http://tanakaryusaku.jp/2016/04/00013432 2016年4月18日
熊本地震を受けて原子力規制委員会は、きょう、臨時委員会を開いた。気象庁は「震源が南西に移動している」としており、稼働中の川内原発への影響が懸念される。
「(地震の揺れは)原子炉停止装置の設定以下」「川内については火山灰が15センチ積もっても心配ない。破局的噴火を心配する必要はない」・・・
原子力規制庁の事務方がツラツラと資料を読み上げた。「心配ない」のオンパレードだ。
経産省出身の事務方が「危険性があるので原発の運転を一時停止した方がいい」などと言うはずはなかった。
委員たちも同様だった。「今回(川内原発で)観測された(揺れ)は小さなものだった。伊方も燃料の冷却が極めて進んでいる。仮に(冷却)水が抜けても、水をかけてゆけば大丈夫・・・」。更田豊志委員も安全性を強調した。
伴信彦委員が「震源が南の方に動いた場合の影響は?」と問うと石渡明委員は「その場合でも150ガル※くらいしか揺れはない」とフォローした。(※川内原発の基準地震動は620ガル)
田中俊一委員長に至っては、事務方に安全性のダメ押しを求めた ―
田中委員長「機器の損傷で止まるとかじゃないんですよね」
事務方「地震動の値で止まるように設計しています」
田中委員長「早期に止まるようになっているということですよね」
事務方「はい、そうです」。
事務方と委員たちで申し合わせたような質疑応答だった。
安全神話を覆して福島原発事故は起きた。悪夢の再来を懸念する向きもある。「一時運転停止」の勧告が出るのではないかと期待する声もわずかだがあった。
国内外が固唾を飲んで見守った原子力規制委員会の臨時会議はわずか40分あまりで終了した。
臨時委員会の後、田中俊一委員長の記者会見が開かれた。
記者団からは安全性を危ぶむ質問が相次いだ。だが田中委員長は「事故が起きる前に停止するよう設計している」「今の段階で安全上の問題はない」と繰り返した。
あるフリー記者が「福島原発事故で想定外という言葉が繰り返された。今回(もし事故が起きて)また想定外と言われたら国民は許さないと思うが?」と問い質した。
田中委員長は「(我々は)想定内で判断している。想定外と言ってはいけないと肝に銘じて我々も規制している」と胸を張った。
田中委員長はさらに、「どういう状況が起こっても今の川内原発で想定外の事故が起きるとは判断していない」と付け加えた。
原子力規制行政のトップが、安全神話を完全復活させた瞬間だった。
感想;
福島第一原発の責任は、「想定外」で片づけられています。
今回、「想定外はない」と断言されています。
想定外はその考えを超えた場合を言うので、想定外はないと言う甘い判断が福島第一原発を招いたのではないでしょうか?
福島第一原発1~4号機はポンプ式の冷却でポンプが建屋より低いところに設定されていた。
福島第二原発はポンプが建屋に設置されていて津波の影響を避けられた。
福島第一原発5,6号機は冷却がポンプ式でなく電源だったので、電源が復帰したら冷却できた。
政府は原子力委員会に稼働/停止はお任せ。
原子力委員会は問題が起きた時の責任は政府の責任と。
誰が責任を取るのでしょうか?
福島第一原発が一番津波に弱いとのアセスメント結果が出されていました。
また津波が起こる数年前に共産党議員が大震災で電源が止まるなどの対応はできているのか?の政府への質問には、「できていないが、これから鋭意検討する」と言ってそのままでした。その当時の首相が安倍氏でした。
自民党時代にリスクを放置した結果、民主党時代に生じた福島第一原発の事故。
どちらが本来責任を感じて二度と起きないようにより痛感しないといけないのでしょか?
原発の問題/若者の引きこもり/子どもの貧困/年金の問題/莫大な借金
日本が抱えている問題は大きいです。全て将来の日本の問題です。
しかし、安倍首相が関心があるのは、憲法改正を目指して秘密保護法の制定、安保法案成立による集団自衛権確立。
将棋や囲碁では大局観が重要と言います。何が今問題になって今何をしなければいけないか。
それがわからないと、その重要な問題ではない、急がない問題に注力してしまいます。
それを感じてしまうのですが・・・。
地震の専門家でさえ、今回はこれまでの歴史になかったことで、これからの先は見通しが立てられないと断言しています。政府、原子力委員会は見通しが立つのでしょうか?