能性が高そうだ。

図3
 注目すべきは、オミクロン株への置き換わりが進みつつあるアジア諸国で、コロナ感染者が増加していないことだ。デルタ株同様、オミクロン株もアジアでは流行しにくいのかもしれない。

 このことは、沖縄の経験とも合致する。沖縄では、米軍基地の職員の間で255人(12月25日時点)のクラスターが発生しているが(米軍は、このクラスターがオミクロン株によるとは認めていないが、基地に出入りする日本人からオミクロン株が検出されているため、オミクロン株が原因と考えていいだろう)、基地外への感染拡大は市中感染の疑いで分析中の1例にとどまっている(12月26日時点)。

懸念される「コロナ関連死」の増加
 オミクロン株は強い感染力を有する。12月16日、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者は、オミクロン株の再感染リスクはデルタ株の5.4倍というモデル研究の結果を発表した。油断は大敵だ。ただ、この英国での研究は、アジアで再現されるかはわからない。

 もし、オミクロン株の脅威が欧米ほどでなければ、過度な規制は禁物だ。経済的ダメージが大きいことに加え、国民の命を奪うからだ。図4は、コロナ流行下での日本人の死亡率の推移だ。2020年、21年の何れも流行期に死亡率が増加していることがわかる。20年と21年では流行規模は違うのに、死亡率の増加は同レベルだ。コロナ感染による死亡だけでは説明がつかない。多数の「コロナ関連死」が起こっていたのだろう。

図4
 筆者は、この状況を知ると、東日本大震災後の福島県を思い出す。原発事故による被曝で亡くなった人はいないが、多くの高齢者が故郷からの避難や仮設住宅での生活などのストレスで、持病を悪化させて死亡した。この福島の経験は、坪倉正治・福島県立医科大学教授のチームが多くの英文論文として発表し、高齢化した先進国では、災害による直接的な死亡より、災害関連死が重要であることが世界的なコンセンサスとなった。

 全く同じことがコロナでも言えそうだ。12月24日、スポーツ庁は全国の小学5年生と中学2年生を対象とした2021年度の全国体力テストで、全8種目の合計点の平均値が小中男女とも前回より下がり、特に男子では調査開始以来最低であったと発表した。コロナ自粛の影響だろう。小中学生の体力がこれだけ落ちるのだから、高齢者の健康が害されるのも宜なるかなだ。

 オミクロン株を巡る議論を聞いていて、私は違和感を抱かざるを得ない。極論すれば、「オミクロン株で死ななければどうなってもいい」と言わんばかりだからだ。超過死亡が議論されることなく、国民目線が欠け落ちている。オミクロン株感染は、国民の健康を最優先に、科学的に合理的な対応が必要だ。

感想
岸田首相とそのスタッフが上先生の投稿記事を読んでおられると良いのですが。
お抱え専門家、本当の専門家?と思うような人からの意見では間違った判断をします。

「褌をしめなおして・・・」
と発言された某会長、もっと専門家として言うことあるでしょうと思いました。

倉持仁院長、専門家有志の政府への提言に疑問「感染症の原則忘れたのでしょうか?」 "実は肩書だけの本当の専門家ではないのでは?

倉持仁院長、専門家有志の政府への提言に疑問「感染症の原則忘れたのでしょうか?」 "実は肩書だけの本当の専門家ではないのでは?

2021-12-29 13:50:10 | 新型コロナウイルス
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b95ef2cd7ae6496be4e466d29fbc90c90a53d33 12/29(水) 13:32デイリースポーツ

 TBS「Nスタ」などに出演する宇都宮市の「インターパーク倉持呼吸内科」の倉持仁院長が29日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルス対策の専門家有志の政府への提言に対して「この人たち指定感染症の原則を忘れたのでしょうか?」と疑問を投げかけた。

 倉持氏は、政府分科会の尾身茂会長ら専門家有志が、オミクロン株の感染者全員を入院させている政府方針を、年末年始は都道府県ごとに柔軟に対応できるようにすることなどを求めたとする記事を引用。「今は感染者が爆増していない段階。ここでしっかり検査隔離して感染拡大を抑えないとダメ!」と、引き続き感染者全員を入院させるべきと主張した。

 「この人たち指定感染症の原則を忘れたのでしょうか?施設が足りなければ入国する数を減らす。隔離施設を増やす、ここで妥協して自宅待機を増やせば家庭感染が増えるだけ!」とかえって、感染爆発を呼ぶことになりかねないと警鐘を鳴らしていた。

感想
指定感染症に政府が決めたのに、自宅放棄で多くの人が亡くなりました。

そしてオミクロン感染者を自宅に戻したら、家庭内感染で爆発的に増えるのが分かっています。
感染力が高いのですから。

ようやく、無料のPCR検査が受けられるように一部の都道府県でなりました。
やることが遅いですが、でも良いことです。

安倍元首相、菅前首相は本当の専門家の意見を聴かず、対策に失敗しました。
岸田首相はどうでしょう?

美輪明宏「86歳、体調の浮き沈みも激しくなって。老いを受け入れながら、今が人生総決算の時」 "人生の大先輩から学びたい!”

2021-12-29 10:14:14 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb7bba390cbdff453f2952b7652515dbf2ad9e34?page=1 12/28(火) 8:01婦人公論.jp
「〈こんな年にしよう〉という意志を持ち、前を向いて自らの力で歩くことが大切です」(撮影=鍋島徳恭)

86歳になった今だからこそわかることがあると言う美輪明宏さん。困難な時、自信を失った時にも前を向いて進むために必要な心構えを聞きました(撮影=鍋島徳恭 構成=篠藤ゆり)

美輪さん直筆の書

◆渋沢栄一のような実行力を

毎年、年末になると、いろいろなところで「来年はどんな年になるでしょう」と聞かれます。私のことを、預言者か何かだと思っているのでしょうか。(笑)

でも、「どんな年になりそうか」だなんて受け身で待っているだけでは、何も変わりませんよ。「こんな年にしよう」という意志を持ち、前を向いて自らの力で歩くことが大切です。

2024年に紙幣が新しくなるということで、21年にそのデザインが発表されました。一万円札の肖像画は、渋沢栄一になるようですね。

渋沢栄一といえば、大河ドラマで話題になりました。聞くところによると、あの方は一人で100人分くらいの仕事をなさったそうです。日本初の銀行を創業したり、ガスを引いたり、さまざまな会社の創立にかかわっています。

とにかくものすごい実行力で、「これをやるんだ」「やらねば」という思いで走り続けました。それもこれも、「日本を何とかいい国にしたい」という志があったからでしょう。そんなふうに志を持ち徳が高い方が、たとえば総理大臣などの立場で日本を引っ張っていけば、きっと日本もいい方向に向かっていくでしょうね。

渋沢栄一は大変能力の高い人ですが、特別な能力がなくても、誰にでもできることがあります。皆さんに一番必要なのは、「悩む」より「考える」ことです。「悩む」と「考える」は、似て非なるもの。まったく違います。

◆日本をいい国にするためには

「悩む」というのは「感情」の所産。「考える」は「理性」です。何か起きた時、人はとかく悩むものです。でも、それは余計なこと。悩んだところで、答えは出てきません。憂鬱になり、落ち込むだけです。

追い込まれた時に最も必要なのは、知性、そして理知です。難しいかもしれませんが、感情は脇にどかしておいて、理知を働かせましょう。

もちろん、簡単なことではありません。だからこそ、お釈迦様をはじめ、いろいろな聖人や宗教者たちが、その道筋を模索したのです。

最近、日本という国に対して自信を失っている人も少なくないようですが、歴史を見直せば違って見えてくるはずです。

たとえば日本の漫画やアニメーションは、世界を席巻しています。私も、宮崎駿さんの『もののけ姫』と『ハウルの動く城』で、声の出演をいたしました。

日本の漫画やアニメの歴史は、平安時代にすでに始まっています。有名な『鳥獣戯画』は、絵巻物になっているので、まさにアニメの原型と言えます。

江戸時代の漫画などに出てくる妖怪は、どこかユーモラスですね。ふんどしのお化けなんて、笑ってしまいます。葛飾北斎の『北斎漫画』に出てくる提灯のお化けなども、どこかかわいらしい。そこへいくとヨーロッパのドラキュラなどは、陰惨な感じがあります。

宮崎駿さんのアニメーションには、そういった伝統が受け継がれている気がします。「そこがすばらしい」と、うんと褒めて差し上げました。

最近は、さまざまなロボットが登場していますが、その原型は、とっくの昔にあります。

一番古いからくり人形は、「指南車」と呼ばれるもので、『日本書紀』にも出てくる。江戸時代にはお茶を運ぶ人形など、精密な人形が盛んに作られるようになりました。

今はすべてがデジタルの世の中ですが、日本には、すばらしいアナログの文化がありました。それを忘れてほしくないのです。

すべてがIT化され、確かに便利にはなりましたが、ロマンチシズムや情緒は失われつつあります。きちんと歴史を見て、理性的に分析し、守るべきものは守っていく。そうすれば日本はきっと、この先、いい国になると思います。

◆歴史を振り返ればそこに答えが

21年は、真子さんのご結婚について世の中、喧々。天皇制に関しても、やれ、男系男子でないとダメだとか──。

でも、それとて冷静な目で歴史を眺めたら、答えはちゃんと書いてあります。過去に持統天皇や孝謙天皇をはじめ、全部で8人の女性天皇がいました。江戸時代にも、2人いたそうです。

源頼朝の妻の北条政子のように、女性でも戦軍を率いた人がいます。木曽義仲の愛妾だった巴御前は、敵将の首をねじ切ったと言われています。男だから、女だからと性別にこだわるのが、そもそもおかしいのです。

オリンピックやパラリンピックを見ると、過去には男性のみの競技だと思われていた種目で、日本人女性選手の活躍が目立ちました。重量挙げやレスリング、ボクシング、サッカー、ラグビーなども、今では男女平等に行われています。

最近は多様性が大きなテーマとなり、LGBTの権利についても関心が高まっていますが、この問題も歴史を振り返ると、かつて日本で男性同士が愛し合うことは珍しくなかったことがよくわかります。

織田信長とだった森蘭丸の関係は有名で、明らかに二人は愛し合っていました。また、江戸幕府五代将軍・徳川綱吉の小姓だった柳沢吉保は、寵愛を受けて側用人に取り立てられ、大変出世したそうです。吉保は、全国から美少年を集めて柳沢十六人衆と名付け、歌舞音曲を仕込んで美しい着物を着せ、大名などをもてなす際に重用しました。日本には、そうした伝統もあったのです。

男色が排斥されるようになったのは、軍国主義の影響が大きいと思います。日中戦争から始まり戦争の時代になると、男性は徴兵され、戦場でどんどん死んでいきました。そこで兵士を補充するために、国は「産めよ、殖やせよ」と号令をかけたわけです。

そういう時代には、同性愛の人は「生産性がない」ということで、国賊扱いされました。非国民と言われたのです。LGBTが差別・排斥される社会というのは、ことほどさように恐ろしい。人の命を何とも思わない、強権的な社会であることの証しと言ってもいいでしょう。

◆老いて大樹になるか、朽ち果てるか

私は今、86歳です。やはり、実際にこの年齢になってみないとわからないことがたくさんあります。私より2歳上の黒柳徹子さんが「時間が束になって飛んでいく」とおっしゃっていましたが、まさにそんな感じです。

50代、60代の頃と比べると、体調の浮き沈みも激しくなってきました。私はもともと慢性気管支炎を抱えていることもあり、最近は数日単位で体調が変わります。動きも以前のようにテキパキとはいきませんから、大変のろまです。

けれど、「老い」は誰しも避けられないもの。受け入れるしかありません。たとえ若い頃、美貌に恵まれたとしても、「え~っ、あんなになっちゃったの?」と言われるようになります。かくいう私自身、まさにそうです(笑)。もう、見る影もありません。

ただ、老いて大樹になるか、朽ち果てるかは、人それぞれでしょう。

何のために生きてきたのか。どう生きてきたのか。今までの人生の積み重ねが問われるのです。つまり「老い」とは、人生の総決算の時期と言ってもいいでしょう。

その時期が近づいたら、人生を振り返り、自分を見つめ直して、総ざらいしてみることをおすすめします。自分は、誰かのためになっているだろうか。人のために、何かしてあげたことがあるのかを、自分に問うてみる。そして、自分を大事にしてくれた人に感謝することです。

◆戦中戦後のことを思い出して

えてして人は、してもらうことを「当たり前」と思いがち。とくに夫婦の間では、そうなりやすい。夫は妻が世話を焼いてくれるのを当然と勘違いし、一方妻は、夫が必死で働いてくれたおかげで生活できているのに、慣れっこになってしまい、感謝する気持ちが吹っ飛んでいる。そして、不平不満が出てきます。

小さい子どもからおじいさん、おばあさんまで、何一つ不平不満がない人はひとりもいないと思います。もし不平不満があった時は、何か感謝することはないかを探せばいいのです。

たとえば、歩ける。見える。聞こえる。口がきける──。今できることがあるというのは、ありがたいではないですか。感謝が大事だということを頭に入れておくと、日々の心持ちも変わります。

私はときどき、戦中戦後のことを思い出すようにしています。当時は皆さん食べるものもなく、お米が数粒浮かんでいるだけのお粥をすすっていました。もう、卵なんて貴重品もいいところ。私も長崎で原子爆弾によって被爆し、苦しみました。そういう時代を振り返ると、「今は何てありがたい世の中なんだろう」と思えるのです。

世の中は「正負の法則」から成り立っています。プラスとマイナスは交互にやってきて、最終的にはゼロになる。自分には悪いことばかり起きると思っている人も、同じくらいいいことがあったはずです。それに気づいて感謝の気持ちを持てば、まわりに優しくできます。すると人からも優しくしてもらえますし、何歳になってからでも運が開けますよ。
(構成=篠藤ゆり、撮影=鍋島徳恭)

感想
美輪明宏さんが86歳になられても今も前を向いて生きられています。
もう年だからとつい思ってしまいますが、まだまだやれることがあるように思えます。

こうしたいという思いを持つかどうか。
そして今自分に出来ることをしていくことなのでしょう。
仮に周りからよく思われなくても、それが多くの人にとって意味あることであれば、気にせずに進むことなのでしょう。
結局、よく思わない人は多くの人のとって意味あることをしようとしない人なのですから。
目的が間違ってなく、やり方に問題なければいつかそれが当たり前になる時が来ると信じで行うことなのでそう。
これは自分への言葉でもあります。

人生に意味を持たせる。
人生からの問いかけにできることをしていくことなのでしょう。
そのときそのとき良いと思う判断をして。
後からそのときの判断が良くなかったとしても、それは状況が変わったからです。
また判断ミスだと思えばこれからに生かせば良いだけです。
それに大きな力を与えてくれるものにロゴセラピーがあります。
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